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見晴らしのいい観光休憩所でのんびりしていると、赤い郵便局のバイクが来、顔なじみの配達員が、兄さん、東京から手紙だよ!、と配達してくれた。
東京なら郵便受けへポンで終わりだが、島らしい。
なぜ俺がここに居る事が分かった、と聞くと、民宿で聞いた、との事。
そうだ、民宿の親父は、立ち寄らなくても、厨房で仕事中でも、バイクの音を聞き分けることが出来る。
10分前に、こっちの方へ行ったから、と教えてくれたそうだ。
他にもバイクは走っているが、音が違うし、時間帯により誰が通ったか、見なくても分かる。
島はのどかでいい所だ。
最近、石垣島より若い娘達が日帰りでワンサと訪れれる。
港でカニウマを借り、島内一周して必ず立ち寄るのが、赤いポストの郵便局だ。
そう、この南のハート島のポストに想いを投函すると成就する、と言われ、押し寄せるのである。
ワーリトーリ(歓迎)黒島へ!
島に、横浜から移住してきた、50代の高山夫婦がいる。
子供はなく、二人きりの生活で、大きな番犬を飼っている。
それにペットとして、メスのヤギを二匹、飼いだした。
大きい方のヤギが、ここのところやたらめったら泣く、それも、一昼夜メーメー泣き続けるのである。
泣き止むかと思うと、2週間もすると、また夜通し泣き続ける。夜中2時3時であれ関係なく、不眠不休で泣き続けるのだ。
島の人に聞くと、それは発情だろうとのことだ。
さて、困ったことに、オスのヤギがいない。
とうとう3回目も泣き出し、隣近所に対しても迷惑だし夜も眠れない。
そのうち二匹目も泣き出したら、やっとの思いで移住したのに、島にはいられない。
高山夫婦は、困りはててしまった。
育造爺ジイーなら、島のことは知っているし、頼んでみようということになった。
ジイーは、しばらく人から頼まれ事も無いので、即座にOKだ。
ヤギ小屋へ行くと、荒々しくメスヤギを横倒し、な、ななんと、指をメスヤギの熟れたあそこへ突っ込んだのである。
メスヤギは、いきなり抑え込まれ,眼をパチパチ、オジさん何すんのよ!と言っているのか、唇ムニャムニャ、あまりにも速い動作に、あっけにとられた顔だ。
そうすると、どういう訳か泣きやんでしまったのである。
高山夫婦は大いに感謝、感激。大事に取ってあった泡盛の古酒と、夜のおかず用に用意してあった刺身を育造爺ジイーに渡した。
育造爺ジイーは、得意満面、「何かあったらいつでも相談に乗るさー」と意気揚々と帰っていった。
ところがところがだ。
2時間もすると、またメーメー泣き出したのである。