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posted by fanblog

2018年05月03日

第2世代Ryzenは順当な性能向上

第2世代RyzenデスクトップCPUが発売され、いろいろなところのベンチマークなども確認することができました。

アーキテクチャ自体は、ZEN から ZEN+ と言うことで小幅な改善にとどまるようですが、全体的な評価は良好だと感じています。

小幅な改善にもかかわらず、目に見える性能向上を実現できたのは、

 ・プロセス技術の改善による動作周波数の向上
 ・キャッシュレイテンシの改善
 ・動作周波数制御技術の改善(Precision Boost 2,XFR2)

と言ったところの効果です。


1.プロセス技術の改善による動作周波数の向上

第2世代Ryzenでは、14nmから12nmへと半導体製造プロセスが進歩しました。
12nm製造プロセスは、実際には14nmプロセスの改良版であり、次世代(10nm)プロセスとは異なりますが、それでも電力効率の向上、周波数の向上等、一定の効果は得られます。
(12nmにさらに最適化すれば、実装するトランジスタも増やせるそうですが、今回はトランジスタの規模は同等レベルです。)
プロセス技術の進歩の結果、最大動作周波数の向上が実現し、性能が向上しています。


2.キャッシュレイテンシの改善

CPUの内蔵キャッシュのレイテンシ(遅延)が改善されました。
パソコンには、以下のようなキャッシュがあります。

 a. CPU内のキャッシュ(L1,L2,L3など階層がある)
   −>DRAMメモリからの読み込みはCPUの処理速度から見ると遅いので、一時的な命令、データの保管場所として利用。

 b. DRAMキャッシュ
   −>DRAMの一部エリアを利用。SSDやHDDへの読み書きは、DRAMよりもさらに遅いので、一時的なデータの保管場所として利用。

キャッシュとは、データやプログラムの命令など、読んだり書いたりする時に発生する「待ち時間」を削減するための技術です。
(そういう意味では、INTELのOptaneメモリは、「HDDのキャッシュ」と言うことになります。)

第2世代Ryzenでは、CPU内のキャッシュのスループットが改善されたため、より高速に処理を実行することができるようになりました。


3.動作周波数制御技術の改善(Precision Boost 2,XFR2)

第2世代Ryzenでは、CPUの動作周波数の制御がより高度になりました。
結果として、多コアブースト時の動作周波数が向上し、マルチスレッドの処理能力が一段と向上しました。


いつも拝見しているPC Watch様の記事

 自動OC機能で大幅ブーストした第2世代誕生。Ryzen セカンドインパクト

では、「1800X」と「2700X」の比較により、性能向上がわかりやすく説明されています。
記事中のCinebenchの数値と、筆者所有のINTEL i7-8700Kの数値を比較すると、

CINEBENCH R15 スコア

  Ryzen7 2700X
    シングルコア:179
    マルチコア :1,856

  Core i7-8700K
    シングルコア:200 (筆者所有実測、定格動作)
    マルチコア :1,420 (筆者所有実測、定格動作)

となります。

性能、値段、CPUクーラーが付属していること、など考えると、十分魅力的なCPUとなります。

posted by zunzun at 10:20| Comment(0) | TrackBack(0) | CPU
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