2014年08月01日
<車のナンバー>自動読み取りで顧客分析 進むビジネス化
<車のナンバー>自動読み取りで顧客分析 進むビジネス化
車のナンバーを自動的に読み取って自動車登録情報(車検証情報)と照合し、
客の居住地などを分析するビジネスが始まっている。
公開情報を利用しており法的に問題はないが、
現状では車の所有者の同意を得ておらず、
不安視する声も上がっている。
読み取り技術の向上を背景に、
商業利用が加速している。
腰の高さほどのカメラが2台、
埼玉県戸田市のパチンコ店
「やすだ」
戸田店の大型立体駐車場出入り口に備え付けられている。
出入りする車のナンバープレートを撮影し、
データに変換してコンピューターに記録できる。
「予想より遠くから来る人がいることは分かりましたね」と、
戸田店の運営会社の安田屋(東京都)の松下正・営業企画部課長は話す。
今年2〜3月に約1万台のデータを分析したところ、
会員カードの住所で推定していた「商圏」から来ていたのは6割で、
残り4割は推定外の地域からだった。
中には九州や北海道の登録の車もあったという。
「極端に遠い所から来るのは(パチンコで稼ぐ)
『プロ』
かもしれない」
システムは駐車場コンサルタント
「駐車場綜合研究所」(東京都)が開発し、
4月に発売した。
安田屋での分析は無償提供による試験運用で、
既に終了している。
その後関西の大型ショッピングモールに導入する商談が進行中だという。
読み取ったナンバーのリストを、
駐車場綜研が自動車検査登録情報協会(自検協)と
全国軽自動車協会連合会(全軽自協)に送信すると、
車検証に記載された車種とメーカー、
町名や大字までの住所が返信される。
丁目や番地、
氏名は除かれており
「個人情報には当たらない」と
同社は説明する。
このデータを地図やグラフに加工、
顧客企業に提供する。
「お客さんがどこから来るかを詳細に分析できれば、
広告チラシの配布や誘導看板の設置を効果的にできる」
と同社の木村直子・エグゼクティブコンサルタントは説明する。
最近の大型ショッピングモールは、
駐車料金の精算などのためにナンバーを読み取るカメラを
備えているところが多い。
木村氏によると、
取引先のモールの担当者と
「このデータをもっと活用できないか」
と話し合ったのが、
システム開発のきっかけだったという。
同様のサービスは、
建設コンサルタント
「エイテック」(東京都)も提供している。
こちらは道路を走る車が主な対象だ。
道路脇などに計測器をセットしてナンバーを読み取る。
「道の駅」
の利用動向調査などに利用されているという。
デモ画面を見ると、
計測器は時速約80キロで走り去る車のナンバーを
「神戸 530 〇 〇〇〇〇
自家用
小型」などと瞬時に読み取る。
時速180キロまで対応可能という。
同社の堤慎司・関東支社調査技術部統括リーダーは
「10年ほど前から読み取り技術の正確性が飛躍的に進歩して、
マーケティング調査に応用しようという発想が生まれた」
と説明する。
ただ、
ビジネスとしての広がりは未知数だ。
安田屋は駐車場綜研のシステムを導入しないという。
「得られた結果は想定の範囲を大きく超えるものではなかった。
今後もデータを取り続ける必要はない」
(松下氏)と判断し、
カメラは近く返却する予定だ。
道路運送車両法は自動車登録情報は不動産登記と同じ公開情報と定めている。
このため、
国土交通省はナンバーを含む自動車登録情報を個人情報保護法の適用外とみなしている。
同法は、
保護すべき「個人情報」について、
氏名や住所など直接本人を特定できる情報か、
「他の情報と容易に照合できて、
特定の個人を識別できる」情報と定義する。
集めた個人情報を第三者に渡す時は本人の同意が必要と定めているが、
自動車登録情報については本人同意が法的には不要だ。
やすだ戸田店での試験運用も客に告知されなかった。
しかし、
戸田店に何度か行った埼玉県川口市の建築業の男性(38)は
「勝手に情報を取られるのはいい気持ちはしない」
と首をかしげており、
駐車場綜研は
「今後は告知することもあり得る」
と説明している。
小さな集落に住んでいる人や珍しい車に乗っている人は、
地名や車種だけで個人が特定されないだろうか。
駐車場綜研の吉本国隆常務は
「その可能性はある」と話す。
「私たちはそこまで調べないが、
何らかの法的なガイドラインは必要かもしれない」
それは、
必要でしょう。
情報の管理は大切です。
悪用されないとも限りません。
ecar
車のナンバーを自動的に読み取って自動車登録情報(車検証情報)と照合し、
客の居住地などを分析するビジネスが始まっている。
公開情報を利用しており法的に問題はないが、
現状では車の所有者の同意を得ておらず、
不安視する声も上がっている。
読み取り技術の向上を背景に、
商業利用が加速している。
腰の高さほどのカメラが2台、
埼玉県戸田市のパチンコ店
「やすだ」
戸田店の大型立体駐車場出入り口に備え付けられている。
出入りする車のナンバープレートを撮影し、
データに変換してコンピューターに記録できる。
「予想より遠くから来る人がいることは分かりましたね」と、
戸田店の運営会社の安田屋(東京都)の松下正・営業企画部課長は話す。
今年2〜3月に約1万台のデータを分析したところ、
会員カードの住所で推定していた「商圏」から来ていたのは6割で、
残り4割は推定外の地域からだった。
中には九州や北海道の登録の車もあったという。
「極端に遠い所から来るのは(パチンコで稼ぐ)
『プロ』
かもしれない」
システムは駐車場コンサルタント
「駐車場綜合研究所」(東京都)が開発し、
4月に発売した。
安田屋での分析は無償提供による試験運用で、
既に終了している。
その後関西の大型ショッピングモールに導入する商談が進行中だという。
読み取ったナンバーのリストを、
駐車場綜研が自動車検査登録情報協会(自検協)と
全国軽自動車協会連合会(全軽自協)に送信すると、
車検証に記載された車種とメーカー、
町名や大字までの住所が返信される。
丁目や番地、
氏名は除かれており
「個人情報には当たらない」と
同社は説明する。
このデータを地図やグラフに加工、
顧客企業に提供する。
「お客さんがどこから来るかを詳細に分析できれば、
広告チラシの配布や誘導看板の設置を効果的にできる」
と同社の木村直子・エグゼクティブコンサルタントは説明する。
最近の大型ショッピングモールは、
駐車料金の精算などのためにナンバーを読み取るカメラを
備えているところが多い。
木村氏によると、
取引先のモールの担当者と
「このデータをもっと活用できないか」
と話し合ったのが、
システム開発のきっかけだったという。
同様のサービスは、
建設コンサルタント
「エイテック」(東京都)も提供している。
こちらは道路を走る車が主な対象だ。
道路脇などに計測器をセットしてナンバーを読み取る。
「道の駅」
の利用動向調査などに利用されているという。
デモ画面を見ると、
計測器は時速約80キロで走り去る車のナンバーを
「神戸 530 〇 〇〇〇〇
自家用
小型」などと瞬時に読み取る。
時速180キロまで対応可能という。
同社の堤慎司・関東支社調査技術部統括リーダーは
「10年ほど前から読み取り技術の正確性が飛躍的に進歩して、
マーケティング調査に応用しようという発想が生まれた」
と説明する。
ただ、
ビジネスとしての広がりは未知数だ。
安田屋は駐車場綜研のシステムを導入しないという。
「得られた結果は想定の範囲を大きく超えるものではなかった。
今後もデータを取り続ける必要はない」
(松下氏)と判断し、
カメラは近く返却する予定だ。
道路運送車両法は自動車登録情報は不動産登記と同じ公開情報と定めている。
このため、
国土交通省はナンバーを含む自動車登録情報を個人情報保護法の適用外とみなしている。
同法は、
保護すべき「個人情報」について、
氏名や住所など直接本人を特定できる情報か、
「他の情報と容易に照合できて、
特定の個人を識別できる」情報と定義する。
集めた個人情報を第三者に渡す時は本人の同意が必要と定めているが、
自動車登録情報については本人同意が法的には不要だ。
やすだ戸田店での試験運用も客に告知されなかった。
しかし、
戸田店に何度か行った埼玉県川口市の建築業の男性(38)は
「勝手に情報を取られるのはいい気持ちはしない」
と首をかしげており、
駐車場綜研は
「今後は告知することもあり得る」
と説明している。
小さな集落に住んでいる人や珍しい車に乗っている人は、
地名や車種だけで個人が特定されないだろうか。
駐車場綜研の吉本国隆常務は
「その可能性はある」と話す。
「私たちはそこまで調べないが、
何らかの法的なガイドラインは必要かもしれない」
それは、
必要でしょう。
情報の管理は大切です。
悪用されないとも限りません。
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