大阪駅前、梅田の中心に忽然と姿を現した氷の舞台――「ウメダ☆アイスリンクつるんつるん」。その開幕を告げる舞い手として現れたのは、女優にしてフィギュアスケーター、本田望結。20歳の彼女は、白きベレー帽とグレーのコートを纏い、冬空に相応しい気高さでリンクへ足を踏み入れた。
滑り始めの音色は、テイラー・スウィフトの「Shake It Off」。その調べに合わせ、観客たちは彼女のひと振りひと振りに目を奪われる。だが、驚くべきはここからであった。彼女は中途、コートを脱ぎ捨てると、白のショートジャケットとチュールスカートの姿へと変貌を遂げる。その装いは、まるで氷の精そのもの。彼女の動きに呼応して、観る者の心もまた、白き氷のように研ぎ澄まされていくかのようであった。
「この曲は、私が9歳の時に初めて滑った際に選んだものです。初心に立ち返る気持ちで、同じリンク、同じ音楽を選びました」
そう語る本田の瞳には、氷を映し取るような透明な光が宿っていた。その衣装について尋ねると、「氷をイメージしました」と微笑む。確かに、彼女の姿は都会の喧騒を覆う冬の静謐そのもの。
このリンクは、西日本最大級の都市型仮設スケートリンクとして知られる。彼女もその魅力をこう語った。「大阪駅の真ん中にスケートリンクがあるのは、本当に幸せなことです。買い物やデートのついでに気軽に滑れる場所として、フィギュアスケートを身近に感じてもらいたいですね」。
また、前夜には俳優・笹野高史氏との会話を明かす一幕も。「笹野さんが『転ばないでね』と言ってくださったので、無事に転ばず滑ることができました、と伝えたいです」と柔らかな笑顔を見せた。
白い氷と都会の喧騒の狭間で、静かに、しかし力強く舞い踊る彼女。その姿は、まるで冬の物語に紡ぎ込まれた一編の詩。梅田の夜、氷の上で描かれたその白き軌跡は、見る者の記憶に深く刻まれたに違いない。
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