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2024年06月05日

「シグルイ」第一景 感想(ネタバレ注意)(2)【「暗君・・・」】

そうして始まる物語。その御前試合、忠長は真剣で武芸者同士を戦わせようとしているのですね。

家臣、鳥居成次(とりい なりつぐ)が真剣で戦わせるなどは止めてくれと命がけで懇願します。そんなことをすれば、公儀への叛意と受け取られてしまうと。

この懇願が文字通りの命がけ。鳥居成次は、「御前試合の剣士になりかわり、それがしがお見せつかまつる」と言って説得します。

その時、鳥居は既に事前に自ら腹を切っています。


「真剣試合のもたらすものは、つまるところこのようなもの」
「それでも殿は、駿河五十五万石を引き換えにされてもこのようなものがご覧になりたいと仰せられるか?」




その鳥居の命懸けの説得を見た忠長。無茶苦茶気持ち悪い恍惚とした表情を見せるだけ。
説得全く、響かず。「見たい!」ということでしょう。

鳥居はその忠長の表情を見ながら「暗君・・・」と言い残し果てます。

本当に暗君。こんな絶望ありますか?でも、このあたりからこの漫画を読む手を止められなくなりました。

グロテスク。でも読まずにいられない。読んでいると血の匂いがページからしてきそうな。それぐらいパワーのある表現です。

タグ:シグルイ
posted by 権田 at 01:42 | TrackBack(0) | 漫画

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