エンジョイ・ムービー

今回紹介するのは2012年に公開された作品。ふりーむ！内で開催されていたコンテストの脱出部門で金賞を受賞した作品です。

【タイトル】８人目のフラグ
【制作者】すいかじる　さん
【紹介文】廃墟のような屋敷の中。ここはどこなのだろうか？場所も時間もわからない。外に出れば辺り一面、海しかない。食事をした後そのままの食器、パソコンに残ったチャット、血みどろの冷蔵庫に、何に使うのかわからない巨大なマシン、薄汚れたマネキンのような人形の束。留守番電話に残された、繰り返される「窓を開けておいて下さい」の伝言。人が住んでいた痕跡だけが残るこの場所。砂埃で汚れた1冊の日記だけが、何かを訴えかけている。「誰でもいい妻を助けて欲しい」…。
一体この屋敷で何があったのだろうか…？（ふりーむ！　より）



一応、ホラーにも分類されているようですが、ホラーのような恐怖演出は一切ナシです。女の子たちが可愛らしくコミカルなシーンも多いので、安心して進められるかと思います。


このゲームは「４日間」内で探索を完了させる必要があります。４日間はもちろんこのゲームの中での時間。しかしニューゲームからスマートにクリアすることは叶いません。４日間を終えたらゲームオーバーを迎え、またゲームを再スタートするという、周回前提のゲームです。
初めてプレイして、ゲームオーバー→ゲームスタートを繰り返して、ちゃんとしたエンディングに辿り着くのにざっと２時間程。達成率（イベント達成率ですかね？）100％を超えるとおまけが開放される。



主人公（プレイヤー）が一人で探索をしてもあまり意味はなく、ヒロインたちとの会話も重要です。スマートにゲームを攻略したい場合、ヒロインらと積極的に会話を楽しむ事！
初めてプレイしたときは自分で部屋を探索しまくって、「あぁこのアイテムはあそこで使って、このアイテムこう組み合わせるんだな」と先読みしたのがかえって仇になりました（笑）いつになったら使えるんだーと（笑）


ミウちゃん。もう一人の子はレミちゃん。



以下はストーリーに関してです。ネタバレ注意です。


突然、廃墟に放り出された主人公＆ヒロインらは何をすればいいか目的が分からない。しかしレミとミウは自分たちが別の空間にいることは自覚している※。この時点で廃墟内にいる登場人物は実際の人物ではなく、別の世界（現実か）の住人がコントロールしている”キャラクター”であることが分かる。とはいえこの廃墟内で何をすればゲームクリアーになるのか分からない。
そこで床に落ちていた日記から「妻をなくした夫」の軌跡を辿ることにする…。
※実際ヒロインらの正体が分かるのは少し後の方です。

まとめると「妻を救うためタイムマシンを使って何度も過去をやり直している夫がいた今は廃墟」を舞台に「４日間という決められた時間」内に「記憶は継承できる主人公ら」が「妻を救う方法を見つけようとする」が、「そもそも夫はどこへ行った」という疑問が付きまとい、さらに「登場人物は全員、廃墟のある世界からしてみれば違う世界の人間」ということになります。


複雑ですが実際にプレイしてみると情報は順序よく公開されていくので、そんなにこんがらがる事はないかと思います。


で。ＳＦ色が強いというかＳＦですね。そんなわけで最初パラレルワールド系かな？と思ったんですが（タイムマシンはパラレルワールド系に行き着くものかと思っていまして…）、マトリックス系にも解釈可能ですね。マトリックス系とか言いながら脳裏をかすめたのは.hackというちょっと昔のゲームなんですが（笑）マトリックスも古いか（笑）


難しいネタを扱っていると思いますが、本当に順序よく情報が公開され置いてけぼりを食らうことがないです。登場人物の会話劇や、伏線の張り方などもお見事。
ただタイトルの由来がいまひとつピンと来なくて（泣）それだけが心残りです。

そうそう、トイレが和式なのがツボりました‥！


紹介＆ダウンロードページ
https://www.freem.ne.jp/win/game/4328