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2014年09月01日

たかの友梨 産前産後休業・育児休業の取得を妨げる

おはようございます。
ecarです。

今日は、

【たかの友梨 産前産後休業・育児休業の取得を妨げる】

をお届けします。



「たかの友梨」が典型的なブラック企業であることは、すでに今野晴貴さんが指摘し、
上西充子法政大学教授が
「たかの友梨に対して声を上げた当事者たちが求めていること」
というエントリーで今回の事態の経過等を紹介されていますが、
この問題にかかわっていくつか興味深い点があったので備忘録がわりにアップしておきます。



産休・育休の取得を妨げる
「再雇用制度」が
「職場環境整え社員育てる」?



実際はマタハラが横行

まず
『新潟日報』
2010年4月14日付夕刊に掲載されている

エステティシャン 
美の伝道師 
たかの友梨さん 
職場環境整え社員育てる


という記事です。
この記事の中で
「たかのが経営する全国122店舗で働く社員1200人のうち、
男性はわずか20人」
という職場だから環境を整えるとして、
たかの友梨氏は、
「結婚や子育てをしたいと思うのは当然のことなんですよね。
女性が働きやすい仕組みづくりに努め、
再雇用制度を設けました。」
と語っています。
ところが、
この
「再雇用制度」

「産前産後休業・育児休業の取得を妨げる」
ことに悪用されている様子が
「ブラック企業対策ユニオン・エステ支部」
のブログで次のように告発されていて、
実際にはマタハラが横行していたことになります。

【産前産後休業・育児休業の取得を妨げられる】 

こうした厳しい働き方をこなして、
好きな仕事を続けていくと、
妊娠・出産を迎える方もいます。
ですが、
会社はこうした社員に対しても、
産前産後休業や育児休業の取得を妨げようとします。
「フルタイムの正社員で復帰することが、産休を取得する条件。」
「パートにならないか。」
「一旦辞めて、再雇用でもよいのではないか。」
「育児休業の終了後には、今働いている店舗には復帰できない。」

などと説明されたという声が複数人からあがっています。



「選別型ブラック企業」の典型

それから、
この
『AERA』
の記事の中には、
次のような記述もあります。
タイムカードを見ると涙が出る、
とたかのは言う。
「うちの子たちはほんとによく働くの。
世の中はギブ&テイク。
働いてくれたらちゃんと返しますよ」

まったくよくも口にできたものだと思いますが、
「涙が出る」のは、たかの友梨氏ではなく、
残業代も払われず、
有給休暇を一度も取得できず、
数十万円の美容器材を購入させられる
「自爆営業」
を強制されている労働者の方です。



また、
こんな記述もあります。
管理職養成学校で知られる「地獄の特訓」へ入り、
「天命に目覚めた」。
「それまで女だから出しゃばっちゃいけないと少しは思ってたけれど、
私は能力があるんだとストッパーが一気に外れたね」
(カギカッコ内は、
たかの友梨氏の言葉)



この管理職養成学校で知られる
「地獄の特訓」というのがどんなものか知りませんが、
どうもこの
「地獄の特訓」
なるもので、
たかの友梨氏は、
ブラック企業経営者に向かう
「天命に目覚めた」
ようです。



そして、
ブラック企業経営者によくあるパターンの描写もあります。
「仕事はマンネリ化していく。
旬のものを手に入れると燃えるの」。
日本に1台しかない特注の赤いベンツに加えて、
輸入第1号の白いBMWを購入したばかり



最近、
この
「迎賓館」(自宅)を自らの
「モチベーションを高めるために」
改装した。
グランドピアノや定価700万円を
「65%オフで買った」
ベルサーチのソファ、マホガニーの家具が鎮座し、
サンルーム、サウナ付きバス、
犬用の部屋まであり、
「うちの夫が大統領を招待してもいいと言うぐらい」
のゴージャスさ。
2階はカラオケ用に完全防音で、
衣裳部屋には芸能人も顔負けの数のドレスや装飾品が並ぶ。
加えて
BLOGOSの記事では、たかの友梨社長
「誰も知らないでしょ、36協定なんてね」
浮いたおカネで
「ハワイに3軒目の別荘を10億円で購入」
との指摘があります。
「たかの友梨」は、
これまでも
「誇大広告」
事件や脱税事件なども起こしていますが、
ブラック企業の特徴としてこうした
「企業の統治機構の崩壊、腐敗する経営者」
の問題があります。
この点について、
私が企画・編集した座談会「ブラック企業と
『ブラック公務』
が日本を食いつぶす」の中で、
JMIU(全日本金属情報機器労働組合)の三木陵一書記長が
次のように指摘していますので最後に紹介しておきます。



テレビCMなど高額のタレント契約料捻出にあてられる

残業代未払い・有給休暇を取らせない・数十万円の美容器材を購入させる「自爆営業」
それから少し古い情報ではありますが、
『AERA』2002年12月2日付に
「〈現代の肖像〉ビューティクリニック経営 たかの友梨」
という記事の中では、
「年商180億円、女による女のための楽園に君臨する女王。」
「すべての広告を決めるのも、
この人である。
タレントの契約料の高さに全員が反対しても、
たかのは
「やるよ」
の一言で押し切る。」
とあるのですが、
残業代未払いや一度も有給休暇を取らせない、
数十万円の美容器材を購入させる
「自爆営業」
などによって、
テレビCMなどの高額のタレントの契約料を捻出していたのだということが分かります。



4月に100人採用、
月に50人が辞め、
月に40名が入社
さらにこの
『AERA』
の記事中には次のように書かれています。
4月に100人採用、
月に50人が辞め、
月に40名が入社する。
やり甲斐はあっても、
労働時間は長く肉体労働だ。
ノルマもある。
クレームはつきもので、
時には土下座だってしなければならない。
が、
月に1度行われる同社の店長会議では、
「院長先生のために売り上げを上げます!」と、
成績順に並んだ店長たちが声を揃える。
「ハングリーじゃなきゃ、たたき潰されてしまう」と、
その1人は言った。



この
『AERA』
の記事の書き方では、
4月に採用した100人のうち何人が辞めているのかは不明ですが、
「ブラック企業対策ユニオン・エステ支部」のブログには、
「新卒で入社した多くの若者が入社後、3年以内に離職してしまいます。
離職率は公表されていませんが、
1年以内の離職率は、
エステティシャンの場合、
3割近いと思われます」と指摘されていて、
これは、
今野晴貴さんが指摘している
「選別型のブラック企業」
にあてはまります。



1つめの選別型のブラック企業は、
大量採用して半分以上を辞めさせることを労務管理の基本的な目的にしているのが特徴です。
つまり、
企業にとって使える人、
従順な人だけを残してそれ以外は意図的に辞めさせることを最初から織り込み済みなのです。
たとえば、
私たちに労働相談が寄せられたあるIT企業では、
1,000人規模で毎年200人以上採用するのですが、
1年経過すると半分は辞めさせられているのです。
採用されてすぐに、
この人間は使えるか使えないかという選別が行われて、
使えないと判断された人に関しては、
カウンセリングと称する徹底的な嫌がらせをする。
「お前は何でこんなに仕事ができないんだ」
「会社に貢献できないのは自分の今までの人生に関係している。
親にどんな教育をされたか、
小学生時代から振り返って反省文を書いて、
どうして能力のない人間なのかをレポートせよ」
などということを毎日やられて、
うつ病にされてしまう。
そうしたうつ状態にしたところへ企業側は自己都合退職を迫って辞めさせてしまうのです。
こうした選別型のブラック企業はIT企業などに顕著に見られます。



企業の統治機構の崩壊、腐敗する経営者
3つめの特徴は、
企業の統治機構の崩壊にともなって、
経営者のモラルが腐敗しているという問題があるのではないでしょうか。



たとえば、
千葉県にあるIT企業のケースです。
私も労働組合の結成通告の時にその会社に実際に行って大変驚いたのですが、
社長は自前のヘリコプターを持っていて、
会社の駐車場には数台の高級外車がずらっと並んでいたのです。
ところが社員にはボーナスの支給が3年間もストップしたままだという労働相談がJMIUに寄せられて、
労働組合をつくってたたかっているのです。



なぜボーナスを支給しないのかと追及すると、
株の配当を20%出していて、
その税金を払わなければいけないからボーナスが出せないなどという滅茶苦茶なことを言うわけです。
経営者のモラルが崩壊してきているのです。

最近寄せられるこうした労働相談から強く感じるのは、
このブラック企業というのは、
たんに労働者をいじめるというだけでなく、
そのことで企業の統治機構が崩壊してきているのではないかと思うのです。



日本IBMのロックアウト解雇をブラック企業の典型としてお話ししましたが、
日本IBMは同時に
「不祥事量産企業」
とも呼ばれています。
昔から日本IBMは、私たちの組合もあって、
ずっと労働委員会での紛争や労働裁判が絶えない企業なのですが、
実は職場の労働者からだけではなくて、
ユーザーからの苦情も大変多いのです。
常にユーザーからも訴えられて裁判を行っているのが日本IBMです。
企業の統治機構が崩壊しているというのもブラック企業のひとつの特徴だと思います。



最近ではとうとう大歳という日本IBMの元社長でその後、
会長をやっていた人物が、
昼間に四ツ谷の駅で女子大生を盗撮したということで
“ピンク企業”
とまで言われるようになっています。
ある意味でブラック企業のなれの果てですね。



本日も、
最後までお読みいただきまして感謝いたします。
ありがとうございました。
それでは、
「ごきげんよう!さようなら」

ecar
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