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2018年03月23日

「男と女のミステリー時代劇」第1話「あだ討ち」







 3月22日の午後10時から、CS放送の時代劇専門チャンネルで、「男と女のミステリー時代劇」第1話「あだ討ち」が放送されました。
 「男と女のミステリー時代劇」シリーズは、ミステリー作家・多岐川恭氏の作品をドラマ化したものです。全12話です。
 おとし(梅村結衣さん演じる)は商家の娘だったが、盗賊に家族を殺された。姉を殺されたとき、物陰に隠れていた彼女は、盗賊の肩から背中にかけて大きな入れ墨があるのを見た。大きな目をした動物の入れ墨だった。彼女には、それが龍の入れ墨に見えた。
 彼女は姉のかたきを討とうと、「龍の入れ墨」のある男を探した。
 だが、彫り物がある男を探すことはできても、その相手の背中に龍の彫り物があるかどうかを確かめることは難しい。
 彼女は彫り物が垣間見える男を誘惑して、龍の彫り物かどうか確認しようとした。龍の彫り物があれば、団子の串で男を刺すつもりだった。
 が、その男にある彫り物には龍の顔はなかった。彼女はその場から立ち去ろうとした。
 男がただで帰そうとするはずはなかった。お預けを食らって彼女をそのまま見逃すほど甘くはない。抱きすくめようとした。
 そこへ割って入り、悲鳴を上げる彼女を助けた男がいた。水島亮三郎(永井大さん演じる)という浪人である。
 女に誘惑されて、これから情事におよぼうという時に武士が入ってきて自分を脅した、と感じた男は「つつもたせ」だ、と思い込み、お金をだしてその場から逃げ去る。
 おとしから「かたき討ち」の理由を聞かされ、自分の代わりにかたきを討ってくれと頼まれた亮三郎は、おとしと組んで、「つつもたせ」もどきのやり方で龍の彫り物の男を探すことにした。
 実は、亮三郎は、以前は腕利きの奉行所同心で、彼を逆恨みした悪人に妹をさらわれた挙句に殺され、かたき討ちの旅に出たことがあった。
 父親や兄のかたき討ちは認められても、妹のかたき討ちは正式なかたき討ちとして認められない。しかも奉行所のつとめを離れて勝手に旅に出ることなど許されなかった。それで恭三郎はただの同心ではない、ただの浪人となっていたのだ。
 亮三郎はおとしに、かたき討ちの謝礼を要求する。おとしがすぐには払えないような金額だが、おとしは払うと約束する。
 そして、「つつもたせ」のようなやり方で肌の彫り物が垣間見える男を誘い、龍の彫り物か確かめるとともに、相手が置き去った金を貯め、謝礼の資金とした。
 が、ここに、おとしの命を狙う男が登場する。小間物屋の男(いしだ壱成さん演じる)で、背中に獅子の顔の彫り物があった。この男こそ、おとしの家族を殺した盗賊だった。

 亮三郎は、妹のかたきの悪人を探して旅に出ていたが、探し当てた時、当の相手は病死していた。そのこともあって、おとしのかたき討ちに協力する気持ちには特別なものがあったが、「かたき討ち」が成就したとして、その後にどういう気持ちで過ごすことになるかまで考えていた。

 ただの単純な謎解きの話でもなければ、単なるかたき討ちの話でもない、人間の思いの深さを教えてくれるドラマでした。
 
 




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