前にも増して泣き方が、懇願するようなもの悲しさと悲痛な声で泣いている。
再度育造爺ジイーの所へ行くと、満面の笑顔で泡盛を舌なめずりで飲んでいる。
ジーが泡盛を飲むとケツに根が生え、びくとも動かず、泣き声などまったく耳に入らない。
頼んでも、頭の中は泡盛のことだけでまったく話にならない。
そして言い放った。
一晩くらいは、ヤギと添い寝しな、再度泣き出したら指を2本突っ込め、これを繰り返していると大丈夫だよ!
やぎの糞の中で寝るのか!、バカバカしいと高山夫婦は、腹に据えかね帰った。
今度は、ひかるの所へ相談に来た。
あまりにも島暮らしのルールを知らない。
バカバカしい相談なので、この問題を解決できれば、間違いなくノーベル賞はもらえる、夫婦で本気になって考えな!
ヤギの糞がいやなら、自分のベットへお招きしろ、と言ってやった。
夫婦は周りに、島人は自分たちの悩みを本気に相談にのってくれない、自分建ちは、移住者としてよそ者扱いされていると、愚痴をこぼしたそうだ。
あんたら馬鹿か!。
そんな下らないことで島の人たちと諍いを超すようだったら、この先が思いやられる。
横浜へ帰って、週刊誌ネタで、井戸端会議をしていろ!
帰ったほうがましだぞ・・・!
高山夫妻のところの、二匹目のヤギがとうとう発情してしまった。
メスヤギの鳴き声は、ますますひどく、1週間おきに、2日間、昼夜を問わず泣き続けるという。
それに今度は、子ヤギが泣きはじめたのである。
高山夫人は、とうとう完全なるノイローゼ状態だ。
今度こそはと、わらにもすがる思いで、育造爺ジイーのところへ相談に行くと、「水をかければいいさー」という。
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