2016年06月02日
【"セルビア代表" 初出場決定】 2010WC 欧州予選 セルビア×ルーマニア
2010ワールドカップ 欧州予選 グループ7
セルビア代表 × ルーマニア代表
スコア:5-0
2009年10月10日 スタディオン・ツルヴェナ・ズヴェズダ 観客数:55,000
「セルビア」として初のWC出場決定です。
UEFA.org より
セルビア代表のスタメン(4-4-1-1)
GK: ウラディミル・ストイコヴィッチ
4: ブラニスラヴ・イヴァノヴィッチ ネマニャ・ヴィディッチ アレクサンダル・ルコヴィッチ アレクサンダル・コラロフ
4: ミロシュ・クラシッチ デヤン・スタンコヴィッチ ネナド・ミリヤシュ ミラン・ヨヴァノヴィッチ
1: マルコ・パンテリッチ
1: ニコラ・ジギッチ
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SUB: ヴラディミル・ディシュリェンコヴィッチ(GK)
イヴィツァ・ドラグティノヴィッチ ゴイコ・カチャル ミロシュ・ニンコヴィッチ
ズドラヴコ・クズマノヴィッチ ネヴェン・スボティッチ ゾラン・トシッチ
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監督: ラドミル・アンティッチ
ルーマニア代表のスタメン(4-4-2)
GK: ダヌツ・コマン
4: ヴァシレ・マフテイ ミレル・ラドイ クリスティアン・キヴ ラズヴァン・ラツ
4: ダチアン・ヴァルガ ユリアン・アポストル チベリウ・ギオアネ アドリアン・クリステア
2: アドリアン・ムトゥ チプリアン・マリカ
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SUB: コステル・パンティリモン(GK)
ミハイ・ネシュ コスティン・ラザル ドリン・ゴヤン
ボグダン・マーラ アンドレイ・クリステア ゲオルゲ・ブクル
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監督: ラズヴァン・ルチェスク
この試合に勝てばグループ7の1位通過確定
予選は残り2試合。試合前のグループ7の順位表は下記でした。
セルビアはこの試合に勝てば、2位のフランスが連勝しても勝点で上回るので、本大会出場が決まります。この大一番にスタディオン・ツルヴェナ・ズヴェズダはほぼ満員です。
アウェイのルーマニアは、数字上では2位になれる可能性が残っているとはいえ、現実的にはかなり難しい状況。セルビアは早い時間帯で得点を奪い、ルーマニアの戦意を削いでしまいたいところでしょうか。
前半
セルビアのキックオフで試合開始。
1分: セルビアのチャンス。パンテリッチから右サイドのクラシッチへパスが通り、中央のジギッチへクロス。これはルーマニアのDFがクリアしますが、クリアボールを拾ったスタンコヴィッチがミドルシュート。
4分: クラシッチがジギッチへクロスを入れるもクリアされます。立ち上がりセルビアは右のクラシッチを経由するシーンが多く見られます。
10分: セルビアのチャンス。中央のクラシッチが左サイドのコラロフへつなぎ、前方のヨヴァノヴィッチへパス。ヨヴァノヴィッチはゴール前のパンテリッチへクロスを送りますが、ボールはパンテリッチの伸ばした右足先をかすめてゴールラインを割りました。
13分: ムトゥのファウルでヴィディッチが流血。ロングボールの競り合いの際、ムトゥの肘がヴィディッチの顔面を直撃し、眉間の当たりから出血しています。声をかけてくるムトゥに対し、ヴィディッチはマジギレです。
17分: セルビアのCK。クリアボールをスタンコヴィッチがダイレクトでミドルシュート。
18分: セルビアのチャンス。左サイドのジギッチから右サイドのクラシッチへサイドチェンジ。クラシッチが自ら切れ込みシュートを打ちますが、惜しくも外れます。
21分: クラシッチのミスパスを奪ったヴァルガがミドルシュート。しかしクロスバーのはるか上を通過。
23分: マリカに対するスタンコヴィッチのファウルでルーマニアにFK。ムトゥの蹴ったボールはGKの逆をついた際どい弾道でしたが、わずかに外れます。
30分: 左サイドをドリブルで仕掛けたコラロフにヴァルガがファウル。FKを与えます。ミリアシュの蹴ったボールにヴィディッチがヘディングシュート。
セルビアが先制!
37分: 左CKからジギッチのヘディングシュートが決まりました。攻めながらも得点を奪えないもどかしい展開に、少し静まり返っていたスタジアムが沸き返ります。
41分: 中央やや右寄りで得たセルビアのFK。ネナド・ミリアシュが直接狙うがGKがキャッチ。
43分: ルーマニアのチャンス。右サイドのギオアネからのクロスにクリステアがシュート。しかしジャストミートせず。
44分: マリカがペナルティエリア内で倒されますが、ノーファウル。この判定にマリカは憤っています。
前半は1-0で終了です。終始セルビアのペースでしたが、追加点を奪えませんでした。ルーマニアは終盤になって少し盛り返した感じです。
...half time...
後半
後半開始からセルビアが選手交代。アレクサンダル・ルコヴィッチOUT、イヴィツァ・ドラグティノヴィッチIN。
47分: セルビアのチャンス。左サイドでの細かなパスワークからコラロフへボールが渡り、ゴール前へクロス。ジギッチが詰めていましたが、このクロスはキヴがクリアしました。
セルビアは身長202cmの”ジギッチの高さ”というストロングポイントを活かすべく、前半はサイドからのクロスを多用。しかし後半は一転、安易にジギッチへクロスを入れず、足元でパスをつなぐスタイルに変えてきました。
セルビアが追加点!
49分: セルビアが貴重な追加点です。クラシッチからのスルーパスを受けたパンテリッチのシュートが決まりました。後半開始早々の大きな追加点に、スタジアムが大いに沸きます。
51分: ムトゥのポストプレーからラズヴァン・ラツがミドルシュート。ルーマニアは前線に良い形でボールが入りませんので、ミドルシュートを放つシーンが目立ちます。
58分: ゴール正面中央でヨヴァノヴィッチがドリブルで仕掛けます。ここはヴァシレ・マフテイに止められますが、こぼれ球をパンテリッチが強烈なシュート。
58分: ルーマニアが2人選手交代。チベリウ・ギオアネOUT、ゲオルゲ・ブクルIN。チプリアン・マリカOUT、ドリン・ゴヤンIN。
61分: イヴァノヴィッチの右サイド突破からセルビアにCK。前半は攻め上がりを控えていたように見えたイヴァノヴィッチの、思い切りの良いプレーでした。2点目がセルビアの選手達に精神的な余裕をもたらしたようで、チーム全体に思い切りの良さが見られるようになりました。
64分: セルビア選手交代。ネナド・ミリヤシュOUT、ズドラヴコ・クズマノヴィッチIN。
67分: 左サイドを突破したヨヴァノヴィッチがゴール前のクラシッチへクロス。角度が無いところからのクラシッチのヘディングシュートは惜しくも外れます。
70分: 中央をドリブルで突破したムトゥが強烈なシュート。ここはGKの好セーブ。
71分: セルビア選手交代。ネマニャ・ヴィディッチOUT、ネヴェン・スボティッチIN。観客はキャプテンのヴィディッチに大きな拍手を送ります。
75分: ルーマニア選手交代。アドリアン・ムトゥOUT、アンドレイ・クリステアIN。
勝利を決定づける3点目
77分: セルビアに3点目が入りました。ロングパスをジギッチが頭で落とし、走ってきたパンテリッチが中央へ折り返し。それをクズマノヴィッチが左足でシュート。ジギッチからクズマノヴィッチまで、一連のプレーはすべてダイレクトプレーでした。
83分: ジギッチへのファウルでキヴにレッドカード。退場です。GKストイコヴィッチからのロングボールを競りあった際に、キヴの足の裏がジギッチの脇腹に入ってしまいました。キヴはジャッジに不満を表すことなく、黙ってピッチを去って行きます。
攻撃の手を緩めないセルビア
87分: セルビアに4点目が入りました。バイタルエリアでクラシッチからパスを受けたヨヴァノヴィッチが強烈なミドルシュートを叩き込みました。
92分: さらにセルビアがダメ押しの5点目。スタンコヴィッチからのロングパスをパンテリッチがヒールで残し、ヨヴァノヴィッチがグラウンダーのシュート。
スタジアムはお祭り騒ぎ。勝利を確信したサポーターの歌声が途切れません。
94分: 試合終了。セルビアが本大会出場を決めました。
旧ユーゴスラヴィア、セルビア・モンテネグロを経て、セルビア共和国(セルビア単体)としては初のワールドカップ出場を決めた、歴史的な勝利です。
セルビアはジギッチの高さを活かした「割り切った戦い方」も出来ますし、個々の技術がしっかりしていますから、ショートパスをつないだスタイルでも戦えます。
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得点
37分 ニコラ・ジギッチ(セルビア)
49分 マルコ・パンテリッチ(セルビア)
77分 ズドラヴコ・クズマノヴィッチ(セルビア)
87分 ミラン・ヨヴァノヴィッチ(セルビア)
92分 ミラン・ヨヴァノヴィッチ(セルビア)
試合を終えて・・・
このグループの最終順位はこうなりました。
本命と目されていたフランスを抑えて1位通過したセルビアですが、2010年の本大会は1勝2敗でグループリーグ敗退となります。
セルビアは2010WC以降、WCやEUROなどの本大会に出場できていません。この2009-10年あたりを境に下降線を描いてしまっている状況です。ただ近年若くて良い選手が何人か現れていますので、今後に期待です。
タグ:2010
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