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2023年06月12日

439番:アルト・ハイデルベルク(129)

 
アルト・ハイデルベルク(129)
𝕬𝖑𝖙 𝕳𝖊𝖎𝖉𝖊𝖑𝖇𝖊𝖗𝖌



−−−−−−−−−【129】−−−−−−−−−−−−−−−

...........Detlev:Alles, lieber Freund*1, kann der Mensch in
.......................Heidelberg vertragen*2, nur nicht das sogenannte*3
.......................Alleinsein*⁴. Denn wie heißt es im Liede*⁵.
.......................≫ Altheidelberg, Du Fein*⁶, Du Stadt an*⁸
.......................Ehren*⁷ reich, am*⁸ Neckar und am*⁸
.......................Rheine, kein Andre kommt dir gleich! Stadt
.......................fröhlicher*⁹ Gesellen*1⁰, an Weisheit*11 schwer*12
.......................und Wein. ≪ Stimmt*13 das ?

Karl Heinrich:Ja.

............Detlev:Ausdrücklich*1⁴ sagt also der Dichter*1⁵:
.........................≫ Stadt fröhlicher Gesellen*1⁶! ≪ Und
.........................nicht etwa*1⁷:≫ Stadt eines fröhlichen
.........................Gesellen. ≪ Denn das wäre ein logischer*1⁸
.........................Unsinn*1⁹. Prost*2o !

Karl Heinrich:(stößt*21 mit ihm an*21). Ihr Wohl*22.

..........Detlev:(bemerkt*23 erstaunt*2⁴, dass Karl Heinrich
.......................sein Glas mit offenem Deckel*2⁵ auf den
.......................Tisch zurückgestellt*2⁶ hat. Er schlägt*2⁷
.......................den Deckel zu*2⁷). Einen einzigen*2⁸
.......................Tag, lieber Freund*2⁹, geht der Mensch
.......................in Heidelberg ohne Band und Mütze, das
.......................ist der Erste. Denn was ist die Schönheit
.......................von Heidelberg ? Band, Mütze, Freunde und
.......................eine gute Klinge*3⁰, was ?

Karl Heinrich:(schwer atmend). Ja.



−−−−−−−−−−−− (訳) −−−−−−−−−−−−−−

デートレフ: どんなことだって、君、このハイデルベ
.....................ルクでは許されるのだが、いわゆる孤独
.....................だけはいかん.だって『アルト・ハイデ
.....................ルベルク』の歌にもあることだ、『古都ハ
.....................イデルベルクよ、素晴らしい町よ、ライ
.....................ン川とネッカル川に恵まれた豊かな名声
.....................に浴する.町よ、お前に比ぶるものはない.
.....................楽しい仲間の集う町、大学とワインでも
.....................つ町』 どうです?その通りでしょう? 

カール・ハインリヒ: そうですね.

デートレフ: この詩人ははっきりと言っているんです
.....................よ:『楽しい仲間の集う町』とね!そし
.....................て、まさか『ひとりのやつの楽しい町』
.....................とは言っていない.だってそれは論理的
.....................に言ってナンセンスだ.さあ、乾杯!

カール・ハインリヒ: (杯を打ち合わせる).健康を祈って!

デートレフ: (カール・ハインリヒが自分のグラスを
....................ふたを開けたままテーブルに戻したのに
.....................気づいて驚く.ふたを閉めてやる.)
.....................ねえ君、このハイデルベルクではリボン
.....................と学生帽なしで済ませられるのは1日限
.....................りなんですよ..つまり、それは第1日目
.....................だけということです.ハイデルベルクの
.....................美点とは何か? それはリボンと学生帽、
.....................それと友人たちと良い刀剣なのですよ.
.....................ね? 

カール・ハインリヒ: (重い息遣いで).そうですね.


−−−−−−−−−−−−《語彙》−−−−−−−−−−−−−−−−

*1) lieber Freund:字義通りには「親愛なる友よ」という
呼びかけだが、大げさで滑稽なので、訳しま
せん.「私の話しかける相手は君だ」と伝え
    るのがこの言葉の役目なので、「あのね君」
    「あのさあ」「いいかい」「君」などで構わない
    と思います.これは何だろう、「間投詞」でし
    ょうね.
*2) vertragen:(他) […⁴に](体質的、気質的に) 耐えら
    れる、[飲食物⁴を] 受け付ける
*3) sogenannt:(形) いわゆる
*4) das Alleinsein:(単数ノミ) 孤独; 独居、独身
*5) im Liede:古い文法書(昭和46年)」には、強変化名
    詞は単数3格(D格)で語尾にe を添えても、省
    いてもいいとなっています.Liede (D格)
    <Lied (ER式) 歌、歌曲
*6) fein:(形) すてきな、すばらしい
*7) die Ehre:(弱) 名誉、面目、
*8) an:「〜によって」 
    ここでは知恵(大学)とワインによって
    (名高き)町、
Altheidelberg, Du Stadt にかかり、ハイデルベル
    クよ、お前、大学とワインで名高きやつよ!
*9) fröhlich:(形) ❶楽しげな、上機嫌の、
      ❷喜ばしい、楽しい、愉快な
*10) Gesellen:(単N以外すべて) <der Geselle (弱)
     ❶職人、「徒弟(見習い)期間を終え、
      職人試験に合格した者」
     (身分、処遇はLehrling見習いと
      Meister親方の中間)
     ❷若者、やつ
*11) an Weisheit:[ヴァイスハイト] (弱)❶賢明さ、知恵、
     ❷賢明な教え、処世術
*12) schwer (形) Wein を修飾して「コクのある」
    「濃厚な」普通の語順はein schwerer Wein、
     ここではWein und schwer
(ワイン、それもコクのある強いやつだ)
*13) stimmen:(自) 正しい、事実に合う.
*14) ausdrücklich:(形) (意思・希望などが)
     はっきりと表明された、明確な
*15) der Dichter:(同尾) 詩人、作家
*16) fröhlicher Gesellen:G格で直前のStadt にかかり、
    「楽しい仲間の町」つまり、「楽しい仲間の集
     う町」、乃至「楽しい大学町」
*17) etwa:(疑問文で) まさか、よもや、ひょっとして
*18) logisch:[ローギッシュ] (形) 論理的な 
*19) der Unsinn:[ウンズィン] (単数ノミ) ばかげたこと、
     くだらないこと
*20) Prost !:(間) 乾杯!
*21) stößt...an:(自) (3単)
     <an/stoßen 杯を打ち合わせる
*22) Ihr Wohl: 健康を祈って;
     <das Wohl:(単数ノミ) 幸せ、健康、繁栄 
*23) bemerken:(他) (…⁴に) 気づく
    Er hat den Fußgänger zu spät bemerkt.
彼は歩行者に気づくのが遅すぎた.
*24) erstaunt:<erstaunen (他)[…⁴を] 驚かす、
    驚嘆させる
*25) der Deckel:(同尾) ふた; 
    den Deckel öffnen / ふたを開ける
*26) zurückgestellt:(過去分詞)
    <zurück/stellen (他) […⁴を]元の場所へ置く
Stell die Butter in den Kühlschrank zurück !
バターを冷蔵庫に戻しなさい.
*27) schlägt...zu:zu/schlagen (他)
    (ドアなどを) ばたんと閉める
[本など⁴を] 閉じる
    Der Wind schlug die Tür zu.
風でドアが」ばたんと閉まった.
*28) einzig:(形) 唯一の、ただ一つの、
    nur ein einziges Mal / たった一度だけ
*29) Freunde:(男複N) <der Freund (E式) 友だち
*30) Klinge:[文語] 刀剣


−−−−−−−−−≪解説≫−−−−−−−−−−−−−−−

「Klinge 刀剣」、つまり、ここではサーベルのことです
が、ビスマルク政権当時の大学では、学生たちはふつう
にサーベルを着用していたようです.小説「カール・
ハインリヒ」が出されたのは1899年なので、日本では
すでに明治時代で武士の時代は終わっていました.
ちなみに、日本で初めて『アルト・ハイデルベルク』が
上演されたのは1913年、東京の「有楽座」で、ケティ
役は松井須磨子、カール・ハインリヒは土肥康元でした.
両者共、日本史の教科書でおなじみだと思います.


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