脳のMRI画像を見ると、1年あたりの脳の減少量は、ごく初期の認知症であっても、健常者に比べて約2倍のスピードで落ちていきます。10年間で健常者の脳が約5%減るとしたら、認知症の方は10%減ってしまうことになります。脳にとっての10%というのは相当な量です。高齢になると、そのスピードが一気に加速する傾向もみられます。
認知症のしょうじょうはものわすれから始まります。ですが、加齢による単なる物忘れとは異なり、日にちや時間、曜日などが分からなくなります。また、近い記憶から少しずつ失われ、記憶の一部がそっくり抜け落ちていきます。そのため、夕ご飯に何を食べたかではなく、夕ご飯を食べたことそのものを忘れてしまうようになるのです。
この初期症状では、自分で自分の変化に気が付きます。また、、家の中でトイレの場所が分からなくなったり、自分のいる場所がわからなかったりすることから、家に帰れなくなるなど日常生活に気象をきたすようになります。 このような状態が半年続くと「認知症」と判定されます。ただし認知症の診断は必ずしも容易ではなく、老齢期うつ病など他の病気との鑑別が難しこともあります。
中期になると、失われる記憶が長くなり、数十年単位で抜け落ちていあ舞うことから、実際の年齢より、20歳、30歳若い時の意識でいるようになります。
このころから、ボタンをかける、お箸を使うなど日常生活で、手や道具を使う動作が難しくなり、歩行や排せつにも障害が出ているようになります。この中期の段階まで行くと、自分が認知症であることが分からなくなります。
そして後期まで進むと、あいてが誰なのかまでわからなくなり、会話をすること、自分の意志で体を動かすこともできないようになります。 「人間らしさ」と言える、記憶、思考力や判断力などの認知機能が失われ、最後には動物として生きるための重要な、立つ、食べるというう働きまで失われてしまいます。
やがて自分で食べることのできない嚥下(嚥下)障害が起き、身体が衰弱していくことによって終末期を迎えることになります。
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