2018年04月26日
黒澤明監督作品「影武者」
グーペ
4月24日の午後5時40分から、CS放送の日本映画専門チャンネルで、黒澤明監督作品「影武者」が放送されました。
舞台は戦国時代の日本。
主役は仲代達矢さんで、戦国大名最強と恐れられた(上杉謙信もまた最強といわれるのだが)武田信玄と、その影武者となった男の、一人二役を演じています。
天正元年、強力な軍事力を誇る武田信玄の軍勢は、三方ヶ原の合戦で徳川家康を撃破すると、そのままの勢いで東三河に進み、野田城を攻めていた。
落城も近いうちと思われていたが、ある夜、信玄は城内の狙撃にあって重傷をおい、それが原因で死んでしまう。
己れの死を隠し内外に決して漏らさず、まだ幼い孫(竹丸)が無事に成長するまで、三年は動かずにいろ、との信玄の遺言があり、信玄の弟の信廉(のぶかど)と重臣らは、信玄の死を隠しとおす為、箴言にうり二つの男を影武者とする。
信玄の影武者にと選ばれた男は、かつて処刑寸前のところを信廉(山崎努さん演じる)が拾ってきた盗人だった。
「お屋形様」の信玄の姿がいつまでも見えないのでは、「おかしい?」と噂がたち、その噂が織田信長や徳川家康のもとにまで伝わってしまう。そうならないためにも、信玄健在を示さなくてはならない。が、元盗人の影武者は、「お屋形様」としてどうふるまえばいいのか、どう喋ればいいのかわからない。
そこで信玄の弟の信廉がいろいろと教える。
武田館へと戻った影武者は、信玄の孫の竹丸や側室たちと対面することになる。
ここでバレたら大変だ。
重圧に耐えきれず、ついに影武者は「じつは」と、自分は影武者であることを側室たちに打ち明けるが、それは冗談と受け取られ、笑われてしまい、誰も本気にしない。それで結局、「本物の信玄」ということで通すことになる。
また、家臣団が集まった「評定(会議)」の場においても、なんとか信玄らしく振舞い、誰も疑う者はなかった。
しかし織田信長(隆大介さん演じる)や徳川家康(油井昌由樹さん演じる)は、「信玄は実は野田城攻めの折に死んだのでは?」と疑っており、真偽を確かめるために陽動作戦を展開したり、南蛮人の医者を派遣し、かつて信玄が追放した武田信虎(信玄の実父)の家来を友につけたりする。
一方、信玄の四男で、竹丸の父親である諏訪四郎勝頼(萩原健一さん演じる)は、今の信玄が実は影武者であることを知っており、表面上でも影武者に仕えて言うことを聞かねばならぬことを嫌い、独断で動くようになる。
このようにして武田家のうちで動揺がひろがり、不協和音がもたらされる。
そしてついに、影武者が落馬したこと、それが信玄の長年乗り慣れた愛馬からの落馬だったこと、怪我した信玄(実は影武者)の体に、川中島で上杉謙信につけられたはずの傷がないことを側室に見られてしまったことで、ついに影武者であることがバレ、「お役御免」となってしまう。
こうなってはやむを得ぬ、と、重臣たちは勝頼を武田家の後継者にすえるが、結局、功にはやる勝頼は重臣たちの制止を振りきって、織田・徳川の連合軍との戦いに向かう。
歴史上有名な「長篠の戦い」である。
織田信長の戦術、鉄砲三段構えで、勇猛を誇った武田騎馬隊が次々と倒れ、武田の大敗が決定的となったとき、その様子をみていた元影武者は、戦場に出て織田軍の銃弾を浴びる。
戦国の世の大名家の存続のためにと、影武者を利用しておきながら、いざ影武者であることがバレてしまうとゴミでも捨てるように追い出してしまう、大名家の非情さ。影武者であることがバレて、元盗人の男が館から出されたときには、門番の男までが馬鹿にするような態度をとった。
せめてもう一度竹丸に会いたい、と元盗人で「元影武者」になってしまった男は言うが受け付けてもらえない。
その戦国の世と戦国大名の非情さ。
そしてこの男を追い出した武田家は長篠の戦いで大敗を喫し、多くの重臣を失うという、運命の皮肉。
それが黒澤明監督作品の重厚なつくりのもと、描かれていました。
Huluオリジナル
4月24日の午後5時40分から、CS放送の日本映画専門チャンネルで、黒澤明監督作品「影武者」が放送されました。
舞台は戦国時代の日本。
主役は仲代達矢さんで、戦国大名最強と恐れられた(上杉謙信もまた最強といわれるのだが)武田信玄と、その影武者となった男の、一人二役を演じています。
天正元年、強力な軍事力を誇る武田信玄の軍勢は、三方ヶ原の合戦で徳川家康を撃破すると、そのままの勢いで東三河に進み、野田城を攻めていた。
落城も近いうちと思われていたが、ある夜、信玄は城内の狙撃にあって重傷をおい、それが原因で死んでしまう。
己れの死を隠し内外に決して漏らさず、まだ幼い孫(竹丸)が無事に成長するまで、三年は動かずにいろ、との信玄の遺言があり、信玄の弟の信廉(のぶかど)と重臣らは、信玄の死を隠しとおす為、箴言にうり二つの男を影武者とする。
信玄の影武者にと選ばれた男は、かつて処刑寸前のところを信廉(山崎努さん演じる)が拾ってきた盗人だった。
「お屋形様」の信玄の姿がいつまでも見えないのでは、「おかしい?」と噂がたち、その噂が織田信長や徳川家康のもとにまで伝わってしまう。そうならないためにも、信玄健在を示さなくてはならない。が、元盗人の影武者は、「お屋形様」としてどうふるまえばいいのか、どう喋ればいいのかわからない。
そこで信玄の弟の信廉がいろいろと教える。
武田館へと戻った影武者は、信玄の孫の竹丸や側室たちと対面することになる。
ここでバレたら大変だ。
重圧に耐えきれず、ついに影武者は「じつは」と、自分は影武者であることを側室たちに打ち明けるが、それは冗談と受け取られ、笑われてしまい、誰も本気にしない。それで結局、「本物の信玄」ということで通すことになる。
また、家臣団が集まった「評定(会議)」の場においても、なんとか信玄らしく振舞い、誰も疑う者はなかった。
しかし織田信長(隆大介さん演じる)や徳川家康(油井昌由樹さん演じる)は、「信玄は実は野田城攻めの折に死んだのでは?」と疑っており、真偽を確かめるために陽動作戦を展開したり、南蛮人の医者を派遣し、かつて信玄が追放した武田信虎(信玄の実父)の家来を友につけたりする。
一方、信玄の四男で、竹丸の父親である諏訪四郎勝頼(萩原健一さん演じる)は、今の信玄が実は影武者であることを知っており、表面上でも影武者に仕えて言うことを聞かねばならぬことを嫌い、独断で動くようになる。
このようにして武田家のうちで動揺がひろがり、不協和音がもたらされる。
そしてついに、影武者が落馬したこと、それが信玄の長年乗り慣れた愛馬からの落馬だったこと、怪我した信玄(実は影武者)の体に、川中島で上杉謙信につけられたはずの傷がないことを側室に見られてしまったことで、ついに影武者であることがバレ、「お役御免」となってしまう。
こうなってはやむを得ぬ、と、重臣たちは勝頼を武田家の後継者にすえるが、結局、功にはやる勝頼は重臣たちの制止を振りきって、織田・徳川の連合軍との戦いに向かう。
歴史上有名な「長篠の戦い」である。
織田信長の戦術、鉄砲三段構えで、勇猛を誇った武田騎馬隊が次々と倒れ、武田の大敗が決定的となったとき、その様子をみていた元影武者は、戦場に出て織田軍の銃弾を浴びる。
戦国の世の大名家の存続のためにと、影武者を利用しておきながら、いざ影武者であることがバレてしまうとゴミでも捨てるように追い出してしまう、大名家の非情さ。影武者であることがバレて、元盗人の男が館から出されたときには、門番の男までが馬鹿にするような態度をとった。
せめてもう一度竹丸に会いたい、と元盗人で「元影武者」になってしまった男は言うが受け付けてもらえない。
その戦国の世と戦国大名の非情さ。
そしてこの男を追い出した武田家は長篠の戦いで大敗を喫し、多くの重臣を失うという、運命の皮肉。
それが黒澤明監督作品の重厚なつくりのもと、描かれていました。
Huluオリジナル
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/7592973
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
この記事へのトラックバック