画像という正の数を作ります。これを PQ にかけて計算すると
PQR = (ad − bc)2 ≧ 0
が得られます。ゆえに PQ ≧ 0, すなわち P ≧ 0 が証明されました。
この結果を使って左側の不等式
|z1|−|z2| ≦ |z1 + z2|
が証明できます。|z1| を変形して、
|z1| = |z1 + z2 − z2| ≦ |z1 + z2| + |− z1| = |z1 + z2| + |z2|
となりますから、
|z1|−|z2| ≦ |z1 + z2| [b]
が示されました(証明終わり)。
とまあ、ひらめきで解くというよりも、「√ が鬱陶しいからとにかく外しちゃえ」と変形していたら、いつの間にか証明できていた、という感じの解答になりますね。
(2) (1) を z1 から zn までの総和に拡大した不等式です:
|z1 + z2 + ...... + zn| ≦ |z1| + |z2| + ...... + |zn| [c]
(1) を前提とすれば当たり前のような関係式ですが、任意の n で成り立つことをきちんと示すには数学的帰納法を用います。まず (1) の結果から n = 2 のとき
|z1 + z2| ≦ |z1|+|z2|
が成り立ちます。n = k で
|z1 + z2 + ...... + zk| ≦ |z1| + |z2| + ...... + |zk|
が成り立っていると仮定すると、n = k + 1 では
|z1 + z2 + ...... + zk + zk + 1|
≦ |z1 + z2 + ...... + zk| + |zk + 1|
≦ |z1| + |z2| + ...... + |zk| + |zk + 1|
となってやはり成り立つので、全ての n について [c] が成立します(証明終わり)。
範囲を逸脱した知識を使うことの是非について たとえば入試などで数学Tの問題に対して数
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