旺翁のこれがいい！！！豊かなライフスタイルを求めて！！！

筒井康隆は「時をかける少女」以外も面白いんです！！

時をかける少女　

幻想の未来　にぎやかな未来　

そして　家族八景　七瀬再び　エディプスの恋人



「時をかける少女」はやっぱり素晴らしい。
　この爽やかさは奇跡です。
　筒井ワールドでは、ほとんど唯一無二ではないでしょうか。
　ただ、正直、映画ができるまでは、それほどインパクトを感じていなかった。
　タイムトラベルものならば、
　日本のSFにはもっとインパクトのある作品がいくつもありましたから。
　

時をかける少女 〈新装版〉 (角川文庫)

むしろ、筒井康隆にノックアウトされたのは「幻想の未来」でした。
茶色く変色した文庫を引っ張りだしてきて、
アイフォーンで撮るとこんな感じ。
表紙も気に入っているんですよね。覚えていましたから。
現在この表紙の文庫はないようですね。残念。
でも、作品の迸るようなイメージの連鎖は素晴らしいです。
「惑星ソラリス」も真っ青の幻想的で、刺激的で、知的な、
創造と想像の世界が時間の概念とともに言葉で紡ぎだされます。
こんなに裸の作品は初期の作品だからこそです。
生と死、聖と性、無機質と有機質、ナルシズムとアガペーなどなど、
すべての対比がイメージで語られていくような壮大な中編です。
言葉でこそ紡ぎだすことのできる映像美と世界観に
言葉の可能性を教えられました。






「にぎやかな未来」は星新一ばりの短編集です。
　タイトルになっている小説も他の小説と同じレベルで面白いです。
　筒井康隆の真骨頂である、エログロナンセンスと
　オバカな笑いを盛り込んだSFのショートショート集。
　軽い気持ちで、ビールを飲みながら楽しめますよ。




「家族八景」は七瀬という女性が主人公です。
　彼女は人の心を読むことができるんです。
　というか、人の考えていることが嫌でも自分の思考に入ってきてしまう。
　今で言う、「スペック」ですね。
　面白くない訳がないです。はい、メッチャ面白いです。
　人の心の汚さと美しさの両方を否応なく見てしまう七瀬の心の動き。
　もちろん、エッチなこともたくさん入って来てしまう。
　NHKでドラマ化されたときは、
　その辺は大部とカットされていたように感じました。

家族八景 (新潮文庫)

七瀬三部作の二作目です。
他のスペックホルダーが登場してますます面白くなってきます。

七瀬ふたたび (新潮文庫)

七瀬三部作の三作目です。
スペックホルダーはいつの日も追われてしまうんですね。

エディプスの恋人 (新潮文庫)