桑原通夫です。
GDP(国内総生産)と
GNP(国民総生産)の違いとは・・
GDPは(国内)で生産された付加価値の
合計ですから・・
日本企業が海外支店で生産したものは
その中には含まれません。
一昔前まで使っていた指標のGNPだと
日本企業が海外で生産した付加価値も
含まれることになります。
GDPは 属地的(生産場所)な考え方・・で
GNPは 属人的(生産する人)な見方をしている・・
とも言えます。
つまり、GDPは国内総生産の事ですから
日本国内の工場で創られた付加価値・・・
という事で
日本企業が海外で現地生産した分は
日本のGDPには何のプラスにもならない・・
という事になります。
例えば、日本企業が中国で生産すると
その分は中国のGDPになります。
↓
日本企業の好調さは、必ずしも日本国内の
好調さを意味しない・・
企業と国は物差しが違うのです。
↓
企業の好調は、株主の好調を意味しますが
日本国の停滞は、従業員・消費者の停滞にも
繋がります。
日本の給料が上がらないのは
日本企業が海外生産をするから・・
↓
日本国内で生産して
海外へ輸出すれば、一番儲かるのに、
なぜそうしないのか?
↓
相手国があるからです。
↓
日本製品をガンガン作って輸出したら
相手国の産業をつぶすことになる・・
↓
相手国の雇用も所得も消費が失われてしまう・・
↓
だから、売りたかったら現地生産して売れ・・
と相手国も言ってくるのです。
↓
現地企業との合弁会社が多くなることは
相手国のGDPには貢献するが
日本のGDPには何のプラスにもならない・・
↓
しかし、日本の企業にとってはプラスに
なるから、海外生産を行ってきたのです。
↓
日本国内でつくるよりも、人件費や物価の
安い国で生産したほうが、利益が出ます。
ところが、アメリカ相手だと
話が違ってきます。
日本企業がアメリカで現地生産
↓
アメリカ人を雇用する(所得を分配)
↓
アメリカのGDPにプラスになるが
日本のGDPにはプラスは無し・・です。
↓
日本のGDPだけじゃなく
企業にもプラスが無くなる・・
↓
経費が割高になるから利益が出にくく、
株主にとってもプラスにはならない・・
↓
日本の企業は・・アメリカに売りたいが
本来なら、現地生産はやりたくない・・
↓
しかし、国同士のいきさつもあり、
現地生産を辞めるわけにはいきません。
消費してくれる国が無ければ
企業は儲かりません。
持ちつ持たれつ‥というのが
グローバル社会の暗黙の了解
となるのです。
日本だけが儲かる・・では
世界が許しませんし、
経済は停滞してしまいます。
GDPと企業の収益は
必ずしも一致しないという事です。
GDPを上げたければ・・
国内生産に切り替える‥という事ですが
そうなるとまた関税やらなにやらと
相手国から無理難題を押し付けられそうですね。
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