◇14日 大相撲秋場所4日目(両国国技館)
平戸海が負けたので少し元気が出ないが、気を取り直して始めましょう。
平戸海は千代翔馬の立ち合いの変化にしてやられてしまった。3日目にあれほど立ち合いの変化に気をつけるようにと言ったのに、まんまと術中にはまった。ひと言で言うならば経験不足。まだ若いということだろう。
私も若い頃は似たようなことは何度かあったものだ。平戸海も変化は頭にあったと述べている。それでも食ってしまう。だから相撲は難しくて面白いところだ。この日の一番は忘れて、今の相撲を取り続けてもらいたい。
それにしても千代翔馬はうまい方向に変化した。もし左に跳んだら、あの変化は失敗しただろう。これは私だけが知っている。どうだね、千代翔馬君。図星だろう。
若元春はようやく本領を発揮して4連勝。左四つにこだわることなく、腰の重い遠藤を激しい突っ張りで一気に突き出した。この突っ張りは今後も大いに使うべきだ。相撲の味が出てこよう。
久しぶりに宇良がやってくれた。宝富士の脇の下に頭を入れ、思い切りのけぞった。私は居反りかと思ったが、伝え反りと場内発表。20年ぶりに出たといっていたが、私は初めて見たような気がする。居反りでも伝え反りでも、どちらにしても宇良以外の力士には絶対できない技ではある。
もう小兵とはいえないほど大きくなった宇良だが、体の柔らかさや足腰の良さは一つも変わっていない。実に得難い力士だ。再度、大きなけがをしないよう正攻法の相撲を取ってもらいたいが、それではファンは納得してくれないのかもしれない。
豊昇龍は立ち合いに変わって十分の左四つになり、しぶとい霧馬山を速攻で下した。あの立ち合いの変化は賛否があると思うが、私は許容範囲とみている。地力と自信がつけば変化はしなくなるだろう。着実に力強い相撲になってきている。2桁の星は期待できると私はみている。
若隆景はやっと初日を出した。自分より小さい翠富士に手を焼いたが落ち着いてさばいた。しかし、まだ右の使い方が甘い。
それでは問題の大関陣の相撲を振り返ってみます。御嶽海は翔猿の動きを警戒するあまり攻めることができない。棒立ちのまま翔猿の動きを目で追うばかりで攻めようとしない。機を見て翔猿がスパッともろ差しになりがぶり寄り。170キロを超える御嶽海の体が浮き上がり、何の抵抗もないまま土俵を割った。
3日目の明生戦を見るような負け方だったが、今後が気になる。私はこのまま崩れそうだと昨日は予言したと思うが、まさにその通りになってしまった。多分に気分屋の面があるので勝っている時は良いのだが、一度気持ちが緩むと立て直しがきかなくなる。
正代にも全く同じことがいえよう。正代の場合は御嶽海より状態が悪い。先場所のような奇跡の復活は、恐らく期待はできまい。柳の下に同じどじょうはいないと思った方が良い。幸い今場所はかど番ではないので、本人は安心しているのではないかと思ってしまう。もしそうだとしたら情けないことだ、それでは大関昇進パーティーが台無しになってしまうぞ。
そんな大関陣の中にあって、ただ一人必死の相撲を見せているのが貴景勝。相手の顔を張り倒す闘志あふれる相撲は大関らしくないとの意見もあるが、私は貴景勝のいちずさを買う。御嶽海と正代は貴景勝の爪のあかでも煎じて飲んだ方が良い。
照ノ富士は明生をがっちり抱き込んで動きを封じ、難関を一つ越えた。
今日は休み。外に一歩も出ず、テレビばかり見ている。今は大谷選手の活躍と村上選手の豪快なホームランが楽しみである。
わが相撲界は熱海富士や平戸海ら楽しみな力士はいることはいるのだが、上位が弱いと話にならない。私はあと何年、今の仕事ができるかさせてもらえるか分からないが、日本人横綱をもう一度見たいと切に思っている。
少し真面目な話になり過ぎました。俺らしくない。それから結局、昨夜はすし屋に行くのはやめました。最近は夜に外へ出るのが怖いのです。今夜はちょうど海鮮丼とギョーザの差し入れがありました。これをおいしくいただきます。それでは失礼します。(元横綱)
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