食品工業は近年、各方面で急速な発達をしてきました。これは非常に良い現象といえるでしょう。例えば缶詰、瓶詰、冷凍、ドライフーズ、真空パックなどが挙げられます。

これらは近代食品工業の発達につれて盛んになったもので有るが、もしこのように加工されなければ、せっかくの食糧が腐ってしまい廃棄するだけになってしまいます。それを保存食として、いつでもいつまでも食べられるようにしたと言う事は、言い換えれば間接的な増産と同じ事になります。

我が国では水産物が世界一の量に達していて、肉に代わる蛋白源として重要な役割を果たしているが、これも保存が悪ければすぐ鮮度が落ちて食べられなくなってしまいます。それを加工出来るか出来ないかで、保存食糧の意味が出てくるのです。

保存食糧は次のような色々な役割を果たしてくれます。
◇腐敗しにくいので長期間の保存に耐えられる。
◇手軽に移動でき流通に便利。
◇調理する必要が無いか、もしくは非常に簡単。
◇魚の加工で骨も柔らかくカルシューム分が摂れる。
◇大量に機械的に作るので低コストで安く買える。
◇季節に関係なくいつでも新鮮なものが食べられる。
◇災害現場などへの救助活動が容易になる。
◇食糧としての種類を問わず大量に備蓄できる。

地球上の人口は殖える一方に有るといわれています。

現在米の生産過剰で悩んでいるような事を言っている日本が、絶対量問題では余っている米まで輸入している。これは輸出と輸入の関連性で已むを得ない事ですが、肉や乳製品は不足しています。

大きな戦争が再び起こると日本は言うに及ばず、世界各地に食糧不足が出現して人類が飢えるという状態も大いに考えられるのです。まだ世界には見開発地域がありますが、秩序ある開発をすれば早急に食糧難に襲われる事は無いと思いますが、決して油断の出来ない事なのです。

この狭い我が国に焦点をあてて見ると限度があります。

現状を改良してみると言うような程度では絶対数が不足しています。米や麦にとって変わる食糧を、科学的に生み出す工夫と、海や海水、空気や太陽熱からも食糧を生産し得る画期的な方法を真剣に考えて対処しないと、食べるという点で余り安心できる我が国の状況ではないような気がします。