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2018年09月30日

LINEが明かす「トークンエコノミー」の全貌--グルメや旅など5つの“dApp”サービス






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LINEは9月27日、トークンエコノミー構想「LINE Token Economy」について記者説明会を開催し、トークンエコノミーについての詳細とDApps(分散型アプリケーション:LINEではdAppと表記)サービスとして、Q&Aサービスの「wizball」、未来予想の「4CAST」、商品レビューの「Pasha」、グルメレビューの「tapas」、観光地などのスポットに特化したSNS「STEP」の5つを発表した。

記者会見で登壇したLINE代表取締役社長CEOの出澤剛氏は、「長く手がけてきた(LINEブログなどの)CGMサービスとブロックチェーンを融合することで新たな価値を生み出す」とし、単なるコンテンツ消費者ではなく、レビュー、ブログ、SNSなどコンテンツ生産者側が増えてきた現代のインターネットにおいて、適切にユーザーに還元できる仕組みを構築すべく、LINE Token Economyを構想したと語る。

これまでも、他のウェブサービスなどでは還元の仕組みはあったものの、少額であったり還元の仕組みがフェアではなかったと指摘。また、膨大なユーザーが参加するサービスでは、還元するシステムが複雑で巨大なものになってしまうなど課題が多かったという。ブロックチェーンを活用することで、透明性、インセンティブの仕組みを解決でき、ユーザーのモチベーションを維持することで、サービスの永続的な発展が可能になり、大きなパラダイムを作ることができると語る。

LINEの海外展開にも大きな意味を持つ「LINKエコシステム」

 LINE Token Economyは、韓国のブロックチェーンコンソーシアム「ICON」とLINEが独自に開発したブロックチェーンネットワーク「LINK Chain」をメインネットとして「LINKエコシステム」を構築。LINK Chainはプライベート型のコンソーシアムチェーンとなっており、ビットコインやイーサリアムなどのパブリックチェーンとは異なる。独自にノードを構築することで、スケーラビリティとトランザクションスピードを改善しており、1ノードあたり毎秒1000トランザクションを処理できるという。

 独自に発行するコインは、海外向けのLINKと国内向けのLINK Pointの2種類がある。海外向けのLINKは、他の仮想通貨と同様に売買可能だが、LINK Pointは国内法に準拠するため、換金性を持たずLINEポイントへの交換が可能になる、実質的な企業ポイントの性質を持つ。海外向けのLINKの総発行量は10億LINKで、そのうち80%を各dAppに配布。20%を予備としてLINEがホールドするという。LINKは一気に配るのではなく、事業進捗に合わせて配布を計画。また、LINKのトランザクションを可視化する「LINK Scan」も提供する。

 LINKは、LINEが海外向けに展開する仮想通貨取引所「BITBOX」(日米からはアクセス不可)を通じて、10月16日からビットコインなど他の通貨と取引できるようになる。BITBOXは2018年7月にサービスを開始しており、これまでの総取引量は10ビリオンドル(約1兆円)を超えたという。世界の取引所のランキングでも、これまでデイリーで2位に浮上したことがあり、順調に成長している。なお、LINKに関して同社ではICOは実施しないとしている。

 それぞれのdAppにアロケーションされたLINKは、ユーザーのアクティビティに応じて付与され、LINKをほかのdAppで使用したり、将来的にはECサイトでの決済、サービス課金、交換所を通じて他の仮想通貨や現金に交換することができるという。LINK PointもLINEポイントに交換でき、1LINK Pointあたり500LINEポイントに交換できる。これにより、LINE Payでの決済やLINEのサービスで利用可能だ。

 LINKエコシステムはdAppサービスだけに閉じたものではない。「LINE LIVE」、「LINE Creators Market」、「LINEマンガ」のインディーズ部門など同社のCGMサービスとの連携を計画しているほか、第3フェーズとして、外部のデベロッパがLINE Token Economyに参加できるよう、国内外のサードパティへの開放も検討している。投資額や人材面などの理由からトークンエコノミーの導入を踏みとどまっている企業でも、トークンエコノミーの効果を享受できるほか、外部とのネットワークが広がることで、LINE Token Economy自体の価値がさらに上がるとしている。

 LINKは、LINEの海外展開でも重要な意味を持つ。LINE上のサービスは、LINEが普及している国でビジネスを拡大させるのが一般的だが、LINKはLINEと切り離されているため、LINEが展開していない国でも流通できる。これにより、トークンエコノミーを導入しようとしている海外のユーザー参加型サービスやインセンティブサービスがLINKを導入することで、LINE Token Economyが世界中に広まるポテンシャルを秘めている。

 また、セキュリティにも配慮。ブロックチェーンは電子署名と暗号化アルゴリズムで構成されており、もともと安全性は高いものの、これに加えて、高速性とセキュリティを両立するため、プライベートブロックチェーンで展開する。さらに、エコシステムを構築するためのスマートコントラクトの部分では、誤ったスマートコントラクトの実装を防ぐため、ホワイトリストと検証機能を導入。LINEが持つ月間アクティブユーザー2億人のサービス運営で培ったノウハウを投入する。


 





引用元:CNET Japan
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180927-35126209-cnetj-sci





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