管理人は長年の宿題をまたひとつ片付けました。
今回の宿題は「十角館の殺人」(綾辻行人)です。
いわゆる「新本格ミステリィ」の元祖です。これを読んでいないと「新本格」を語れないそうですが、とくに語る予定はないので読まなくてもいいんだけど、冥途の土産に読んでおきました。
うむ、こういうミステリィだったのか。なるほど。
ということで、いまさら「十角館の殺人」を読んで「新本格」をマスターした気になったわけですが、「新本格」って何ぞ、という方のために、インターネッツから引用文をコピペしておきます。
「本格推理小説のように、犯行のトリックを重視し、謎解きの面白さを追求した作品を指す。 日本では1980年代から1990年代にかけて、社会派推理小説の隆盛に対して登場した一連の作家の作品が知られる」
ということだそうです。「本格推理小説」とは何ぞ、という新たな疑問が湧いてきますね。
分かりやすく言うと、「金田一少年の事件簿」です。
金田一耕助のシリーズが「本格推理小説」で、金田一少年の事件簿が「新本格」
マンガじゃねーか、と言われそうですが、マンガでも小説でもOKです。
謎のある事件を名探偵が解き明かすようなヤツね。ハードボイルドな探偵が殴りあったりとか、西部警察の大門軍団が出てきたりするやつは非該当です。
興味深いのは、本格、という言葉の使い方が妙な点です。
本格というのは、推理に係ります。正式な犯罪や捜査、という意味ではありません。論理的に破綻が無い推理に基づく小説、というような意味です。
したがって、事件自体はわりと奇天烈なものが多いようです。
無人島に招待されたご一行が次々と殺されたり、吹雪の山荘に閉じ込められたご一行が次々と殺されたり。
あるいは密室とか謎の館で連続殺人が行われて、おまけに死体が派手に装飾されていたりとか。
普通の新聞ではいちどもお目にかかったことがないような事件がほとんどです。
ちなみに「十角館の殺人」では、孤島にある謎の館で連続殺人が発生します。
謎は全て解けます!ジッチャンの名にかけて!
詳細はネタバレになるので書きませんが、いつも思うのは、本格・新本格の犯人は大変だなあと。
「金田一少年」のスピンオフにも犯人視点の作品がありますが、爆笑するぐらい犯人側の準備が大変だ。
しかも最終的には名探偵にすべて看破されるので、ひとつも報われない。
それでも新たなるトリックは日々産み出されているのです。
十角館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫) [ 綾辻 行人 ] 価格:946円 |
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