2018年01月11日
滝沢秀明主演・大河ドラマ「義経」(平成17年放送)第39回「涙の腰越状」
1月11日午後2時より、CS放送のチャンネル銀河で、大河ドラマ「義経」第39回「涙の腰越状」が放送されました。ジャニーズ事務所の滝沢秀明さん主演で平成17年にNHKで放送された作品です。
まだ幼い時に実の兄(同母兄)たちと別れ、父のかたきである平清盛をほんとうの父と思って育った牛若丸は、やがて自分の出生の秘密を知ってしまった。源氏の残党から諸国の情勢を伝えられる中で、伊豆に腹違いの兄・頼朝がいることを知ります。そしてまだ見ぬ兄への思いを募らせました。
そういう背景があっての「涙の腰越状」という話です。
元服して義経と名乗り、奥州平泉の藤原氏のもとで成長した牛若丸は頼朝の挙兵を知って兄のもとへ駆けつけました。その初対面のときこそ涙の対面でしたが、以来、彼が求めていた「兄弟の情愛」を感じられないまま源氏の部将として働き、ついに平氏を倒しました。
兄に自分の働きを認めてもらえると思っていたところ、後白河法皇から官位を受けたことで兄の怒りをかってしまった。
なぜ頼朝が怒ったかと言うと、頼朝が目指していたものは朝廷に影響されず平氏のように法皇にゆさぶられることもない東国の武家政権であり、その武家政権は全国の武士をまとめ頼朝が武家の頂点にたつことだった。そのため、頼朝の手足となって働くべきはずの義経が兄に無断で官位をうけるということは、頼朝の目指す武家政権の秩序を大きく乱すものだということになる。義経に悪気はなくても、鎌倉側からみたら勝手きわまるものにみえるのだ。だから、しめしがつかないために頼朝は義経に対して怒りをあらわにし、鎌倉に入ることを許さなかった。
足止めをくらった腰越の地で沙汰を待つ義経主従。
一方、鎌倉では、中井貴一さん演じる頼朝が平家の総大将だった宗盛(鶴見辰吾さん演じる)と対面します。宗盛は平家の総大将としての誇りを捨て、頼朝に命乞いをします。
そのとき、頼朝の妻の政子(財前直見さん演じる)は、娘の大姫の心の病をいやせるのは義経だとして、ひそかに義経に使いの者を送り、極秘に鎌倉に入って大姫に会うようにと伝えさせる。しかし、兄に無断で行動するわけにはいかないと義経は断ります。
そんな義経に怒る政子。
政子の言うことをきく、きかぬ。どちらにしても立場の悪くなる義経。
松平健さん演じる武蔵坊弁慶は、義経に忠告します。頼朝様に肉親の情などないのです、と。そして、情を捨てて現実を見なされ、と義経言います。
しかし、なおも兄の「情」を信じる義経には耳の痛い言葉であり腹の立つ言葉でした。自分の思いを伝えれば兄上は分かってくれるだろう、と。
腰越の寺で謹慎している義経は頼朝の近臣・大江広元に書状を送ります。これが世にいう「腰越状」です。
しかしその書状は情緒的な思いを綿々と綴っただけで、鎌倉の武家政権樹立という頼朝の意に反して官位を受けたということについての謝罪はまったくありませんでした。
結局、鎌倉入りを許されなかった義経主従。
義経や弁慶の苦悩や、そこから起こる悲劇が描かれた回でした。
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