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石井紘代議士刺され死亡

自宅前、男に包丁で
容疑者走って逃走

２５日午前１０時４０分ころ、東京都世田谷区代沢１丁目、民主党の石井紘基衆院議員（６１）＝東京６区＝の自宅から、「代議士が男に胸などを刺された」と１１０番通報があった。石井氏は胸などを刺されており、国立病院東京医療センター（目黒区東が丘２丁目）に運ばれたが、午後０時５分に死亡が確認された。男は現場から走って逃走した。警視庁は殺人容疑で男の行方を追っている。（２２・２３面に関係記事）


　石井氏は病院に搬送された時点で心臓停止状態だった。今後遺体を司法解剖して詳しい死因などを調べるが、失血死とみられる。

　捜査１課と北沢署の調べでは、石井氏は迎えの公用車に乗り込むため自宅を出たところ、無言で近寄ってきた男に包丁で左胸とあご、左手の３ヶ所を刺された。凶器とみられる包丁（刃渡り約３０センチ）は、現場近くの路上で見つかった。

　男は５０歳ぐらいで、約１７０センチ、グレーのジャンパーを着て頭にバンダナを巻いていた。公用車の運転手を務めていた男性秘書が事件を見ていたが、見知らぬ男だったという。

近所の人が、午前８時５０分ごろ、石井氏宅の様子をずっとうかがっている不審な男を目撃している。また、事件後、現場から南に約４００メートルの公園に、男が一時潜んでいたとの目撃もあり、同課で周辺を調べている。

　石井氏の事務所によると、石井氏は午前１１時に世田谷区内で支持者と会ってから、国会に向かう予定だった。

　石井事務所によれば、最近は石井氏や事務所に対しても、特に脅迫やいやがらせを受けたりすることもなかったという。

現場は京王電鉄井の頭線の沿線にある閑静な住宅街。東京大学駒場キャンパスの向かいにある。

　石井氏は９３年の初当選以来、『政官業』の癒着問題の追及を中心に議員活動を重ねてきた。

　民主党では「政治と行政の不正を監視する民主党有志の会（民主党国会Gメン）」の室長や、「政官業癒着監視隊」の隊長を歴任。超党派の「オウム問題を考える議員の会」でも代表世話人を務めた。

　最近では、鈴木宗男衆院議員の一連の問題追及に積極的に取り組んでいた。今年に入り、衆院沖縄・北方特別委員会で北方四島の人道支援事業をめぐる不正入札疑惑で受注業者が自民党の政治資金団体に多額の献金をしている実態を追及した。

　江田五月代議士秘書や社民連事務局長などを経て、９３年に日本新党から衆院議員に初当選。９４年には羽田内閣で総務政務次官に就任した。新党さきがけ政調副会長や旧民主党政調副会長など政調畑を歩み、特殊法人改革や公務員制度改革に精通していた。この臨時国会が召集された１８日、衆院災害対策特別委員長に就任したばかりだった。

「怒り覚える」
　　首　　相

小泉首相は２５日昼、民主党の石井紘基代議士が刺殺されたことについて「いかなる状況においても、暴力で政治活動を封殺し、暗殺するようなことは断じて許されない。強い怒りを覚える」と述べた。首相官邸で記者団に語った。

■２００２年１０月２５日の石井紘基関連の新聞記事一覧

石井紘基刺殺事件当日（２００２年１０月２５日）、新聞記事まとめ！
https://fanblogs.jp/logic-collabo/archive/4276/0