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2019年08月17日

仮想通貨市場について

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2018年1月のピークから急落した仮想通貨(暗号資産)だが、1年間の低迷を経て、じわじわと市場が回復し始めている。ビットコインを含む仮想通貨全体の時価総額は、19年4月から回復基調に入り、6月までの3カ月間で2.4倍まで上昇した。 複数の仮想通貨の中でも、上昇をけん引したのがビットコインだ。仮想通貨全体の時価総額の中で、ビットコインが占める割合を「ビットコインドミナンス」という。この1年ほどは50%前後で推移してきたが、4月以降は一時60%近くまで上昇した。
 17年の仮想通貨市場拡大のタイミングでは、ビットコイン価格が上昇すると、他の仮想通貨は連動してさらに価格が上がることが多かった。19年春の状況は、ビットコインが上昇し、他の仮想通貨は出遅れている形だ。
 ビットコイン取引は、米ドル建てが約半数を占めるが、日本円も全体の28%を占め2位。Gincoは「日本人からの仮想通貨人気が他国と比較しても高い」としている。また、中国では仮想通貨取引が禁止されているが、「WeChatなどを利用して相対取引をサポートする仮想通貨業者が存在している」(Ginco)と見られ、取引所のデータに現れない動きが活発化している。
 また、機関投資家などが扱いやすいビットコインの先物取引も、4月以降、取引高が急増しており、過去最高を記録した。
 未だに流出事件は発生しているが、仮想通貨取引所も活況を取り戻しつつある。
 CoinCheckを買収したマネックスグループは、価格上昇直前の1-3月期から仮想通貨事業の収益が上昇。四半期で約1.4億円の黒字に転換した。


仮想通貨は投機から新たな資産クラスへ
 仮想通貨価格の上昇には、17年のような熱狂は見られないが、投資を行うユーザーが着実に増加していることが、各取引所の口座数増加からも見て取れる。コインチェックのスマホ取引アプリのダウンロード数は5月に250万を突破。4月以降のビットコイン価格の上昇が、新規口座開設につながっている。
 日銀が3月に行った調査では、仮想通貨を入手したことのある人は7.8%。調査対象年代から逆算すると、概算で770万人程度となる。フィデリティが継続してビジネスパーソンに行っている調査でも、仮想通貨への投資を手掛ける人が6.7%となっており、その比率は増加している。
 価格の上昇とともに取引を検討する一般層が増加する一方で、機関投資家が仮想通貨に目を向け始めていることも資金の流入につながっている。5月にFidelity Investmentsが海外の機関投資家に行った調査によると、22%がすでに仮想通貨への投資を実行しており、今後の投資についても前向きだ。 約半数の機関投資家が、仮想通貨はポートフォリオへ組み込む余地があると見ている。ポートフォリオ組成には、他の資産と値動きが連動しない資産を組み込むことが重要だが、47%が仮想通貨と他の資産の相関が低いことを評価しているからだ。


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