2008年01月25日
フィスコライブコメント
フィスコライブコメントからの引用。
良い記事を書いているなあ、と感心した。
モノライン=マジノライン/為替市場オープニングコメント 1月25日 7時18分
[為替市場オープニングコメント]
*07:17JST 「モノライン=マジノライン」
昨日のドル・円は、東京市場では、仏銀の第4・四半期追加評価損計上を受けて
106円98銭から106円16銭まで下落、ロンドン市場では、105円94銭まで続落後106円
83銭まで反発、ニューヨーク市場は、米政府景気刺激策合意を受けて107円20銭まで
反発、107円17銭で引けた。
米国政府と議会が、景気刺激策(1500億ドルを越える可能性)で暫定的に合意したこ
とで、NYダウは反発、ドル・円も反発している。
フランス大手銀行、ソシエテ・ジェネラル銀行は、先週末に、トレーダーが秘密裏
に不正な取引を行っていたことが発覚し、この不正取引により49億ユーロ(70億ド
ル)の損失が発生したと発表した。1/21の世界同時株安は、この不正取引のポジショ
ンの手仕舞いがきっかけになった可能性がある、と報じられている。
米連邦準備理事会(FRB)は、1/21(キング牧師誕生日)に臨時FOMC会合を開催し、政策
金利0.75%の引き下げ(FF金利3.50%)を決定した。
FRB筋は、1/21に緊急利下げを決定した時点では、仏ソシエテ・ジェネラル問題を認
識しておらず、世界同時株安が緊急利下げの理由ではない、と表明している。
弱気相場の終わり「陰の極」では、強気ポジションの手仕舞い、「セリング・クラ
イマックス」によって下落が加速するが、その悲観の中から、強気相場が生まれ
る。
昨年夏、「フランス系銀行がファンドの解約を停止」という報道から、サブプライ
ム・ショックという悲観相場が始まったが、この冬、「フランス系銀行が不正取引
のポジション手仕舞い」という報道で、最終章を迎えたのかもしれない。
しかしながら、サブプライム・ショックの次には、モノライン・ショックが控えて
おり、市場の「マジノライン」になっている。モノラインショックは、サブプライ
ム・ショック以上の市場の崩壊が懸念されるが、ブッシュ米政権によるポリシーミ
ックス、金融緩和(5.25%-1.75%⇒3.50%)と財政出動(1500億ドル)によってモノラ
イン・ショックを阻止できるか否かが注目される。戦力の逐次投入は、古くは、太
平洋戦争において戦力に乏しかった日本軍が余儀なくされた戦法であり、新しく
は、バブル崩壊後の景気後退を阻止するため、日本の政策当局が小出しの財政出動
政策を打ち出したものの、結局失われた10年に繋がったことが代表例となってい
る。グリーンスパン前米FRB議長は、日本のバブル崩壊への対応を他山の石として検
証したと伝えられているが、バーナンキFRB議長の手腕が問われることになる。ブッ
シュ米大統領の1年目2001年は、3月に米国がリセッションに陥り(内憂)、9月に同時
多発テロが勃発(外患)した年であるが、財政出動(ブッシュ減税)と金融緩和(6.50%
⇒1.75%)によって乗り切り、ドル・円は113円台から135円台まで上昇した。最後の
年となる2008年も、ポリシーミックスによる「棹尾の一振」が期待されている。
本日のドル・円は、東京株式市場が堅調推移となることが予想されるため、底堅い
展開が予想される。
【テクニカル分析】
中期攻防線:109円47銭(79円75銭-101円67銭)
【ドル売り要因】
・米金融緩和政策:FF金利(5.25%⇒4.75%⇒4.50%⇒4.25%⇒3.50%)追加利下げ
観測
・米「双子の赤字」&地政学的リスク⇒ドル離れ懸念
・米サブプライム問題&クレジット市場収縮&投資ファンド増税法案(15%⇒35%)
・ワシントンG-7声明&米中戦略経済対話:中国人民元「柔軟性」
・中国人民銀行:外貨準備分散投資&人民元切上げ&金利引上げ
・日銀金融政策:追加利上げ観測(0.50%)⇒円キャリートレード手仕舞い
【ドル買い要因】
・米景気刺激策:金融緩和&財政出動(減税)(1/28一般教書・2/4予算教書)
・日銀金融政策:政策金利(0.50%)利上げ先送り観測⇒利下げ観測
・ポールソン米財務長官&バーナンキFRB議長:ドル高政策&円安容認
・日・米第3四半期国内総生産(GDP):米国+4.9%VS日本+1.5%
・政府系投資ファンド(SWF):欧米金融機関へ出資
・欧米5中銀協調緊急流動性供給策&サブプライムモーゲージ救済計画
ユーロ・ドルは、各国中銀外貨準備のユーロシフト、欧米金利差縮小観測から
1.4968ドル(史上最高値)まで上昇後、ユーロ圏景気減速懸念から1.4310ドルまで反
落。
欧米金利差逆転で堅調推移が予想される。
ユーロ・円は、日欧金利差拡大観測、外貨準備のユーロシフトを受けて169円05銭
(ユーロ導入後高値)まで上昇後、サブプライム問題を受けて149円25銭まで下落。
株式市場の落ち着きを受けて堅調推移が予想される。
【ユーロ下落要因】
・ユーロ高懸念発言:独仏伊首相&財務相・トリシェ欧州中銀総裁(荒々しい
brutal)
・ユーロ圏信用収縮懸念
・EU新条約発効のための協議再開⇒2009年発効目標
・中国人民銀行:利上げ&人民元切り上げ観測
【ユーロ上昇要因】
・米国:地政学的リスク&双子の赤字⇒外貨準備のユーロシフト
・日欧金利差拡大:日銀利上げ先送り観測(0.50%)VS欧州中銀利上げ観測(4.00%)
・協調緊急流動性供給策
[予想レンジ]
ドル・円106円50銭-107円50銭、ユーロ・円157円50銭-158円50銭
[<国内>本日の為替関連スケジュール]
08:30 12月全国消費者物価コア指数(前年比予想+0.6%、11月+0.4%)
08:50 日銀金融政策決定会合議事要旨公表(12月19-20日分)
10:00 衆院予算委員会・経済金融問題集中審議(福井日銀総裁出席)
[<海外>本日の為替関連スケジュール]
16:00 独・2月GFK消費者信頼感指数(予想4.4、1月4.5)
16:00 独・12月輸入物価(前年比予想+3.8%、11月+3.5%)
21:00 加・12月消費者物価コア指数(前年比予想+1.7%、11月+1.6%)
世界経済フォーラム年次総会(ダボス、27日まで)
《MY》
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