また、テレビマンの世界は、視聴者には考えられない、過酷な職場でもあるのです。
ジェットコースターの後ろ向き乗り、後ろ向き走りや、高所恐怖症の解消は勿論。
野球中継などでは、どこへ飛ぶかも知れないホームランボールを、一瞬たりとも画面から外す、見逃す事は許されません。
小さなファインダーに望遠レンズ、当たった瞬間の初速度は想像出来るかと思いますが、球を捉え続けるのは至難の技で、かなりの熟練を必要とします。
また、一、三塁にランナーが出、一打同点の時等は、盗塁をするのか、先にホームを突かせるのか、両監督の腹の内を読み、全スタッフが瞬時に連係プレー。臨場感溢れる内容を放送。
他のスポーツのルールやマナーは勿論、政治経済、芸能界や水中撮影など、あらゆる分野の勉強と訓練。
そして、張り込み取材にいたっては、忍耐あるのみ。
ジェットコースター後ろ向き乗りで、フォーカス、ズーマーを自由に操作出来るカメラマンは、70人のカメラマン中、たった一人しかいませんでした。
また、ジェットコースターへ乗る時は、落下物、小物等は持ち込めません。
我々が取材する場合は、施設責任者と十分にチェック、間違っても素人が、真似をしない事です。
ねつ造テレビや、やらせテレビ事件などが、後を絶ちません。
テレビはわずか50年で、街頭テレビの時代から家庭へ入り込み、大きな影響力を持つ情報機関に育ちました。
子供達はテレビで育ち、教育にまで影響しかねません。
往年のテレビマンが退き、安直に考えるようになったのだろうか?
競争原理、視聴率主義が強過ぎる為なのだろうか?
情報量が多くなり、不良品が出たのかは分かりませんが、気になる事件。
何があったとしても、人々の興味を無理に引く事のないよう、自然に共感され、興味を持たれ、納得してもらえる番組作りをしてほしいと、つくづく思うこの頃。
テレビカメラの目は一つです。
真実以外は写さない!
偽りや、まやかしは決して写さない!
テレビマンとしての心構えが求められています。
そしてテレビは、自らの巨大な影響力を考え、巨象が踏みはずす事のないよう、勇み足の無いよう、見つめ直す時期に来ているのではないだろうか。
その昔、「歌は世に連れ、世は歌に連れ」と言われました。
現在、「テレビは、世に連れ、世を写す鏡」となっています。
慎重なる番組作りをして欲しい・・・
・・目は一つ、狙う真実、正義の目!・・
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