漢字の小噺

初めて目にする人はびっくりですよね。
子を１２個並べてなんと読むでしょう。


正解は、「ねこのここねこししのここじし（猫の子子猫　獅子の子子獅子）」です。



これは平安時代にあった言葉遊びの一つです。

当時の天皇であった嵯峨天皇が、学者の小野篁（おののたかむら）に出した
いわゆる”いじわる問題”みたいなやつです。



このお話にはそもそものきっかけがありました。

ある日、内裏に「無悪善」という札が建てられていました。
嵯峨天皇はこの意味が分からず、学者を招集しました。

そこでこの札を呼んだのが小野篁でしたが、天皇を批判する内容だと説いたのです。
怒った嵯峨天皇は、この札を読めたということは小野篁が犯人だと思います。
これに対し小野篁は、自分は学者であるため何でも読めると反論します。

その言葉に対して試したのが、「子子子子子子子子子子子子」という問題でした。


この問題を小野篁はあっさりと答えてしまいます。
このとんちの効いた答えで小野篁は処されずに済みました。


自分に容疑がかかった極限の状況下で、即答できる頭の良さに脱帽です。

今日の漢字クイズ！

　　已己巳己

（前回の答え：シ（四））