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2023年07月11日

502番:アルト・ハイデルベルク(153)


𝕬𝖑𝖙 𝕳𝖊𝖎𝖉𝖊𝖑𝖇𝖊𝖗𝖌
       
アルト・ハイデルベルク(153)


−−−−−−−−−−−−【153】−−−−−−−−−−−−−−−

............(Pause.)

Karl Heinrich:Jetzt möchte ich schlafen. So müde wird man doch.

.........Käthie:Schlaf.

Karl Heinrich:(springt auf, reckt sich.) Dazu hat man später Zeit
...................... genug ! Diese Unmasse Studentenbilder ! Lauter
.......................Fünfbroschenrahmen. (liest). Karl Hohenlohe 1848/49,
.......................Graf Bredow 1853, die haben alle hier gewohnt, alle in
.......................iesem Zimmer.

.........Käthie:(liest). 1860.

Karl Heinrich:Ein ewiges Kommen und Gehen. (Betrachtet andere.)
......................Immer neue Gesichter, jedes Jahr andere. Die haben
......................vielleicht auch hier ein liebes Mädel im Arm gehalten.
......................Fürstenberg 68/69.

.........Käthie:(steht an ihn gelehnt).

Karl Heinrich:Die meisten vergessen und vielleicht die meisten
......................gestorben. Und jetzt sind wir da, Käthie.

.........Käthie:Ja.

Karl Heinrich:Wie lange noch ?

.........Käthie:Karl Heinz.



−−−−−−−−−−−−− (訳) −−−−−−−−−−−−−−−−

.................(間)

カール・ハインリヒ: さあ、ちょっと眠っておきたい.こんなにも疲れる
.................... ものなんだな.

...ケティー: おやすみなさいな.

カール・ハインリヒ: (とび上がって、伸びをする)寝るのはあとで
.......................時間がたっぷりあるさ!このずらり並んだ写真は!
.......................安物の三文額縁ばかりだな.(読み上げる)
.......................カール・ホーエンローレ、1848年から49年、
.......................ブレドー伯爵、1853年、この人たちはみんな
.......................ここに泊まっていたんだな.みんなこの部屋に.

...ケティー: (読む)1860年.

カール・ハインリヒ: 絶え間のない入れ替わり立ち替わりだ.(他のを
......................見ている) いつも新しい顔だ、毎年毎年違った
......................顔だ.この人たちも、さぞやこの部屋で可愛い
......................若い女性を腕に抱いたことだろう. 
......................フュルステンベルク、68年から69年.

...ケティー: (カール・ハインリヒにもたれて立っている)

カール・ハインリヒ: その女性たちは忘れ去られ、そしてたいていは
......................おそらく、もうこの世にはいないだろう.
......................そして今、ぼくたちがここにいるんだ、ケティ.

...ケティー: そうね.

カール・ハインリヒ: まだどのぐらい(ぼくたちは)こうしていられる
......................んだろう.

...ケティー: カール・ハインツ.




−−−−−−−−−−−−−《語彙》−−−−−−−−−−−−−−−−

So müde wird* man doch:wird <werden を未来形と考えるため
    には従える不定詞が後ろに来ていません.したがって
    ここのwerden は自動詞.時制は現在形で「〜になって
    くる」So müde wird man doch. こんなにも疲れるものな
    んだ.
    というわけでwerden はこのあとの長旅で疲れるだろう、
    と訳すのはやや無理筋になります.
    日本人がこういうドイツ語作文をすればSo müde bin ich
    doch, か、So müde ist man doch. だと思います.werden
を使えたらプロ級かも.
auf/springen:(自) 飛び上がる
recken:(他) (手足、首などを) 伸ばす
sich⁴ recken:手足を伸ばす、伸びをする;背伸びをする
   ❷[比喩] (上に向かって) 伸びる、そびえる
die Unmasse:[ウンマセ] (弱n) 多数、大量
Studentenbilder:= Studenten (学生の) + das Bild (er 型) 写真 
lauter:(副) [名詞句と] ただ〜ばかり;〜だけ
   Da waren lauter junge Leute.
   そこには若い人たちだけがいた.
der Groschen (同尾型) グロッシェン❶(オーストリアの旧貨幣)
   1/100 シリング;❷(ドイツの旧硬貨=10ペニヒ硬貨)
der Groschenroman:(E型) 三文小説
der Rahmen:(同尾型) 額縁
der Groschenrahmen:三文額縁、安物の額縁
Karl Hohenlohe:(人名)カール・ホーエンローレ
Graf Bredow:(人名)ブレドー伯爵
der Graf:(弱en型)伯爵
   侯爵(Fürst)と男爵(Baron)の間の爵位
ewig:(形) ❶永遠の;❷絶え間ない 
Kommen und Gehen:(2つセットで単数扱い) 人物往来
. ein ewiges Kommen und Gehen:
  ひっきりなしの入れ替わり立ち替わり
(ewig の格語尾es は混合中性1格)
betrachten:(他) […⁴を]じっと見る、眺める、観察する
an ihn gelehnt:彼に寄り掛かって <sich⁴ lehnen an + 4格  
ここでは [sich⁴ lehnen an + 4格] の代わりに
   過去分詞形にして受け身的表現を取っている.
die meisten vergessen :die meisten Mätchen waren vergessen.
       ほとんどその女性たちはみんな忘れ去られ 
und vielleicht die meisten gestorben:そしてもうおそらくこの世に
                いないだろう.


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