2017年12月09日
『鬼平犯科帳4』「さざ浪伝兵衛」
時代劇が好きな私ですが、中でも池波正太郎氏作品の三大作品と言われる「鬼平犯科帳」「剣客商売」「仕掛人藤枝梅安」のドラマ化作品が好きです。
今日は時代劇専門チャンネルで朝から「鬼平犯科帳」が放送されていました。
まず見たのが「さざ浪伝兵衛」という話。
以前にも見たことのある話なのですが、「ああ、これ前に見たやつだ。みなくていいや」なんて思ったりしません。何度見ても飽きないのが池波作品の魅力を示すところです。
凶悪な賊が鬼平ら火付盗賊改めの人々を手玉に取ったように見えながらも、結局はおのれが殺めた人の(あるはずのない)亡霊のすがたにおびえて自滅する、という話。
人の世の裏表も、人情の機微もわきまえたような長谷川平蔵でさえ、「人の心とは分からぬものよ」というようなつぶやきを漏らすのですが、池波作品の面白さは、凶悪無残な盗賊にも罪の意識にさいなまれる弱さがあるとして描くところにあるといえるのではないでしょうか。
特に、伝兵衛は人を殺すこともなんとも思わないような冷血漢でありながら初めて殺した相手の事は忘れられず、結局はその陰におびえてしまい、或る事から、すっかりおびえきったままになってしまうのです。
「藤枝梅安」シリーズや「殺しの掟」などでもそうですが、闇の世界、裏の世界に生きる人間の心に焦点をあてた作品が多いことも、池波氏の魅力の一つとなっています。
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