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2023年12月28日

勝手に小説『扉と少女2』

ーー旅立ちの扉ーー

気が付くと、そこは、とても大きな草のような植物の中にいた。
見た目は、よく公園とかに生えている雑草のような形をしていたが、大きさがビルのような大きさで、まるで自分がとても小さくなって、公園のくさむらの中にいるような感じだった。

咲は、自分がどこにいるのかわからず、不安になった。

「ここは……どこ?」

咲は、そう呟いた。
しばらく、その場で途方に暮れていたが、戸惑いながらも、状況を把握しようと咲は歩き始める。

少し歩いていると、突然足元の地面から何やら生き物らしいものが出てきた。
相手も咲を見てびっくりしたのか、突然話しかけてきた!

「おや?これは珍しい。こんにちは、人間さん。」

第2章-1.jpg


!?咲は驚いた!
何故なら、話かけてきた者は、なんと昔よく昆虫図鑑とかで見たことのある『セミの幼虫』だったのだ!
しかも自分と同じ大きさの!

「そんなに驚きなさるな。自分はセミの幼虫のおっけらという者です。」

やけに丁寧な挨拶に、咲は少しだけ落ち着きを取り戻してきた。

「あっ!申し訳ありません。自分は人間の咲と言います。」
「あの〜。ここはどこでしょうか?」
咲は、恐る恐るこのしゃべるセミの幼虫のおっけらさんに話かけてみた。





「う〜む。人間の方とは、これは珍しい。ここはどこと聞かれても、実は自分も今地上に出てきたばかりで、分からないのですよ。」

「咲さんはどうしてここへ?」
おっけらさんに聞かれたので、咲はここに来るまでの経緯をお話した。

「そうでしたかぁ。大変でしたねぇ。では、私はこれから脱皮の準備があるので、失礼させて頂きます。」

!なんと、聞くだけ聞いて、それでおしまいとは。と咲は思ってしまったが、セミはセミなりに事情があるのだろうと思ってしまった。

「そうですか。では、脱皮を頑張ってください。」

咲がそういうと、おっけらさんは、軽く会釈をして、そそくさと近くの木に登り始めた。
その姿を見ていた咲は、もしかしてこの木に登っていったら、周りの景色が見えるのではと思い、おっけらさんについていく事にした。





「おっけらさん。待ってください。私も一緒に連れて行ってください。」
「えっ!でも、危ないですよ。天敵の鳥とかカマキリとかも居ますしねぇ。」
「でも、木に登って上から周りをみたら、何かわかるかもと思って。」

おっけらは、少し木にしがみ付いたまま、考え始めた。
そして、少しため息をつきながらこう言った。
「そうですかぁ。では、私と一緒に離れずについてきてください。」

「おっけらさん。ありがとう」

そして、2人は木を登り始めたのだった。

>> 『友人の扉』に続く






posted by ジンジン at 20:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説

勝手に小説『扉と少女』

ーー序章の扉ーー
冬の夕暮れ時、東京の郊外の高校の屋上には、一人の少女が佇んでいた。
彼女の名は「咲」。





咲は学校でいじめにあっていた。
いじめっ子たちは、咲の容姿や成績を嘲笑い、毎日のように彼女をいたぶっていた。
咲は、いじめに耐えながらも、これからの人生に思い悩んでいた。
自分は、このままいじめに耐えながら生きていくべきなのか。。それとも、逃げ出すべきなのか。

咲は、そんな思いを抱えながら、屋上で夕日を眺めていた。
すると、目の前に突然、大きな扉が出現した。
第1章-1.jpg


咲は、その扉に目を奪われた。
扉は、古びた木で作られており、その上には奇妙な模様が刻まれていた。

「一体、これは何だろう?」

咲は、扉に手を伸ばして触れた。すると、扉から不思議な力が湧き出てくるような感じがした。

「この扉はいったい……?」





咲は、扉を開けるかどうか悩んだ。
今の高校生活にもうんざりしていて、これからどう生きていけばよいのか。
そんな悩みがあるなら、いっそのことこの扉に運命を任せても。。。
でも、この扉はいったいどこから現れたのか?さっきまで何もなかったのに、突然現れたのは何故なのか?その先に何が待っているのか?
わからないことだらけで、咲は、しばらくの間、扉の前で座り込んで見つめた。

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そして、意を決して扉を開けた。
扉を開けると、眩い光が扉の向こうから出てきた。咲は、その光に目がくらんでしまった。

「あ……!」

咲は、何かに吸い込まれるようにして、扉に入って行ってしまった。

>> 『旅立ちの扉』に続く
posted by ジンジン at 01:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説
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