2017年09月11日
にんにくは何に良いのでしょうか? その2 -がん予防?その因果関係-
世界がん研究基金/米国がん研究機関(2007年)の発表によれば、にんにくは胃がんのリスクを低下させるとしています。そしてそのエビデンスレベルを「おそらく確実」というレベルに位置づけています。
これは科学的根拠に基づく医療(evidence-based medicine, EBM)といわれる基準に基づいたものです。科学的根拠とは化学的根拠ではありません。要するにメカニズム(化学的・生物学的)に焦点があるのではなく、因果関係に焦点を当てて、因果関係の有無を科学的に分析して、因果関係が本当にあるのかどうなのかを検証して得られた結果(証拠)を科学的根拠といいます。
因果関係とは原因と結果の関係です。ブッタの言葉を引用すれば
「これがある時、かれが有る(略)これが無い時、かれが無い(略)」
の関係が因果関係です。
例えば、にんにくを食べたときはがんのリスクが減少するが、にんにくを食べなければ、がんのリスクが減少しない。という関係です。
このような因果関係を人で証明するのは大変難しいのです。人で証明するためには、実験対象は人になり、疫学という方法を用います。一方、動物実験や試験管レベルで得られた因果関係の証拠では科学的根拠は低いと考えます。なぜなら動物で得られた答えが直ちに人に当てはまるとはいえないからです。このことから動物実験や試験管レベルの研究は、人での因果関係を証明する証拠としては不十分だと考えられています。
また、疫学研究においても、実験の規模(実験対象者の数)や実験デザインなどによって、因果関係を証明する証拠のレベルが異なってしまいます。
例えば、実験参加者数が少ない実験であれば、参加者に偏りが生じやすく、たまたま集まった人がそういう反応を示した人だったということにもなりかねません。参加者数が多い大規模な疫学研究であれば、偏りは生じにくく、より誰にでも該当するような普遍的な結果が得られやすくなります。
また、例えば、100歳以上でがんに罹患しなかった老人100人を調査した結果、ほとんどの人が毎日のようににんにくを食べていたという結果が得られたとします。この実験デザイン(横断研究)ではにんにくを食べるからがんに罹らなかったのか、がんに罹らなかった人がニンニクを食べているのかはわかりません。にんにくのような刺激(臭気等)の強い食物は、身体の丈夫な人が好んで食べていて、病弱な人は食べなかったのかもしれません。つまり、ニンニクを食べるから健康なのか、健康だからニンニクを食べるのかがわからないのです。
したがって、因果関係を確認するには、さらに、よくデザインされた研究方法を使う必要があります。例えば、ニンニクを毎日食べる人々とニンニクを食べない人々を、調査開始時から調査終了時まで長い間(例えば5〜10年など)追跡調査をして、長期間食べ続けた人と、長期間食べなかった人を比較するような方法であれば、因果関係の証拠として強力なものが得られるでしょう(コホート研究)。
さらにニンニク以外のいろいろな影響を避けるために、にんにくを食べる人々(介入群)とにんにくを食べない人々(対照群)をランダムに割り付けるデザインで追跡調査をすれば、とても強力な因果関係に関する証拠を得ることが出来ます(ランダム化比較試験:RCT:Randomized Controlled Trial)。大規模なRCTデザインの研究によって因果関係が示されれば、エビデンスレベルはとても高いものとなります。
このように、実験の規模(実験対象者の数)や実験デザインなどによって、因果関係を証明する証拠のレベルが異なってしまいます。
そこで、実験の規模や実験デザインなどに基づいて、証拠の確からしさをランク分けします。
2003年のWHOの発表時には、にんにくは「可能性有り/データ不十分」のレベルでしたが、2007年の世界がん研究基金/米国がん研究機関では、エビデンスレベルが1ランク高くなり、「おそらく確実/可能性大」になりました。このことから、さらに研究が進められると、エビデンスレベルはさらに高くなり「確実」になる可能性もあります。また、他のがんについても効果が明らかになってくるかもしれません。これらのことから、ますますにんにくの有用性に注目が集まるかもしれません。
参考文献
中村元 三枝充悳 バウッダ【佛教】 小学館 1996年
鈴木庄亮 久道茂監修 シンプル衛生公衆衛生学 南江堂 2015年
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これは科学的根拠に基づく医療(evidence-based medicine, EBM)といわれる基準に基づいたものです。科学的根拠とは化学的根拠ではありません。要するにメカニズム(化学的・生物学的)に焦点があるのではなく、因果関係に焦点を当てて、因果関係の有無を科学的に分析して、因果関係が本当にあるのかどうなのかを検証して得られた結果(証拠)を科学的根拠といいます。
因果関係とは原因と結果の関係です。ブッタの言葉を引用すれば
「これがある時、かれが有る(略)これが無い時、かれが無い(略)」
の関係が因果関係です。
例えば、にんにくを食べたときはがんのリスクが減少するが、にんにくを食べなければ、がんのリスクが減少しない。という関係です。
このような因果関係を人で証明するのは大変難しいのです。人で証明するためには、実験対象は人になり、疫学という方法を用います。一方、動物実験や試験管レベルで得られた因果関係の証拠では科学的根拠は低いと考えます。なぜなら動物で得られた答えが直ちに人に当てはまるとはいえないからです。このことから動物実験や試験管レベルの研究は、人での因果関係を証明する証拠としては不十分だと考えられています。
また、疫学研究においても、実験の規模(実験対象者の数)や実験デザインなどによって、因果関係を証明する証拠のレベルが異なってしまいます。
例えば、実験参加者数が少ない実験であれば、参加者に偏りが生じやすく、たまたま集まった人がそういう反応を示した人だったということにもなりかねません。参加者数が多い大規模な疫学研究であれば、偏りは生じにくく、より誰にでも該当するような普遍的な結果が得られやすくなります。
また、例えば、100歳以上でがんに罹患しなかった老人100人を調査した結果、ほとんどの人が毎日のようににんにくを食べていたという結果が得られたとします。この実験デザイン(横断研究)ではにんにくを食べるからがんに罹らなかったのか、がんに罹らなかった人がニンニクを食べているのかはわかりません。にんにくのような刺激(臭気等)の強い食物は、身体の丈夫な人が好んで食べていて、病弱な人は食べなかったのかもしれません。つまり、ニンニクを食べるから健康なのか、健康だからニンニクを食べるのかがわからないのです。
したがって、因果関係を確認するには、さらに、よくデザインされた研究方法を使う必要があります。例えば、ニンニクを毎日食べる人々とニンニクを食べない人々を、調査開始時から調査終了時まで長い間(例えば5〜10年など)追跡調査をして、長期間食べ続けた人と、長期間食べなかった人を比較するような方法であれば、因果関係の証拠として強力なものが得られるでしょう(コホート研究)。
さらにニンニク以外のいろいろな影響を避けるために、にんにくを食べる人々(介入群)とにんにくを食べない人々(対照群)をランダムに割り付けるデザインで追跡調査をすれば、とても強力な因果関係に関する証拠を得ることが出来ます(ランダム化比較試験:RCT:Randomized Controlled Trial)。大規模なRCTデザインの研究によって因果関係が示されれば、エビデンスレベルはとても高いものとなります。
このように、実験の規模(実験対象者の数)や実験デザインなどによって、因果関係を証明する証拠のレベルが異なってしまいます。
そこで、実験の規模や実験デザインなどに基づいて、証拠の確からしさをランク分けします。
2003年のWHOの発表時には、にんにくは「可能性有り/データ不十分」のレベルでしたが、2007年の世界がん研究基金/米国がん研究機関では、エビデンスレベルが1ランク高くなり、「おそらく確実/可能性大」になりました。このことから、さらに研究が進められると、エビデンスレベルはさらに高くなり「確実」になる可能性もあります。また、他のがんについても効果が明らかになってくるかもしれません。これらのことから、ますますにんにくの有用性に注目が集まるかもしれません。
参考文献
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