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2017年06月25日

色褪せない「お父さんは心配症」

今の少女マンガにここまで男性向けなマンガが存在するのだろうか。
というか、過去含めこのマンガ以外にここまで強烈な作品が存在するのだろうか。

男に生まれたものの、ジャンプとかマガジン、サンデー等の雑誌はまったく買ったことがない。代わりに姉の影響を強く受けていて、なかよしとリボンを見せてもらっていた。とはいってもそこは男だからバリバリの少女マンガはさすがにきつい。「きんぎょ注意報」とか「ちびまる子ちゃん」とか、そういう類をちょいちょい読んでいた記憶が残っている。

そして、いちばん強烈な印象を残してくれたのが岡田あーみんの「お父さんは心配症」だ。コミックにして全6巻、文庫版で全4巻と大した量ではないので、一気に読み切れるけれど、今読んでも十分笑える。まったく色褪せない。読めばわかるが、かなり面白いのだけれど、アニメ化はほぼ不可能だ。ちょっとだけドラマ化はしたけれど、肝心の流血沙汰にはできないので、予告編しか見ていない。見る気もない。

誤解のないように言っておくが、最近流行り?のマンガによくある「一般人が過酷な世界に巻き込まれて云々」のような話では一切ない。そういう意味ではごく普通の世界に描かれたマンガなのだけれど、普通どこまで行っても胸倉をつかむ程度のことが、すぐ包丁で刺したり銃を打ったり鈍器で殴ったりととてつもない暴力に振り切る。ギャグマンガなので、あくまでギャグとして振り切っているので面白いのだが、未だにこれが少女マンガであることが信じられない(ちなみに、りぼんで読んでいた当時は岡田あーみんを男だと信じて疑わなかった)。

読み返してみれば、娘典子への愛と、その彼氏への(執拗で異常な)嫌がらせ、その嫌がらせに負けずに典子を愛し続ける彼氏北野、再婚お見合い相手の安井さんへの主人公の純粋な愛と、少女マンガ的要素はきちんと備えているのだけれど。それにしても・・・。

愛とか恋とかドラマとかそういう観点から見ても面白いとは思う。あとは流血沙汰のギャグへの耐性とそれを面白いと笑い飛ばせる心があれば、このマンガは受け入れられると思う。

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姉がコミック版を持っていた(今もあるかどうかは不明だけれど)のだが、自分は思い立ったときに買った文庫版を持っている。興味を持って読んでみようと思った方へのアドバイス。最初のほうは絵もややぎこちなくてギャグの強烈性も低いけれど、回を追うごとにハチャメチャになっていくので、第1巻で挫折せずに読んでほしい。もしくは第2巻とか第3巻とかから読み始めてもいいかも。



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