2014年04月20日
ブロンドの黒人が住む島!! 謎の人類「デニソワ人」の子孫か!?
ブロンドの黒人が住む島!! 謎の人類「デニソワ人」の子孫か!?
黒色人種の身体的特徴と聞いて、あなたは何を思い浮かべるだろう。おそらくほとんどの人は、「黒に近い褐色の肌」や「幅広の鼻」、「黒く縮れた頭髪」などを想像するに違いない。しかし世界には、このような特徴に当てはまらない黒色人種も存在しているのだ。今回は、米「サイエンス」誌などが報じた、「黒褐色の肌とブロンドの髪」を持つ人々の話題を紹介する。
■彼らは、ソロモン諸島に住んでいた!
太平洋の南西部、オーストラリアの北に位置するメラネシア海域。この海域には大小の島々が多数存在するが、パプアニューギニアの東に、ソロモン諸島と呼ばれる国がある。約1,000を数える島々に散らばって暮らす国民の総人口は、およそ55万人だ。メラネシア海域の原住民は、アフリカ黒人に次ぐ濃い色の肌と、黒く縮れた毛髪などの特徴を持つが、ソロモン諸島においては、なんと住民の4分の1が、「黒褐色の肌とブロンドの髪」を持って生まれるのだという。
この珍しい特徴は、科学者たちを長年困惑させてきた。現在はイギリス連邦に属するソロモン諸島であるが、これまでも植民地や保護領として欧米各国と深いつながりを持っていたため、多くの科学者たちは、「ブロンドの髪は、白人によってもたらされた遺伝的特徴である」と考えていたという。その一方で、住民たちは「豊富な魚を中心とした食生活と、常に日光に晒されているためだ」と主張するなど、様々な説が叫ばれていたようだ。
■原因は他にあった!
しかし、カナダ・ノバスコシア農業大学の遺伝学者であるショーン・マイルズ博士を始めとする研究グループが、どの説も間違っていることを突き止めたのだった。博士たちは、ソロモン諸島の住民たちに見られるブロンドの髪に、“濃淡の差が少ない”点に着目。この現象が遺伝的に(「ブロンドの髪を持つか、持たないか」という)二値形質となっていると仮定した。
そして、彼らの遺伝子プールに潜むであろうブロンドの髪の原因を探るため、博士たちは約1,200人分もの唾液と毛髪のサンプルを採取し、黒い髪の住民とブロンドの髪の住民の遺伝子を比較したのだった。
結果、思いもしなかった事実が判明する。黒い髪の住民とブロンドの髪の住民の間には、色素形成に関連する「TYRP1」という遺伝子のアミノ酸配列に違いが見られたのだ。そして、ブロンドの髪は、父と母の双方を通じて受け継がれるものであることが判明したという。さらに、このような現象は、ソロモン諸島の人口が少なかったことで、多くの住民に受け継がれたものと考えられるようだ。マイルズ博士は、「人口が少ない国では、他にも同様の例が見られるに違いない。それは髪の色だけでなく、病気に関するものかもしれない」と語っている。
■さらに驚くべき事実が!
さらに研究の過程において、人類の起源に関係する、驚くべき事実も明らかになった。私たち現生人類は、わずかながらもネアンデルタール人由来の遺伝子を受け継いでいることが知られている。これは太古の昔に、現生人類とネアンデルタール人の間に交配が起きていたことを示すものだが、今回のメラネシア海域の原住民は、さらに異なる人類種の遺伝子を受け継いでいるというのだ。マイルズ博士たちは、その遺伝子のルーツが、未だ多くの謎に包まれた人類「デニソワ人」にあると考えているようだ。
現生人類とネアンデルタール人、そしてデニソワ人。この複雑な関係(過去の記事を参照)が、「黒褐色の肌とブロンドの髪」の背景に存在していることを示唆するマイルズ博士たちの研究。ソロモン諸島の人々の笑顔は、まるで私たちの遺伝子に刻まれた太古の記憶を呼び覚ますかのようだ。研究のさらなる進展に期待したい。
「トカナ」より引用
黒色人種の身体的特徴と聞いて、あなたは何を思い浮かべるだろう。おそらくほとんどの人は、「黒に近い褐色の肌」や「幅広の鼻」、「黒く縮れた頭髪」などを想像するに違いない。しかし世界には、このような特徴に当てはまらない黒色人種も存在しているのだ。今回は、米「サイエンス」誌などが報じた、「黒褐色の肌とブロンドの髪」を持つ人々の話題を紹介する。
■彼らは、ソロモン諸島に住んでいた!
太平洋の南西部、オーストラリアの北に位置するメラネシア海域。この海域には大小の島々が多数存在するが、パプアニューギニアの東に、ソロモン諸島と呼ばれる国がある。約1,000を数える島々に散らばって暮らす国民の総人口は、およそ55万人だ。メラネシア海域の原住民は、アフリカ黒人に次ぐ濃い色の肌と、黒く縮れた毛髪などの特徴を持つが、ソロモン諸島においては、なんと住民の4分の1が、「黒褐色の肌とブロンドの髪」を持って生まれるのだという。
この珍しい特徴は、科学者たちを長年困惑させてきた。現在はイギリス連邦に属するソロモン諸島であるが、これまでも植民地や保護領として欧米各国と深いつながりを持っていたため、多くの科学者たちは、「ブロンドの髪は、白人によってもたらされた遺伝的特徴である」と考えていたという。その一方で、住民たちは「豊富な魚を中心とした食生活と、常に日光に晒されているためだ」と主張するなど、様々な説が叫ばれていたようだ。
■原因は他にあった!
しかし、カナダ・ノバスコシア農業大学の遺伝学者であるショーン・マイルズ博士を始めとする研究グループが、どの説も間違っていることを突き止めたのだった。博士たちは、ソロモン諸島の住民たちに見られるブロンドの髪に、“濃淡の差が少ない”点に着目。この現象が遺伝的に(「ブロンドの髪を持つか、持たないか」という)二値形質となっていると仮定した。
そして、彼らの遺伝子プールに潜むであろうブロンドの髪の原因を探るため、博士たちは約1,200人分もの唾液と毛髪のサンプルを採取し、黒い髪の住民とブロンドの髪の住民の遺伝子を比較したのだった。
結果、思いもしなかった事実が判明する。黒い髪の住民とブロンドの髪の住民の間には、色素形成に関連する「TYRP1」という遺伝子のアミノ酸配列に違いが見られたのだ。そして、ブロンドの髪は、父と母の双方を通じて受け継がれるものであることが判明したという。さらに、このような現象は、ソロモン諸島の人口が少なかったことで、多くの住民に受け継がれたものと考えられるようだ。マイルズ博士は、「人口が少ない国では、他にも同様の例が見られるに違いない。それは髪の色だけでなく、病気に関するものかもしれない」と語っている。
■さらに驚くべき事実が!
さらに研究の過程において、人類の起源に関係する、驚くべき事実も明らかになった。私たち現生人類は、わずかながらもネアンデルタール人由来の遺伝子を受け継いでいることが知られている。これは太古の昔に、現生人類とネアンデルタール人の間に交配が起きていたことを示すものだが、今回のメラネシア海域の原住民は、さらに異なる人類種の遺伝子を受け継いでいるというのだ。マイルズ博士たちは、その遺伝子のルーツが、未だ多くの謎に包まれた人類「デニソワ人」にあると考えているようだ。
現生人類とネアンデルタール人、そしてデニソワ人。この複雑な関係(過去の記事を参照)が、「黒褐色の肌とブロンドの髪」の背景に存在していることを示唆するマイルズ博士たちの研究。ソロモン諸島の人々の笑顔は、まるで私たちの遺伝子に刻まれた太古の記憶を呼び覚ますかのようだ。研究のさらなる進展に期待したい。
「トカナ」より引用
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