2018年03月13日
中村吉右衛門主演「鬼平犯科帳」第6シリーズ第10話「おかね新五郎」
3月11日の午前9時から、CS放送の時代劇専門チャンネルで、中村吉右衛門主演「鬼平犯科帳」第6シリーズ第10話「おかね新五郎」が放送されました。
火盗改長官の長谷川平蔵(中村吉右衛門さん演じる)は、ある日、旧知の間柄である浪人・原口新五郎(滝田祐介さん演じる)を訪ねる。原口新五郎は、かつて、平蔵がまだ若い時分、高杉道場で剣術の修行を始めたばかりのころに知り合った者で、今は寺の境内で子供に読み書きなどを教えている。
若いころに知り合った者、とくに同じ道場に通いながら自分と違う人生をたどって悠々と暮らしている原口に会って語り合うひと時は、凶悪な賊を取り締まる役目で忙しい平蔵にとって、癒しともいうべき息抜きの時間となっていた。
その原口と会った帰り、平蔵は二十数年ぶりに、おかね(南田洋子さん演じる)という女を偶然に見かけた。おかねは、若き日の平蔵が本所界隈で無頼の日々を送って「入江町の鐡」とか「本所二つ目の鐡」などとあだ名されていたころ、流しの女郎をやっていた。
気になっておかねの様子に注目すると、おかねは、片目の男(山田吾一さん演じる)を包丁で切りつけようとした。
この騒動を鎮めようとした平蔵はおかねを助ける。
片目の男は弥助といった。かつて、おまさ(梶芽衣子さん演じる)の父親が居酒屋を営んでいた時、店内でおかねに絡み、挙句、まだ娘だったおまさにも暴力をふるった。それをみて逆上しおまさを助けようとしたおかねは弥助の目をかんざしで刺した。
弥助は自分の右目を潰したおかねを深く恨んだ。
のちに、おかねは江戸から離れ、誰の子か言えぬ娘を生んだが、その娘がまだ幼くかわいい盛りの時に、弥助は、おかねが江戸にもどってきたのを知り、おかねの娘をさらって殺した。
それで、おかねは弥助を「娘のかたき」とつけ狙っていたのだ。
密偵・相模の彦十(江戸家猫八さん演じる)はこの話を聞き、昔を思い出して「その娘は、もしやてっつあん(平蔵)の?」と言うが、平蔵は「身に覚えがない」という。
彦十と昔のことを話しているうちに、平蔵にある推理がはたらく。
「もしやその娘の父親は原口新五郎どのでは?」
そして平蔵が原口本人に会い、問いただすと、原口は昔、おかねと男女の仲になっており、所帯をもつつもりだったが、突如としておかねが行方をくらませたので添い遂げることはできず、ずっと独身のままなのだという。
やがて、平蔵はおかねの告白から、娘の父親が原口で、むかし原口のもとから去ったのは原口の侍としての出世を考えて自ら身を引いたのだった。
平蔵は、火盗改として弥助を追い詰め、おかねの仇討ちに手を貸す。
この話でこころを動かされるのは、原口新五郎の清廉な生き方と、流しの女郎だというおかねを真摯に愛し、所帯をもつつもりだったという「思い」「愛情のたしかさ」と、原口新五郎のことを思って身を引いたおかねの気持ちです。
その二人の気持ちがすれ違い、若い時は分かれたが、平蔵との出会いをきっかけとして、二人の思いがやがて一つになるのです。
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