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2017年05月04日

猫の一生に掛かるお金は150万円 「飼う前に良く考えて」

 
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世間は空前の猫ブーム。ところがその影に、猫との暮らしがうまくいかない人、老猫の介護に悩む人も増えているという。そこで、『猫の學校』(ポプラ社)の著者で、5万匹の猫をお世話してきたキャットシッター歴25年の「猫のプロ」、南里秀子さんにインタビュー。猫との暮らし、つき合い方、キャットフードの選び方、防災や引っ越し、病院の選び方や介護など役立つ猫知識が満載の同書から、不妊手術や介護、老猫の見送りについて聞いた。

──たとえ人間の食べ物でも、猫が「食べたい」と思う物は生きる力になると。実際、一般的に食べないと言われる物を好むこともあるそうですね。

 好物は十猫十色ですから、それぞれ違う個性をよく見て“感察”することが大切です。人間の食べ物は猫には毒とも言われますが、私は一緒に暮らす子がどんな食べ物に興味を持つのか、“感察”を楽しむようにしています。そして、「この子は焼き海苔が好きなのね」と好物を覚えておくんです。というのも、そうやって好物を探って増やしていくと、何かあったときにそれが生きる力になることを、今までにたくさん経験しているからです。病気や怪我などで弱った状態のとき、好物はそれを見るだけでむくっと起き上がる力になるんですよ。

 すごく極端な言い方をすれば、もし危険な物を食べたとしたら、その猫は野生では生き残れず自然淘汰されてしまうでしょう。ところが今は、なまじ人間側に余裕があって、医療も発達してキャットフードの栄養価も上がってきているから、本来なら野生で死んでしまうような猫もなんとか生かされてしまう、ちょっと歪んだ部分もあるんです。足の短いマンチカンなどもそうですが、人工的に変形させている弱い種を可愛いともてはやしたりするのも、歪みの1つだと思います。変形させた動物は弱いですから、医療費もかかりますし。あまり人間が自然に介入しすぎるのはいかがなものかと思っています。

 猫の平均寿命は15歳ですが、一生にかかる経費を計算すると、約150万円にもなります。この経費を払い続けられるかどうか、猫よりも先に寿命を迎える可能性、転職や結婚、出産、親の介護など、環境や状況が変わる時に猫との生活をどうするかということまで考えてほしいです。

 野良猫を家に入れて、お金がかかるからと不妊手術を受けさせないでいたら、あっという間に猫だらけになって家が崩壊したというニュースがありましたが、お金や不妊治療のことを正しく理解していないことが招いた悲劇です。「不妊手術は可哀想」では、結果的に全員が可哀想なことになってしまうんです。

 殺処分される6万7000匹の猫がもし人間だったらどうでしょうか? 殺処分は尻ぬぐいの部分ですから、殺処分する前にやることがあるんです。必要なのは命の教育と正しい知識。そこに気がついて社会全体で変えていかないと、殺処分はずっと続いてしまうと思います。

◆不妊手術は「可哀想」?

──不妊手術には賛否ありますが、するべきでしょうか?

 不妊手術について、今の日本の現状では、私は不妊手術をするべきだと思います。今は人と猫の距離がかなり近いですよね。子犬の殺処分の割合はどんどん減ってきているのに、子猫の殺処分の割合が60%でずっと横ばいなのは、猫を家に入れた人の認識が甘いことが原因ではないでしょうか。愛猫家も、わがままだったり気まぐれだったり、猫と同じような性格を持っている傾向があるんですね。そういう自由なところが裏目に出ると、生まれた子猫を捨ててしまったり、家を猫屋敷にして崩壊させてしまったりということになる。「可哀想だから」という感情論で続けてしまうと、そういう悪循環にはまってしまうんじゃないかと思います。

 犬と猫では、暮らす人にもそれぞれ違いがあって、犬と暮らす人は勉強好きで、本に書いてあることを素直にやろうとする。一方、猫の人は、本はやたら読むんだけど、自分がやりたくないことはやらない(笑)。そして自分のやり方に固執して続けるような、人の話を聞かない頑固なところがあるので、実は猫とつきあうのと同じくらいに大変な部分もあるんです。「猫ちゃん大好き!」と言うような人は大抵母性が勝りがち。父性的な社会のルールや理性でコントロールするべきところが弱いと、どうしても感情に流れてしまいがちになるんですね。


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──ワクチンや健康診断など、人間と同じように猫の医療もサービスが拡大していることについてどう思いますか?

 それは本当に必要なのか、それとも病院の経営を手助けしているのかを考えてみることですね。世の中は経済で動いているので、猫ブームに乗じてお金を儲けようと狙っている業界はいっぱいありますから。検査をしたからといって、すぐに症状や病気が治るわけではないことに気がついていれば、「その検査は結構です」と言えますよね。動物病院に連れていけば治してもらえると考えないことです。本来、人も猫も自分で治ろうとする自然治癒力を持っているわけですから、まずはそれを使うべきでしょう。

 まず最初に、彼らの生きる力がいちばん尊重されるべきなのに、「ここの病院につれていけば」「薬を飲ませれば」としてしまいがちなんです。そのほうがわかりやすいし、効果が早く出ますからね。でもそれは、猫のためではなく、自分の心配を取り去りたいからではないでしょうか?「今やろうとしていることは私のためではないのか?」と、自分自身に問いかけられる人であれば、おそらく猫といい関係を持てているはずですし、猫が病気になることも少ないように思います。

──病院へ連れて行かないほうがいいんでしょうか?

 それは猫に聞いてみましょう。「行ったほうがいい?」って。猫は必要なときには薬も飲むし、キャリーケースにも自分で入ります。自分がしんどいときは、助けてほしいから人を使うんです。でも元気なときは「病院なんて行かな〜い」って逃げ回るんですよ。


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──猫のゴロゴロ音が、猫だけでなく人間の不調も快復させるとは驚きでした。

 ゴロゴロ音の周波数には、骨の成長や修復、筋肉の快復や、痛みを緩和させる働きがあるんです。私たちが死に向かうときやものすごい痛みを感じたとき、脳内から恐れや痛みを緩和するホルモンが出るそうです。動物はもともとそういう力を持っているんです。その力を使う前に、薬で抑えてしまうのはもったいないと思います。病院に連れて行くか行かないかではなくて、本当に必要かどうかを見極める。そのために、猫はどうしたいのかをよく“感察”することが大切なんです。


◆老猫とのつきあい方、送り方

──今、老猫の介護はキュアよりもケアへ傾いているとおっしゃっていますね。

 キュアは治療で、ケアは介護やお世話という意味。小手先の技術的な治療よりも命に寄り添うということが大事です。例えば、病気ではなく「老衰」で死んでいくというときは、もうどうしたって抗えません。長生きさせるのは、誰のためかということです。猫はおそらく、美味しいごはんは食べたいと思っているけど、長生きしたいなんて思っていないのではないでしょうか。死を恐れるのは人間だけで、彼らはそれを受け入れる。ところが、私たちはこの猫を失ったら「可哀想な私」になってしまいます。病院に連れて行くのもそうですが、どこかで「猫のため」と「自分のため」をすり替えているように感じます。

 猫が望むことは、猫と話し続けていたらわかると思います。「病院には行きたくない」とか「食べたくない」と、ちゃんと猫たちは伝えてくるので、それを受け止める。日頃から話して“感察”を続けていれば、見送るべき時もきっとわかります。

◆「ペットロス」ではなく、「さよなら、またね」

──最終章の福ちゃんの旅立ちには涙しました。どんなふうに最後を送ってあげたら猫たちは幸せでしょうか?

 それは猫によって違うと思います。引き留めず、その子がいきたいときにいかせてあげられる、さよならじゃなくて、向こう側に送り出す、そういう感じです。看取りというと、ちょっと上から目線になってしまうので、「いってらっしゃい、また会おうね」と向こう側に送り出せるような成熟度がこちらも必要になると思います。「いかないで」ではなく、「ありがとう、楽しかったよ、また会おうね、いってらっしゃい、おめでとう」って送り出せるのが素敵だと私は思います。


【南里秀子(なんり・ひでこ)】
1958年生まれ。1992年、猫専門のシッティングサービスを創業。猫の生涯保障部門を開始し、「猫の森」としてシッター育成や猫に関するセミナーを展開している。2009年に世界初、キャットシッターの視点から猫について解明する『猫の學校』セミナーをスタート。著書に『猫の森の猫たち』(幻冬舎文庫)『猫と暮らせば』(小学館文庫)『猫と人と古民家と』(幻冬舎)など。
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