アフィリエイト広告を利用しています

広告

posted by fanblog

記事投稿

これからブリンと思いを積み上げた
 
 
海とみどりと光の祭典 
石垣島の自然

「えっ!辺野古の海に!」と声を上げた。
「そうなる状況だね」と残念そうに答える。
普天間基地移転問題のテレビニュースを見て、二人は海に光が当たらなくなる、エコのこの時代に何故そのような結論になるのかと不思議な思いに駆られた。
「海、観に行きたいね」
「行こう、今直ぐ!」
「何処の海?」
「米原ビーチに行きたいと思っていたけど」
「そうか!それなら米原に行こう!」
みどりの小高い山々と、七色に輝くコバルトブルーの海、スカイブルーの空には綿菓子のように浮かぶ入道雲。
風景を追いかけるように、二人は宿のレンタルバイクにまたがり、目的の米原ビーチを目指し走らせた。
真夏の色は、何の予測もなしに、全身を虜にしたまま、何時とはなしに心を癒してくれている。
バラビード農園と、書かれた立て札の矢印に沿って、バイクを左角に曲がらせる。と古い小さな石垣ダムがある。
二人はダムの直ぐ側にある、赤瓦の休憩所で茹だるような暑さを凌いで休んだ。
農道脇の自動販売機で、買ったばかりのアセロラジュースで、渇き切った喉を潤した。
モスグリーンの松林に、敷き詰められた若草色の芝生が、気持を和ませ穏やかにする。
小橋の辺りでは蝶々が飛んでいるらしく、
虫取りを振り、編みの中を覗く人がいる。
南風が気持好く吹き、通り抜けて行く。
数羽の小鳥たちが、頭上の木々で飛んで来ては飛び去り、また戻りを繰り返し、晴天の大空をバックに囀り、声の悪いカラス達を虜にしているかのように、二人は小鳥たちの様子に微笑んだ。
全ての関係から解放され、空と風とグリーンの風景と小鳥の囀りに酔い知れる。
「何とも気持好い風だね」
「みどりが濃いよね」
「うん、一年中みどりだよ」
生きる力が漲るほどのみどりの野山に、強い陽射が飛び込んで、納まりが着かなく眩しく、思わず瞼を細めた。
ダムの川面もみどりに染められる。
止ったように、静かに時間が流れた。
羽を広げ、一羽の小鳥が優雅に、二人の目の前を飛んで行く。
 「あっ!」
 嘴が赤く大きい、小鳥である。
「うっ!」とアセロラジュースを口の廻りに飛び散らして慌てていた。
ジュースで汚した久夫の顔を見て、尚美は可笑しそうに笑う。
気の毒に思うだけで、何も言わず笑う。
「見た?」と尚美が久夫に聞く。
「うん!見た!」と久夫は、口の廻りに飛び散った、ジュースを拭き取って答える。
「羽、赤だったよね?」と尚美。
「うん、赤だった」と久夫。
 二人は興奮な口調で、赤い色の小鳥だったことを確かめた。
 「赤ショウビン?」と尚美が言い終わらぬ内に、久夫が、「そこの枝に止っているよ」と声を低くして言っている。
「えっ!何処?」と久夫が向ける方の指先へ尚美は目をやる。
 直ぐそこの木枝に、赤い鳥が羽を休めて止まっている。
「赤ジョウビンだよね?」と尚美。
幸せの赤い鳥だとも、手塚治虫の火の鳥のだとも言われていると聞いていた事を思い出し笑みが零れる。
「こんなに身近で、火の鳥を見るなんて!
」と尚美の声が弾む。
興奮ぎみの尚美の顔を見て、
「しっ!」と久夫が尚美に促し、久夫と尚美は息を潜め、目を凝らし、木枝で羽を休める、赤ショウビンを静かに見守った。
こんなにも近くに、森があるのかと思わせる程、木々が幾重にも絡み合い、鬱蒼と繁っている。
どれ程経ったのだろうか、赤ショウビンが
木枝から飛び去ると、久夫と尚美は我に返り
満面の笑みを浮かべ、顔を見合せ喜んだ。
「いい旅になりそうだ」と久夫。
「いい、旅行になるわ!」と尚美。
宿で知り合い、赤ショウビンを見たこの瞬間からも親しみは増して行く。
何時までも、観ていたい風景を後にして、
二人は、石垣ダムを離れ、バラビド農園を通り、再び米原に向いバイクに跨って走る。
幸せが、そこまで来ている予感を残し、於もとトンネルを抜け、米原ビーチの駐車場にオートバイを止め、補足された小道を歩いて行く。
草木を掻き分け、掻き分け,刺のある細長い葉を避けながら歩く、林の中に入って

この記事へのコメント

   
×

この広告は30日以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。