2019年01月14日
七倶提仏母準提観世音菩薩様(しちくていぶつぼじゅんていかんぜおんぼさつさま)のお話
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世の中には様々な悩み苦しみを抱える多くの人々、多くの生き物達が存在するが、その悩み苦しみから人々、生き物達を救い助けるという誓願、誓いを立てておられる様々な仏様、菩薩様、明王様、仏教に帰依した天部の神様が存在します。
そのなかの観世音菩薩様についてご説明しますと、法華経の第二十五章に妙法蓮華経観世音菩薩普門品偈(略して観音経、普門品)というお経があります。
観音経は日本において昔から多くの人々の間で信仰されてきたお経であり、そのお経には観世音菩薩様の他者救済力としての大神変力、念彼観音力、観音様の力を念じる事による救いが説かれています。
日本において昔から現在に至るまで観音信仰は非常に盛んであり、その信仰は特に霊験あらたかであったせいもあり、多くの人々の間で弘まり、観音霊場への巡拜巡礼信仰も現在に至るまで盛んであります。
日本における観音霊場で特に有名な霊場として奈良県の長谷寺、京都の清水寺、東京の浅草寺などがあります。
その観音様の中に準提観世音菩薩様という特殊な観音様がおられます。
準提観世音菩薩様は別名、準提如来ともお呼び致します。
この観音様は密教系の仏様でもありますが、極めて特殊な観音様であり、あらゆる仏菩薩様の中で唯一、唯一尊のみ、この仏様だけは菩薩の位でもありますが、同時に仏、如来の位でもあらせます。
如来とは修行を完成され悟りに到達された方の事。
密教の流派ではこの仏様は如来部に属すると主張したりまた別の流派では観音部に属すると主張したりして解釈が分かれています。
この仏様の密教での呼び名、つまり密号は、最勝金剛ともお呼び致します。
ちなみに、お地蔵様は慈悲金剛、お釈迦様は寂静金剛、お不動様は不動金剛と密教の呼び名によって仏菩薩にも様々な呼び名があります。
最勝金剛とは最も優れた仏という意味であります。
この仏様は別名を七倶提仏母(しちくていぶつぼ)ともお呼び致します。
七倶提(しちくてい)とは七億または七千万という意味でつまり無量無数を意味し仏母とは仏の母という意味。つまり無量無数の仏の母という意味です。
「密教大辞典 法蔵館刊」によると「過去無量の諸仏の母たる清浄陀羅尼を司る尊を七倶提仏母と名ずく」
準提とは梵語のチュンディの音写で意味は清浄という意味でありこのご真言は清浄陀羅尼ともいわれます。
このご真言から過去無量無数の仏様が生まれたと伝えられています。
菩薩とはもともと悟りを開く前の修行時代の釈尊を指す言葉だったが、しだいに意味が広がり、悟りを求めて修行に励む者、全てを菩薩と呼ぶようになった。
大乗仏教の菩薩は「上求菩提、下化衆生」の精神を持つといわれ、菩薩の理想としては究極の悟りを求めながら、他者を救済しようという理想を抱く者を意味するとされている。
菩薩とは出家して専門的に修行する人だけを指すのではなく、在家信仰者、在家修行者、いわゆる、ふつうの家庭生活を営みながら仏教を信仰し、修行する者でも、「上求菩提、下化衆生」の理想を抱く者をも指すようになった。修行の進度、段階により菩薩にも多くのクラスがあると考えられるようになった。
最も修行進度の高いクラス、最も位の高い菩薩は、この世でなすべき修行は全て終わっていて、来世では如来に成ることが約束されている菩薩、このような菩薩を「一生補処(いっしょうふしょ)の菩薩」とお呼びし、如来に従ってその活動を補佐するとされています。
伝えるところによると、昔、真言密教伝持八祖の内の第五祖であるインドの高僧の善無畏三蔵様が商人と航海中、船上において商人が盗賊に襲われた際に善無畏三蔵が準提呪の黙誦をすると準提観世音菩薩様が全身のお姿を現され商人を盗賊の難から救った。」と伝えられています。
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