中国から日本に酢の醸造技術が伝わったのは4~5世紀ごろで、米から作る酒を原料に米酢が醸造されました。平安貴族は、生魚や干し魚に、この酢や塩をつけて食べていたそうです。
万葉集にこんな歌があります。
「醤酢にひる尽きかてて鯛願う我にな見えそなぎの羹」
「酢醤油にび野蒜をつき砕いて混ぜたタレで鯛が食べたいな。熱々の水草の汁物は、私の見えないところにやってくれよ」といった意味です。
作者は、血管を老化させる塩辛い汁物より、血管を丈夫にしてくれそうなさっぱり味の魚料理が好みだったのでしょう。おそらく、血管年齢が実年齢よりも若かったのではないでしょうか。塩分を控えめにした薄味の料理は、血管によってよい良いことはわかっていても、濃い味に慣れた舌にとっては、どうしても物足りなさを感じてしまいがちです。そんな時は、料理の味付けに酢をプラスしてみてください。酸っぱさだけじゃない味わいは、抜く、魚、野菜など、様々な食材との相性ピッタリ!減塩に強力なサポーターになってくれます。
酢の主な成分は、健康効果の高い酢酸です。 酢酸は脂質や代謝を高めて、どろどろになった血液を改善してくれる効果があります。そのけった、血圧やコレステロール値が下がるので、酢は、まさに、血管の強い味方となる調味料なのです。
クエン酸も多く含まれるので、体内の有害物質を排出する働きもします。この作用でも、血管の内側を強くします。 疲労物質の乳酸の分解も促進するので、疲労回復にも効果的です。っ健康効果だけではありません。酢には旨味成分のアミノ酸が含まれ、素材の味をうまく引き出し、よりおいしくする効果があるのです。 酢を煮込み料理の隠し味にすると、薄味でも味が引き締まります。さらに、肉た魚を柔らかくする効果もあって、素材そのもののおいしさを引き立ててくれます。また、酢は食べ物をいたみにくくします。すし飯や酢の物などは、そんな効果を利用した、先人の知恵が生んだ料理です。
減塩のためには、しょうゆやソースなど、塩分の多い調味料は食卓に置かない方が良いのですが、酢は小さな瓶にでも詰め替えて、食卓に常備しておくことをお勧めします。焼きそばや野菜炒め、焼き魚など、これまでしょうゆやソースをかけていた料理に、これからは酢をサッとひとかけ!さっぱりした味わいながら、旨味が増して、淵源効果も抜群です。
ひと口に「酢」と言っても、様々な種類があります。特徴を知って、好みの料理やドリンクに活用して、おいしく減塩してください。
★穀物酢 酸味がシャープな酢。餃子のたれや酢豚などの最適。
★米酢・純米酢 コクや旨味がまろやかな酢。 二杯酢、三杯酢、すし飯に。
★黒酢 米酢の一種。熟成発酵期間が長く味がまろやかで健康効果が高い。中華料理が向く。薄めて冷し て飲めばドリンクのもなります。
★リンゴ酢 リンゴ果汁が主原料。カリウムが豊富で高血圧予防に最適。ドレッシングのもなります。
★ワインビネガー ブドウ果汁から作ったフルーテイな香りの酢。ドレッシングやピクルス駅に最適。
★パルサミコ酢 ブドウ果汁が主原料。豊かな香りで肉や魚料理の仕上げに一滴。
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