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2017年09月28日
撮影記 83;伊豆の国市 古奈温泉「正平荘」秋の料理写真の撮影。
52年間勤めた料理長さんが退館!新しい料理長さんの料理に興味津々でした。
「正平荘」さんは、私にとっては最も古くからのお客様の一つです。
最も多かったのは、こちらが料亭旅館であることから、やはり料理撮影でした。ほぼ2ヶ月に一度という頻度で撮影していた時期も短くなかったです。
このお料理は、一貫して同じ料理長さんによるもので、繊細かつ創意豊かな各々の料理には、毎回新しい何らかの感銘を与えらたものでした。それゆえ、毎回撮影自体も楽しみにしておりました。
しかし先月をもち、この料理長さんが退職をされたということを正平荘の社長さんから伺いまして、私にはいきなりでもありとても驚きました。何でも正平荘さんに52年もの間勤められたのだとか。
料理人の世界では異例中の異例の長さです。ここまで長期のお話を私は他に知りません。
確かに退職されるのもうなづけるご年齢ではあったのですが、何だか感慨深いものがございました。
この場をお借りして、今まで色々と本当にお世話になりました。私の勝手なわがままも柔らかく受け止めてくださり、失礼も少なくなく、お詫びと感謝を申し上げたいです。
また、長い間本当にご苦労様でございました。
ということで今回の料理撮影からは、新しい料理長さんにお世話になりますが、社長のお話では、その新しい料理長さんが私のことをご存知だというのです。私も、長く伊豆箱根を中心に出張撮影をしてきましたので、そうしたこともよくあることでもあるのですが、、、あちら様がご存知でも自分は覚えていない、というようなこともあるわけですから、お会いするまで果たして不安でもありました。
でも撮影当日、お会いしてみたらお顔は確かに覚えがありました。けれどもどこでだったかが思い出せないのです、どうしても。それを察していただいた料理長さんから教えていただき、ややバツの悪い気が致しました。しかしそう言われれば確かに、といった古い記憶が蘇ります。何せ、それは10年以上前のことでしたから。逆に、覚えてくださっていたことに恐縮でした。東伊豆の稲取温泉のある旅館でした。かつては、よく伺いました。懐かしいものです。
前置きが長くなりました。
ようやく写真に参ります。秋のお料理です。
前菜を二種類。
目でも愉しめる盛付ですね。私はこうした秋の料理の風情が一番好きです。
松茸の土瓶蒸し。なのですが、、、湯気を写すために加熱したら沈んでしまった!
金目鯛の煮物。このカットはローアングルで金目鯛がよく見えませんが、、、勿論上からも撮ってありますよ。でも、この盛り付けが面白くて、あえてよくわかるこのカットにしました。
お造り。
金目鯛を使った洋皿。今回は、他にも金目鯛を使用したお料理がいくつかありました。
左の赤い実は、マイクロトマト。
最後になりましたが、コース全容を3種類ご覧ください。
主なお料理のみの構成です。水菓子やご飯、香の物などは割愛しております。
奥をボカしてみたカットです。
下は宴会用のコースだそうです。
初めてとなる料理長さんとの撮影で、面識があったのはよかったのですが、やはりその分緊張しました。
でも、撮影自体は無事終わり、ホッとしております。
不思議なことですが、今回のお料理全般に今までのお料理とも共通した風情がありました。おそらく、これまでの流れを意識されてのことだと思うのですが、それにしてもしっくりきます。
華美にならない渋い演出です。
今後、新しい料理長さんの ”色” が、どう出て来るのか、とても楽しみになって参りました。
それにしても、和食というものは、やはり美しいですね。
目で食す、という楽しみは、世界一かと思います。
こうした撮影に携われることの幸せをありがたいと思います。
今回もありがとうございました!
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