東北大学・川島隆太教授によれば、これまでの脳トレには情報の「処理速度」と「処理容量」の2種類のの訓練があります。 背外側前頭前野の機能はパソコンに例えると情報処理を担うCPU(中央演算処理装置)と情報を自由に読み書き出来るRAM(ランダムアクセスメモリー)になります。このCPUの性能を向上するのが「情報処理速度訓練」です。
一方、RAMの容量を拡大する、つまり作動記憶容量を拡大するのが「情報処理容量訓練」です。ちなみに、パソコンのHDD(ハードディスク)やSSD(ソリッドステートドライブ)などのデータ記憶装置に当たるのが、脳では側頭連合野になります。 私たち東北大学では川島隆太教授を中心に多くの民間企業との産学連携で、この2種類の脳トレを商品化しています。「情報処理速度訓練」の代表的商品は任天堂3DS用ソフト【脳を鍛える大人のDSトレーニング」とその続編の「もっと脳を鍛える大人のDSトレーニング」です。この2つは海外でも販売され、延べ3300万本いじゅおい売れたという超特大メガヒット商品です。
一方、「情報処理容量訓練」、つまり作動記憶容量を増やす脳トレの代表商品は任天堂3DS用ソフト「ものすごく脳を鍛える5分間の鬼トレーニング」(通称「鬼トレ」)です。先に述べた「感情の抑制機能の低下」「記憶の書き込み機能の低下」を食い止めるには、この鬼トレが有効です。
興味深いことに、このソフトで作動記憶トレーニングを続けると、これらの改善に加えて、脳の実行機能、予測や判断力、集中力も向上し、仕事や勉強の効率が上がったり、家事がスピードアップしたり、スポーツが上達したり、様々な効果が期待できます。中年期を過ぎたみなさんは、近い将来に「キレる高齢者」になりたけなければ、いまから作動記憶容量拡大の脳トレをお勧めします。
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