2024年01月22日
高齢者権利擁護を学ぶロールプレイングの資料を作ってみました
こんにちは、ちょみおです。今回は、高齢者権利擁護について学ぶために、ロールプレイングの資料を作ってみました。高齢者権利擁護とは、高齢者の人権や尊厳を守り、自立した生活を支援することです。高齢者権利擁護には、高齢者虐待や権利侵害の防止や対策、高齢者の意思や希望の確認や尊重、高齢者の利益を守るための法的な手続きなど、様々な側面があります。
高齢者権利擁護に関する知識やスキルを身につけるには、実際の事例に基づいて、様々な立場から考えることが大切です。そこで、ロールプレイングを活用することで、高齢者権利擁護のプロセスや方法を体験的に学ぶことができます。ロールプレイングでは、高齢者本人、家族、介護者、地域包括支援センター職員、後見人など、高齢者権利擁護に関わる人々の役割を演じて、高齢者の状況やニーズに応じて、最適な対応を探ります。ロールプレイングを通して、高齢者の意思や希望を尊重し、権利擁護の方法を探ることができます。
私が作成したロールプレイングの資料は、以下の通りです。この資料はあくまで一例であり、実際のロールプレイングでは、参加者の発言や反応に応じて、進行や内容を柔軟に変更することができます。高齢者権利擁護に関心のある方々に、この資料が役立てば幸いです。
高齢者権利擁護ロールプレイング
目的
- 高齢者権利擁護の基本的な知識を学ぶ
- 高齢者虐待や権利侵害の事例に対して、様々な立場から考える
- 高齢者の意思や希望を尊重し、権利擁護の方法を探る
時間
- 90分(事前説明10分、ロールプレイング60分、振り返り20分)
参加者
- 6人(高齢者本人、家族、介護者、地域包括支援センター職員、後見人、進行役)
シナリオ
- Aさん(高齢者本人)は、80歳の女性で、認知症の疑いがあります。Aさんは一人暮らしをしていますが、最近は家事や買い物ができなくなってきました。Aさんは自分の家で暮らしたいという希望が強く、施設に入ることは拒否しています。
- Bさん(家族)は、Aさんの長男で、50歳の男性です。BさんはAさんの近くに住んでいますが、仕事や家庭の都合でAさんの面倒を見ることができません。BさんはAさんに施設に入ってもらいたいと考えていますが、Aさんの意思に反することはできません。
- Cさん(介護者)は、Aさんのヘルパーで、30歳の女性です。CさんはAさんの身の回りの世話や家事を週に3回行っていますが、Aさんの認知症の進行により、介護が困難になってきました。CさんはAさんの状況を心配していますが、Bさんに相談しても解決策が見つかりません。
- Dさん(地域包括支援センター職員)は、Aさんのケアマネジャーで、40歳の男性です。DさんはAさんのケアプランを作成し、Cさんに介護サービスを提供させていますが、Aさんのニーズに応えることができていないと感じています。DさんはAさんの権利擁護のために何ができるかを考えています。
- Eさん(後見人)は、Aさんの友人で、70歳の女性です。EさんはAさんの認知症が進んでいることを知り、Aさんの財産管理や生活支援を行うために、任意後見契約を結びました。EさんはAさんの意思や希望を尊重しながら、Aさんの利益を守ることを目指しています。
ロールプレイングの流れ
1. 事実確認(10分)
- DさんはAさんの状況を確認するために、Aさんの自宅を訪問します。
- DさんはAさんに挨拶をし、Aさんの健康状態や生活状況について尋ねます。
- AさんはDさんに応答しますが、話があちこちに飛んだり、同じことを繰り返したりします。
- DさんはAさんに認知症の検査を受けることを勧めますが、Aさんは必要ないと言って拒否します。
- DさんはAさんに施設に入ることを提案しますが、Aさんは自分の家で暮らしたいと言って拒否します。
- DさんはAさんの意思を尊重しつつも、Aさんの安全や生活の質を確保するために、何か対策が必要だと考えます。
2. 意思決定支援(10分)
- DさんはAさんの意思決定支援を行うために、Eさんに連絡を取ります。
- DさんはEさんにAさんの状況を説明し、Aさんの意思や希望を確認する方法について相談します。
- EさんはAさんの友人として、Aさんの性格や価値観、過去の経験などをDさんに伝えます。
- EさんはAさんに認知症の検査や施設入居のメリットやデメリットを分かりやすく説明することが大切だと言います。
- EさんはAさんの意思決定支援を行うために、Dさんと一緒にAさんの自宅を訪問することにします。
3.権利擁護の介入(10分)
- DさんとEさんはAさんの自宅を訪問し、Aさんに挨拶をします。
- DさんとEさんはAさんに認知症の検査を受けることの意義や必要性について説明します。
- Aさんは最初は拒否しますが、DさんとEさんの説得により、検査を受けることに同意します。
- DさんとEさんはAさんに施設入居のメリットやデメリットについて説明します。
- Aさんは施設入居について悩みますが、Eさんの意見や体験を聞いて、施設入居を検討することにします。
- DさんとEさんはAさんの意思や希望を尊重しつつも、Aさんの安全や生活の質を確保するために、最適な施設を探すことにします。
4.ケース会議(10分)
- DさんはAさんのケース会議を開催するために、BさんとCさんに連絡を取ります。
- DさんはBさんとCさんにAさんの状況や意思決定支援の結果について報告します。
- BさんはAさんが施設入居を検討していることに安心しますが、Aさんの意思や希望を尊重することを求めます。
- CさんはAさんが認知症の検査を受けることに感謝しますが、Aさんの介護が困難になっていることを訴えます。
- DさんはBさんとCさんの意見や要望を聞き、Aさんのケアプランを見直すことにします。
- DさんはBさんとCさんにAさんの権利擁護の重要性や方法について説明します。
5.振り返り(20分)
- ロールプレイングが終了したら、参加者はそれぞれの感想や学び、課題や改善点などを共有します。
- 進行役は参加者の発言をまとめ、高齢者権利擁護のポイントや注意点を振り返ります。
- 進行役は参加者にフィードバックを行い、ロールプレイングの目的や効果について評価します。
- 進行役は参加者に感謝の言葉を述べ、ロールプレイングを終了します。
この資料はあくまで一例であり、実際のロールプレイングでは、参加者の発言や反応に応じて、進行や内容を柔軟に変更することができます。高齢者権利擁護に関心のある方々に、この資料が役立てば幸いです。
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