2015年10月01日
中国の建国記念日 中国人観光客 日本を「買い占め」
中国の建国記念日にあたる「国慶節」の大型連休(1〜7日)へ向け、百貨店などによる売り場の新設やサービスの拡充が相次いでいる。中国経済は減速感が漂うが、訪日中国人観光客の免税売り上げは好調に推移。各社ともあの手この手で、中国人の「買い占め」需要を取り込もうとしている。
免税売り上げが全体の約2割を占める松屋銀座店(東京都中央区)は30日、本館に隣接する別館に海外観光客専用の施設「TOURIST Shop&Lounge」をオープンした。中国人観光客に人気の高いブランドの化粧品をそろえたほか、中国語や英語が話せる美容部員が常駐。専用の免税カウンターと休憩用ラウンジも設けた。「丁寧な接客で買い物を楽しめる」(古屋毅彦本店長)のが特徴だ。初年度は約4億1000万円の売り上げを狙う。
新宿高島屋は中国で人気のアニメ「猫のダヤン」の関連商品をそろえた限定コーナーを6日までオープンする。同店で5万円以上の買い物をした外国人客に1000円を上限に店までのタクシー代のキャッシュバックも行う。期間中の売り上げ目標は昨年の1.5倍と意気込む。
大丸松坂屋百貨店は決済面でのサービスを拡充。東京や大阪などの8店で、中国最大のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)「微信(ウェイシン)」での決済を初めて導入した。コンビニエンスストア大手のセブン−イレブン・ジャパンは1日から中国で普及するクレジットカード「銀聯カード」で買い物可能な店舗を全店舗に広げる。
人気の和食をアピールする動きもある。森ビルは六本木ヒルズの飲食店で、米沢牛や飛騨牛などの高級ブランド和牛を用いた限定メニューを提供する。ぐるなびは情報サイト「ぐるなび」に初めて「中国の建国記念日、国慶節を祝おう!特集」の中国語ページを設け、外国人に人気の和食店など約70店を紹介している。
日本百貨店協会によると、8月の百貨店の免税売上高(既存店ベース)は前年同月比3.6倍の約171億円と大幅に伸びている。
中国人観光客の免税売り上げは「全体の約3分の2を占める」(J.フロントリテイリング)という店舗もあり、各社とも中国人観光客に振り向いてもらおうと躍起だ。
■中国の建国記念日、国慶節に合わせた中国人観光客への各社の対応
◆森ビル
六本木ヒルズ内の飲食店で高級国産和牛を用いた期間限定メニューを提供
◆大丸松坂屋百貨店
9月30日から中国のSNS「微信」の決済サービスを大阪や東京の旗艦店8店で導入
◆高島屋
新宿高島屋で5万円以上の買い物をした外国人旅行者に店までのタクシー代の一部をキャッシュバック
◆ぐるなび
16日まで情報サイト「ぐるなび」の中国語版で期間限定の特集ページを開設
◆セブン&アイ・ホールディングス
1日からセブン−イレブン全店で銀聯カードの利用が可能に
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