2016年07月17日
【南米の名門同士の一戦】 2011 コパ・リベルタドーレス コロコロ×サントス
2011 コパ・リベルタドーレス グループステージ グループ5
コロコロ × サントス
スコア:3-2
2011年3月16日 エスタディオ・モヌメンタル・ダビド・アレジャーノ 観客数:26,343
リベルタドーレスでの初対決はコロコロが勝利
パウロ・エンリケ・ガンソのコンディションが100%なら、もしかしたら違う結果になっていたのかも。そんな試合でした。
コロコロのスタメン(4-2-3-1) ●L to R
GK: フアン・カスティージョ
4: パトリシオ・ヘレス ネルソン・カブレラ アンドレス・スコッティ ホセ・カビオン
2: ホセ・ドミンゴ・サルセード ルイス・メナ
3: クリストバル・ホルケラ エステバン・パレデス ホセ・フエンサリダ
1: エセキエル・ミラジェス
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SUB: フランシスコ・プリエト(GK)
アルバロ・オルメーニョ ルーカス・ウィルチェス ルイス・パベス
アウグスティン・アラジェス マルコ・メデル ダウ・ガサレ
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監督: アメリコ・ガジェゴ
サントスのスタメン(4-4-2) ●L to R
GK: ラファエウ
4: レオ ドゥルヴァウ エドゥ・ドラセナ パラー
4: アドリアーノ ダニーロ パウロ・エンリケ・ガンソ エラーノ
2: ネイマール ゼ・エドゥアルド
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SUB: アラーニャ(GK)
ロドリゴ・ポッセボン ブルーノ・アギアール ブルーノ・ロドリゴ
アラン・パトリッキ ケイリソン マイコン・レイテ
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監督: マルセロ・マルテロッテ(暫定監督)
リベルタドーレスでは初対戦の両者
会場のモヌメンタルは、コロコロが1991年にリベルタドーレスで優勝したときの試合会場です。
コロコロ、サントスともに南米を代表する名門クラブですが、意外にもコパ・リベルタドーレスでは今回が初対戦。なおリベルタドーレス以外では過去に公式戦で14回対戦しており、コロコロの4勝9敗1分という戦績。サントスに有利なデータです。
サントスはガンソが負傷から復帰して間もないということで、100%のコンディションは期待できない状況です。
>>>前半45分
■コロコロは[COL]。サントスは[SAN]で表記します。
バルサのキックオフで試合開始。立ち上がりはバルサがゆっくりとボールを回し、チャンスを伺う。ソシエダもしっかりと守備ブロックを構築して対応します。
1分[COL]: 左サイドのホルケラからのパスを受けたサルセードがバイタルエリア中央からミドルシュート。GKラファエウが正面でキャッチ。
■エラーノの直接FKで先制!
4分[SAN]: 敵陣中央でエラーノが倒されてフリーキック。キッカーはエラーノ。ゴールまでおよそ30mくらいの距離でしたが、長い助走から強烈な右足キックが炸裂。無回転のブレ球にGKカスティージョの反応が遅れ、指先でかすかに弾くのが精いっぱいでした。
10分[COL]: ゴール前左サイドのパレデスが中央のホルケラへパス。ホルケラの前にはサントスの選手が2人いましたが、切り返しでかわしてシュートの体制。ここでサントスの3人目に潰されましたがノーファウル。
12分[SAN]: 左サイドでネイマールがガンソへパス。ガンソは正面の相手DFをかわすと、そのままペナルティエリアに侵入してゴール前のゼ・エドゥアルドへパス。ゼ・エドゥアルドは後方からトップスピードで上がってきたネイマールへつなぎますが、ネイマールのトラップが大きくなりシュートは打てず。
16分[COL]: 左サイドのミラジェスから中央のホルケラへパスが通ると、ゴール正面からホルケラがミドルシュート。右足アウトでのシュートは大きくカーブして枠ギリギリのコースを飛びましたが、GKラファエウがファインセーブです。
20分[COL]: フエンサリダからのボールをミラジェスがミドルシュート。しかしクロスバーを大きく越えました。
26分[SAN]: 左サイドのネイマールがドリブルで仕掛けるもコントロールミスでボールロストしますが、並走してきたアドリアーノがそのボールを拾ってシュート。しかしGKカスティージョがキャッチ。
■コロコロが同点に追いつく
27分[COL]: バイタルエリアでミラジェスがドリブルし、ゴール正面のパレデスへスルーパス。ボールを収めたパレデスは一度倒されますが、すぐさま立ち上がってシュート。GKラファエウはほとんど動けず、ボールはネットに吸い込まれるように入りました。
エラーノのスーパーFKに意気消沈していたコロコロのサポーターが息を吹き返しました。
30分[COL]: カウンターから左サイドのパレデスへボールが渡り、中央を上がってきたホルケラへ折り返し。一度は相手DFがクリアしますが、それを拾ったホルケラがミドルシュート。右ポストぎりぎりの際どいコースでしたが、わずかに逸れました。
32分[SAN]: 負傷による選手交代。レオOUT。ロドリゴ・ポッセボンIN。ポッセボンはかつてマンチェスター・ユナイテッドでプレーした経験があります。
32分[SAN]: 左サイドでガンソとのパス交換からネイマールがクロスを入れますが、相手DFに当たってコーナーキック。
■ミラジェスが追加点
35分[COL]: 自陣でエラーノからボールを奪ってカウンター。中央をドリブルで上がるミラジェスが、右サイドのパレデスへボールをいったん預けると、一気にトップスピードでゴール前へ。ペナルティエリア内に入るとパレデスからリターンパスをスライディングでダイレクトシュート。これが決まりコロコロが逆転です。
37分[COL]: セットプレーのチャンス。カビオンがゴール前に長いボールを入れると、ゴール前でカブレラがヘッドで落としてボールはミラジェスへ。ミラジェスは至近距離からシュートを打ちますが、GKラファエウが左足に当ててコーナーキックへ逃れました。
38分[SAN]: セットプレーのチャンス。先制点とほぼ同じ位置からフリーキック。キッカーも同じくエラーノ。今回は中に合わせたボールを入れました。エラーノには観客席から緑のレーザーが当てられています。
■サントスにとって痛すぎる3失点
42分[COL]: ポッセボンのパレデスへのファウルでフリーキックを獲得。キッカーのパレデスがゴール前に良いボールを入れると、ゴール正面にいたDFスコッティがヘディングシュート。これが決まってリードを2点に広げます。サントスは2点を追う厳しい状況に追い込まれました。
44分[SAN]: ガンソが倒されてセットプレーのチャンス。エラーノがフリーキックを直接狙いましたが、壁に当たってコーナーキックに。
前半終了。コロコロは立ち上がり早々に失点しましたが、時間の経過とともにパスワークが冴えてきました。前線のミラジェス、ホルケラ、パレデス、フエンサリダらが見せるスピーディなアタックは、なかなか魅力的です。
>>>後半45分
46分[COL]: 後半開始とともに選手交代。ホセ・カビオンOUT。アルバロ・オルメーニョIN。
47分[SAN]: 左サイドでボールを持ったネイマールが3人をかわし、中央へ切れ込んでゼ・エドゥアルドへパス。ゼ・エドゥアルドはいったんタメを作り右前方のスペースへボールを流すと、右サイドを駆け上がってきたアドリアーノがダイレクトシュート。ボールはGKカスティージョの手を弾いてゴールラインを割りコーナーキックに。
47分[COL]: サントスのコーナーキックからカウンター。左サイドのホルケラのクロスを、右サイドのパレデスがヘッドで中央へ折り返し、ミラジェスが至近距離からジャンピングボレー。決まったかに思えましたが、ボールはクロスバーを直撃しました。超決定機だっただけに決めたかった場面でした。
■ネイマールが追加点
49分[SAN]: サントスに2点目が入りました。コロコロのメナからボールを奪取したガンソがそのまま中央へ切れ込み、相手3人を引きつけて左にいたフリーのネイマールへパス。ネイマールはペナルティエリアに侵入し、飛び出してきたGKカスティージョをかわすと、左足で無人となったゴールの右隅に流し込みました。
前半から度々チャンスを作っていたガンソとネイマールのホットラインが、ようやく結果を出しました。
53分[SAN]: 左サイドでボールを持ったネイマールがトリッキーなドリブルで中央へカットインし、ゼ・エドゥアルドへパス。そしてネイマールとのワンツーからゼ・エドゥアルドがシュートも、スコッティがクリアしてコーナーキックに。
54分[SAN]: ポッセボンが前方のネイマールへパス。ネイマールは中央のガンソへボールを渡すと、ガンソは右サイドのゼ・エドゥアルドへパス。ボールキープしてタメを作ったゼ・エドゥアルドは、右サイドを駆け上がってきたアドリアーノへパスを送ると、敵陣深くからアドリアーノがクロス。これはGKカスティージョに防がれてコーナーキックとなりますが、前半にはなかった4人〜5人の流動的なパスワークに、サントスらしさが見え始めました。
55分[COL]: 選手交代。ルイス・メナOUT。ルイス・パベスIN。
59分[SAN]: 中央でパスを受けたパラーがドリブルで仕掛けてミドルシュート。一度はGKカスティージョが倒れながらセーブするも、こぼれたボールを拾ったネイマールがドリブルで仕掛けますが、起き上がったカスティージョがクリア。さらにドラセナがこのクリアボールを拾ってペナルティエリア内の至近距離からシュートを放ちますが、相手DFがクリア。
決定機が連続した波状攻撃でしたが、コロコロの体を張った守備に得点できませんでした。
67分[COL]: 選手交代。ホセ・ドミンゴ・サルセードOUT。ルーカス・ウィルチェスIN。
69分[COL]: 左サイドでウィルチェスがゴールラインぎりぎりの深い場所からクロスを上げ、パレデスがヘディングシュート。ふわりと浮かしたボールは枠ギリギリで外れましたが、GKラファエウにとっては味方のドゥルヴァウがブラインドになったため反応が遅れたので、枠内に飛んでいたらおそらく防げませんでした。パレデスはたいへん悔しがっています。
71分[SAN]: バイタルエリアでネイマール→パラー→ポッセボン→ガンソ→エラーノ→ポッセボン→エラーノ→ガンソとテンポよくつなぎ、最後はエラーノが中央の空いたスペースへ侵入し、ガンソからのパスを正面からフリーでシュート。しかしGKカスティージョが左手一本のファインセーブでコーナーキックへ逃れます。
72分[COL]: サントスのコーナーキックからカウンター。センターサークル内でミラジェスからボールを受けたフエンサリダが、守備が手薄なサントス陣内へ正面から一気にドリブル突破。最後はペナルティアーク付近からミドルシュートを打ちましたが枠を外れます。
右にはパレデス、左にはミラジェスが並走していたので、どちらかへパスが出ていたら決定機を迎えていた可能性が高い場面。サントス側からすれば「助かった」シーンでした。
73分[SAN]: 自陣でボールを奪取したエラーノが前線のネイマールへロングパス。ネイマールはワンバウンドのボールを胸トラップでコントロールし、ボールが浮いたところを取りに来た相手DFより一歩早くつま先でトラップして前を向くと、味方の攻め上がりを待つそぶりをして空いたスペースへドリブルで切り込み、ペナルティエリア右角付近からシュート。
惜しくも枠を外れましたが、ネイマールのセンスとテクニックが発揮された場面でした。
77分[SAN]: 選手交代。ゼ・エドゥアルドOUT。マイコン・レイテIN。
82分[COL]: 左サイドからウィルチェスがドリブルで仕掛け、ペナルティエリア内のミラジェスへパス。ミラジェスはファーサイドでゴール前にポジションを取るパレデスを確認してクロスを上げますが、GKラファエウがクリア。そのクリアボールをフエンサリダがダイレクトでふわりと浮かせたヘディングシュート。先ほどのクロスをジャンプしてクリアしたラファエウは倒れていてゴールマウスは無人状態でしたが、シュートはボール1個分クロスバーの上を通過。
84分[SAN]: 選手交代。パウロ・エンリケ・ガンソOUT。ケイリソンIN。
ケイリソンの投入によってネイマール、ケイリソン、レイテの3トップのような形になりましたが、その分中盤が空いてしまい、トップの3人に良い形でボールが入らなくなりました。
とくにガンソが悪いプレーをしていたわけではなく、動けなくなったわけでもないので、どうして下げたのかよくわかりません。
とくにガンソが悪いプレーをしていたわけではなく、動けなくなったわけでもないので、どうして下げたのかよくわかりません。
94分[試合終了]: 大雑把に言えば、前半はコロコロ。後半はサントスがペースを握った試合でした。
84分以降は中盤とゴール前での肉弾戦による潰し合いがほとんど。こういう泥臭い面も、負けず嫌いな選手が多い南米サッカーの醍醐味の一つですね。
リベルタドーレスでの初対戦はコロコロが勝利。サポーターも歓喜に沸きます。
この結果コロコロがグループ5の首位に浮上。サントスは3位のまま変わりませんが、グループステージ突破に暗雲漂う結果となりました。
>>>得点
4分: エラーノ(サントス)
27分: エステバン・パレデス(コロコロ)
35分: エセキエル・ミラジェス(コロコロ)
42分: アンドレス・スコッティ(コロコロ)
49分: ネイマール(サントス)
当時のサントスには期待の若手から欧州のトップリーグ経験者まで、様々な選手が在籍していました。
ネイマールやガンソはヨーロッパへの移籍が常に噂されていましたし、エラーノはかつてマンチェスター・シティに在籍。個人的にシティ時代のエラーノは好きでした。
ちょっと変わった経歴の持ち主はケイリソン。パルメイラス時代の活躍と将来性を買われてバルセロナに移籍するも、いくつものクラブへレンタル移籍した挙句、一度もバルセロナでプレーすることなく放出されました。実力の世界とはいえ、これはちょっと気の毒でしたね。
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