※この先、うつ病、パニック障害、強迫性障害、統合失調症などの
心(精神)の病を総称して「精神疾患」、
睡眠障害、生理不順、めまい、手足の冷え、
震え、ほてりなどの自律神経失調症に伴う症状を
総称して「不定愁訴」と呼びます。
うつ病は「心の風邪」と呼ばれます。
実際に心の風邪と呼ぶようになって、
それまで心療内科や精神科に抵抗があった人達が
気軽に行けるようになったそうです。
しかし、うつ病は「心の風邪」などではありません。
その他、パニック障害、強迫性障害、統合失調症などの精神疾患や、
頭痛、不眠、肩こり、その他様々な不定愁訴を含め、
全て「体」に問題があるために起こります。
心の病では生まれ持った性格、考え方、人間性などで
なりやすいとよく言いますが、
これも完全に間違いだと私は思います。
ポジティブで明るく社交的であれば心身の不調は感じず、
ネガティブで暗く協調性が無いから感じやすい
という考え方はあまりにも短絡的です。
ネガティブとは思慮深い、暗いとは落ち着いている、
協調性が無いとは自立心が強いともいいかえれます。
心身の不調、特に心の病を患っている方の多くは、
真面目で完璧主義な方が多いです。
そして現実の自分と理想の自分とのギャップに
苦しむが故に心を患います。
今の自分に満足している、又は完全に諦めている人は
心の病気を患いません。
理想と現実のギャップに苦しんでいる人は、
他人と自分を比べて劣等感を感じたり、
人の成功を妬んだり、逆に人の失敗を喜んだり、
様々な負の感情に支配されます。
そしてその様な自分に対して自己嫌悪に陥ります。
これはある意味人間として当たり前の感情だと思います。
犬猫でも嫉妬したりいじけたりします。
知能の高い人間ならなおさらです。
人は必ず陰と陽の2つの性格を持ち合わせています。
そしてその陰と陽は「健康状態」でどちらかが前面に出てきます。
健康な人はもちろん体調が良く、
体調が良ければ過度な不安や緊張を感じにくくなります。
自分に自信があるからです。
自信とは経験から積み重ねて得られるものと、
最初から備わっているものと2種類あります。
そして後者の自信こそ重要です。
最初から備わっている自信は「根拠のない自信」と呼ばれ、
これを持っている人は他人と自分を比べず、
失敗を恐れず、将来の不安を感じにくい人です。
良くも悪くもマイペースで個性的です。
逆にこの最初から備わっている
「根拠のない自信」を持っていない人は、
どんなに経験を積んでも常に不安を感じ、
いつまでも他人と比較して劣等感を感じます。
心身の悩み、特に心の病を「考え方」や「性格」と言っているうちは
いつまで経っても改善できないと思います。
心身の不調の原因は「体」に問題があるからです。
よって、認知行動療法やマインドセラピー、
その他心理的なアプローチを行う改善法は、
私からすれば順番が逆だと思っています。
まず最初に体の問題を改善し、
それから心理的なアプローチを行うべきだと思っています。
例えて言えば、極寒の中、裸の状態で震えている人に対して、
「寒いのは気のせいだから自分が今暖炉の前にいる姿を
想像して震えを止めろ!」
と言っているのと同じです。
裸の状態でどんなに心頭滅却しても寒いものは寒いのです。
震えを止めるためにまず為すべきことは服を着る事です。
温かい服を着れば自ずと震えは止まります。
そうすれば心に余裕が生まれ、
暖炉をイメージすればより暖かく感じる事もあるかもしれません。
体を変えずして心を変えようとするのは完全に間違いです。
逆を言えば、体が変われば自ずと心は変わります。
「健全な精神は健康な体に宿る」からです。
健康な人はマインドセラピーなど受けませんし、
啓発本なんかを読んで自分を奮い立たせたりもしません。
参考にする程度です。
自分と他人を比べないので、
自分なりの考え方というものが備わっております。
それに従い生きているので、
いちいち人の意見に左右されたり、
また人に否定されたからといって落ち込んだりもしません。
反省して学習して成長の糧とするだけです。
冒頭で「3歳児は心の不調を感じない」とありますが、
人間は生まれた時が最も健康な状態です。
言うなれば「新品」の状態です。
しかし成長する過程での生活習慣で
段々と「体の構造」が崩れていきます。
人の体は機械と同じです。
歯車が僅かでもズレれば本来の機能を発揮せず、
そしてその状態で使い続ければ故障の原因となります。
人も崩れた構造のまま過ごせば、
いつかは怪我や心身の病気を患います。
正直、3歳児でも既に崩れている子は見かけます。
しかし、それが表に現れるのはもう少し成長してからです。
現代では、小学生が肩こりや腰痛、頭痛、不眠などを訴えます。
集中力がなかったり、イライラしたり、
登校拒否を起こす子供が増えています。
私の改善法は一言で言えば「肉体改造」です。
肉体改造とは「生まれ持った本来の人間の体の構造に戻す」事です。
ジムなどで激しいトレーニングで
過剰な筋肉をつける様なものではありません。
筋肉を付ける為のトレーニングと、
体の構造を変化させるトレーニングは全くの別物です。
そしてこの2つを目的としたトレーニングは、
同時並行して行うことはできません。
また「構造を変える」為には自らが運動しなければ叶いません。
よって薬物療法、整体、鍼灸、気功、催眠療法など、
自らが体を動かさず、受け身のものはその場しのぎであり、
根本的解決には決してなりません。
他にも食事療法は大切ですが、
それだけに頼って改善を試みるのも十分ではありません。
最も重要なのは「運動」です。
よく○○という栄養が足りてない、
○○というホルモンの分泌が足りてない、
または気の流れが滞っているなど、
専門家は様々な事を言いますが、
ではそれらが何故不足したり滞っているのか?
という疑問が生まれます。
例えばある症状には○○という栄養が足りてないため起こる。
よって○○が多く含まれるりんごを毎日食べましょう!とあります。
では、健康な人皆が皆、毎日りんごを食べているでしょうか?
またはりんご以外に○○という栄養が
豊富に含まれている食材を常日頃から摂っているから
健康でいられるのでしょうか?
答えはノーです。
その症状が現れやすい体の構造に問題がある為です。
同じように暴飲暴食しても糖尿病になる人ならない人はいます。
タバコを吸っても肺がんにならない人、
逆にタバコを一本も吸わないのに肺がんになる人もいます。
ベジタリアンでも健康な人もいれば、不健康な人もいます。
肉食の人でも同様です。
世の中の心身の不調を感じている人が
もし100年前にタイムスリップしたら、
私はほとんどの人は1年以内に改善できると思っています。
100年前の生活を強制的にせざるおえない状況になれば、
否応無く日々の生活で体を動かします。
その動きが「人間が本来あるべき構造」に
自然と戻していきます。
昔の人は心身ともにタフでした。
現代人は軟弱です。
よく現代はストレス社会と言いますが、
昔の方がよっぽどストレスが大きかったと思います。
年金も保険その他社会保障もなく、
医療も発達しておらず、娯楽も少なく、治安も悪く、
人々の不安やストレスは現代とは比にならない程だったと思います。
しかし、そのストレスをストレスと感じないほどの
強い精神力が昔の人には備わっていたのだと思います。
現代人でもストレスに立ち向かう、
または逆境を楽しむような精神的に強い人がいます。
私は世の中が便利になればなるほど、
それに反比例して人の体は衰え退化すると思っています。
現代人の生活は、
意識せず生活していれば自然と体の構造が崩れる様になっています。
健康な人は単に生まれ持った体質で、
筋肉が衰えにくいというだけです。
そんな恵まれた人も歳を重ねるごとに次第に不調が現れてきます。
運動せずに健康でいられるのはせいぜい40歳ぐらいまでです。
しかし、現代の生活が衰えやすいのであれば、
定期的にその体の構造を崩す直接的原因となっている筋肉を、
日々、簡単なトレーニングで鍛えてあげれば良いだけです。
尚、ここでいう「鍛える」とは、
筋肉を強くする、大きくするという意味ではありません。
「しっかりと使ってあげる」という意味です。
昔のトイレは和式が当たり前でした。
和式で用をたす姿勢は
自然とお尻、太もも、ふくらはぎ、すねの筋肉を使っていました。
他にも炊事洗濯、外出の際の移動など、
日々の生活で当たり前のように体(筋肉)を使っていました。
今は衰えた体に合わせて更に便利で楽な物が生まれ、
そして更に体が衰えるという悪循環に陥っています。
(例)ほうき・ちりとり→掃除機→ルンバ
闇雲に運動しても無駄です。
定期的に鍛えるべき筋肉をピンポイントで鍛えてあげれば、
あとは現代の生活でも十分、大昔の人のような体に戻せます。
世の中には様々な種類の心身の不調があり、
それを治す為にも様々な種類の改善法があります。
そしてこの先ずっと、その種類は増え続けていくと思います。
しかし、1つの症状に対して
その部分だけにアプローチするやり方は、
「木を見て森を見ず」です。
結局はその場しのぎの完治であり、根治ではありません。
完治は再発の恐れがありますが、根治にはありません。
例えば肩こり一つとってみても、その凝った部分を
マッサージして血流を良くしたとして、
それは結局はその時だけのものです。
一時的なものであり、根治ではありません。
凝った肩の血流を良くするのではなく、
「肩が凝り、血流が悪くなる体全身の構造そのもの」に
原因を見出し、肩こりを直接的アプローチで治すのではなく、
「肩こりを起こす歪み崩れた体の構造を元の状態に戻す」
ことで、結果的に肩こりを改善しなくてはいけません。
これは肩こりだけに当てはまることではなく、
現代人が抱えるあらゆる心身の不調に言えます。
人間の体は長年の進化で健康的に生きられるように
しっかりと設計されています。
健康に生きられないのは、初期状態(生まれた時の体)から
大きく歪み崩れ、本来人間として備わっているはずの機能が
正しく機能していない為です。
不調の原因は精神論ではなく、
体の中の物理的要因によるものです。
私の改善法は、再発の恐れのない
根本的な改善を目指しております。
それは病院、その他の治療院では治らない
あらゆる心身の不調全てを対象としています。
そしてそれが叶うのは唯一1つだけです。
「生まれた時の本来あるべき体の構造に戻す」のみです。
その為には自らが体を動かす以外不可能です。
何故人間はうつ病、パニック障害、
自律神経失調症になるのか?
まず最初に、精神疾患、不定愁訴を患う方の
共通した見た目の特徴についてですが、
下記の特徴が複数見られます。
・顎が前に出ている、または上に上がっている。
(特にリラックスして椅子に座っている時)
・力を抜いて直立すると腰・お腹が前に出て
弓なりに反っている。またはハッキリとした猫背
・ほほ肉が本来あるべき位置より下に下がっている。
更に顔がむくみ、目の下にクマがある。
・口角が下がっている、または水平(たらこ唇)。
・実年齢より老けて見える。
・両腕が長く見える。
・お尻の肉が下に垂れ下がり、下っ腹が出いてる。
・重心が後ろに倒れている。
・歩いていると前後左右上下に揺れて重心が定まらない。
・О脚、またはがに股。
・直立した状態で「前にならえ!」をし、
ゆっくりと両手の親指を重ねた時、親指の長さが違う。
・滑舌が悪い、または声が通らず聞き取りずらい。
他多数
上記以外にも、これをご覧の方は体の歪みで現われる症状で
記載してある症状のうち、複数を患っていると思います。
上記の見た目が複数見られる方は、
精神疾患や不定愁訴が起る根本的な原因である、
脳幹という脳の一番奥にある、
体の原始的な機能を司る部位の機能障害を起こしています。
脳幹というのは、脳全体から見て最も中心に位置しており、
人間の「原始的な機能」を司っております。
脳幹は「視床(ししょう)」、「視床下部(ししょうかぶ)」、
「中脳(ちゅうのう)」、「延髄(えんずい)」、
「橋(きょう)」という5つの箇所に分かれております。
各部位は下記のような働きを司っております。
・視床下部
(内臓の機能の調整、血圧の制御、体温調整等、生命維持の中枢である
自律神経やホルモン分泌のコントロール)
・視床
(嗅覚「匂いの感覚」以外の全ての感覚を大脳に伝える中継点。
視覚、聴覚、空腹感や痛み等)
・中脳
(姿勢や歩行の調整。全身の筋肉の調整。瞳孔反射や
眼球運動など視覚神経の制御)
・橋
(小脳と同行して姿勢や歩行時などの骨格筋運動の調整)
・延髄
(呼吸、心拍、血管運動、唾液分泌、消化、声帯や
のどの筋肉運動の調整姿勢保持の反射運動等の調整)
上記の各部位の機能不全は、
密接に精神疾患や不定愁訴と関わっています。
視床下部の機能不全は、ホルモンバランスを乱します。
とりわけ「セロトニン」、「ドーパミン」、
「ノルアドレナリン」という3大神経伝達物質の分泌の乱れにより
様々な精神疾患を引き起こします。
代表的なものが「うつ病」です。セロトニンの分泌が減少、
または再取り込みが阻害されているという
理由で起こるといわれている病気です。
病院では上記の神経伝達物質の正常な分泌を改善する為に、
様々な抗うつ薬を処方されます。
抗うつ薬は同じ種類の薬であっても皆が皆、
全員に効くものではありません。
例えば「パキシル」という薬があります。
これがある人に効果があっても、
あなたにも効果が必ずあるというものではありません。
抗うつ薬は効果があらわれるのに
大体2〜3週間ほどかかります。
その間服用し続け、効果がなければまた別の薬へ変えると
いうことを繰り返します。
※安定剤や睡眠導入剤はあくまで症状を
一時的に緩和させるもので、
症状を改善するための薬ではありません。
仮に一時的に改善したとしてもそれは
根本的な改善にはなっていません。
いずれ再発します。
根本的な原因である「神経伝達物質」が
何故、正常に分泌されていないのか?
という問題が改善されていないからです。
ここで何故、脳幹が機能不全になるのかをご説明致します。
脳幹の一部(延髄)は頚椎の中を通っています。
具体的には第1頚椎、第2頚椎の中を通っています。
頚椎の本来の生理的な湾曲が浅くなるか、
深くなるかのどちらかになると、
その中を通っている脳幹が圧迫されます。
尚、精神疾患、不定愁訴を患う方の大多数は
湾曲が浅くなっています。
いわゆるストレートネックというものです。
ストレートネックとは病名ではありません。
よって、根本的な治療法は整形外科では定まっておりません。
上記の写真は極端な例ですが、正常な湾曲を失うと
脳幹への圧迫が生まれます。
頚椎の湾曲が浅くなるとあごが前にでます。
頭蓋骨(あご)が前にでる事で、頚椎の中を通っている
脳幹を圧迫することになります。
精神疾患や不定愁訴を患う方の見た目の特徴は、
ほぼ全ての方が、「あご」が前に出ている事です。
あごが自然と引けてなく、前に出ているか
更に上に上がっています。
あごが前に出ていると首の後ろ側を圧迫されます。
この圧迫が脳幹の機能不全を招き、各部位の機能を低下させて、
身体にありとあらゆる精神疾患、不定愁訴を生み出します。
朝起きれなかったり、一日中憂鬱になる、
不安感、恐怖感、絶望感、怒り、妬み、嫉妬、
イライラ、自信喪失、のどの圧迫感、異物感、
冬の異常な寒さ、夏の異常な暑さ、のどの渇き、
不眠、夜中の尿意、頭痛、めまい、耳鳴り、じんましん…
(※個人差がありますので、症状は人それぞれです。)
整体やカイロプラクティックでは
頚椎(第1、第2頚椎)の歪みを
物理的に取り除くことで脳幹への圧迫をなくします。
しかし、頚椎の誤った湾曲(歪み)のみを
アプローチしても根本的な改善には結びつきません。
頚椎の歪みをもたらす根本的な原因を
改善しなくてはなりません。
頚椎は胸椎、腰椎に繋がっています。
3つ合わせて脊柱(背骨)といいます。
脊柱は骨盤と繋がっています。
この一番下にある骨盤の歪みを改善しなくては、
一番上にある頚椎の歪みを取り除くことはできません。
強いてはその中を通っている脳幹の圧迫を取り除き、
脳幹の機能を正常化させることはできません。
自身の骨盤がどのように歪んでいるのかを
まずは知って下さい。
自分の体の歪みをチェックする方法
まず骨盤の歪みのチェック方法です。
はじめに下のAとBの運動テストを行って下さい。
A.和式トイレで用をたす時のように、
足裏を全て床につけた状態でしゃがみます。
この時、両足は左右ピッタリとつけて、
両腕で両足を抱きこみます。
この状態を30秒間キープして下さい。
B.かかと、お尻、肩甲骨、頭の4点を壁につけた状態で、
片足を床と垂直になるように上げ、
その上げた脚の太ももの下で手を繋ぎます。
完全にがっちり繋がなくとも、指が繋がれば十分です。
これを5秒間繋いでキープして下さい。
この一連の動作を左右交互に10回ずつ、計20回行います。
まずAのテストに関してですが、
これは骨盤の前後の歪みを調べるものです。
この状態を意識せず楽にキープできる方は、
骨盤が正しい位置にあることをあらわしています。
(※しかし左右に歪みがある場合は、骨盤後傾となります。)
尚、ここでいう「骨盤の正しい位置」とは、
骨盤が前に30度前傾している位置をいいます。
この位置を「骨盤が立位している」と言います。
Aの運動を行い、後ろ側に重心が移ってしまう方がいます。
キープするどころかこの姿勢をとることさえできずに、
尻餅をついてしまう方がいらっしゃると思います。
尚、小さな子供はほぼ全員がこの姿勢のキープを楽に行えます。
なぜなら人間は皆、骨盤が立位した状態で生まれてくるからです。
性別、人種など関係ありません。子供の頃の体型は皆同じです。
次にBのテストに関してですが、
こちらは骨盤を立位状態へキープする為に
常に働いているある筋肉の筋力を測る為のテストです。
計20回楽に行えて当たり前です。できなかった方、
またはできたとしても辛かった方は
筋力が低下している(衰えている)ことをあらわします。
それでは2つの運動テストの結果ですが、
まず@「AとB両方できなかった方」は骨盤前傾です。
※骨盤立位状態(前に30度傾いた状態)よりも
更に前に前傾している。
次にA「Aはできたが、Bができなかった方」は骨盤後傾です。
最後にB「AとB両方できた方」は骨盤が
立位状態(正しい位置)にあります。
このテストで測っているある筋肉というのが、
精神疾患、不定愁訴改善において最も重要視されている、
大腰筋(だいようきん)という筋肉です。
この大腰筋という筋肉は内臓よりも更に奥に位置し、
太ももの付け根から脊柱に繋がっている
いわゆるインナーマッスルと呼ばれるものです。
インナーマッスルの中では最も大きな筋肉で、
牛や豚では「ヒレ肉」と呼ばれる部位です。
この筋肉の役割は主に3つです。
1.股関節を屈曲させる。
2.骨盤を前傾させる。
3.腰椎を斜め前方に引き下げ脊柱のS字型を維持する。
以上の3つです。
1つ目は人が歩く際、太ももを上に引き上げる動作に使われます。
2つ目は骨盤を立位状態へキープさせるのに使われます。
3つ目は脊柱(背骨)に正しいS字カーブを作らせるのに
使われます。
この大腰筋という筋肉は、脚を体の後ろ側に伸ばした状態や、
屈伸(スクワット等)した状態で使われます。
しかし現代の生活で、脚を後ろ側に伸ばしたり
屈伸する動作は少なく、
意識して使わない限り次第に衰え弱っていきます。
以前まで大腰筋は30歳を境に一気に衰えるといわれていましたが、
現代では10代の頃から弱り始めています。
大腰筋が弱る最大の要因は「背もたれの椅子に座る」事です。
背もたれの椅子に浅く座ると
骨盤は後傾した位置をキープすることになります。
この状態を長時間キープし続けることで、
大腰筋が常に伸ばされ続けることになります。
結果、弾力性を失い衰え伸び切った状態となります。
小さな子供が段々と姿勢が悪くなり始めるのは
大体小学生になってからです。
小学校に上がって背もたれの椅子に長時間座り始め、
1日のうちでこれまでの生活に比べて
デスクワークの時間が一気に増えてくることで、
骨盤が歪み(大腰筋が衰え)が加速します。
合わせて運動不足が大腰筋の衰えに拍車をかけます。
前述しましたが、大腰筋はある程度意識しなければ動きません。
生まれた時の大腰筋の筋力を100とすると、年齢と共に
その数字は減少していきます。
その数字の減り方がデスクワークにより
一気に加速していきます。よって、
意識して数字(筋力)を100に戻してあげれば
骨盤はまた立位状態に戻るのです。
尚、骨盤を正しい位置(立位状態)へキープさせる筋肉は
大腰筋以外にも様々あります。
「大殿筋」・「小殿筋」・「中殿筋」・「梨状筋」・
「脊柱起立筋」・「腸骨筋」・「大腿直筋」・
「腹直筋」・「腹横筋」・「外腹斜筋」等です。
(※他にもありますがここでは割愛させて頂きます。)
上記の筋肉が衰えることで骨盤は歪みます。
しかし、それは大腰筋がきちんと機能していれば
上記の全ての筋肉は衰えることはありません。
言い換えれば、大腰筋さえ正しく機能していればその他の筋肉も
正しく機能するということです。
つまり、大腰筋の衰えが骨盤を歪ませ、それに繋がる
脊柱(腰椎、胸椎、頚椎)の生理的なS字カーブを歪ませ、
頚椎の中を通っている脳幹を圧迫し、脳幹の機能不全によって
精神疾患、不定愁訴を生み出しているのです。
次に肩甲骨の歪みのチェック方法です。
尚、骨盤が正しい位置にある方は肩甲骨のみに
問題があるという事になります。
肩甲骨が正しい位置にあるかどうかも
見た目で確認することができます。
直立した状態、または椅子に座った状態で
全身の力を抜いてみて下さい。
この時、顎が「前に出てる」、または「上に上がってる」場合は、
肩甲骨が本来あるべき位置よりも外側に広がっています。
特に椅子にリラックスして座っている時、
下のような姿勢になってしまう方は、
肩甲骨が正常な位置から大きく外に開いてしまっています。
特に若い方である程度全身の筋力のある方は、
上の画像のように極端にはなりませんが、
それでも顎がしっかり内に引けず、前に出るか上に上がります。
本来、力を抜いた状態(自然体)では、
顎は内側に引けていなければなりません。
顎が前に出ている、上がっている方は、
首がストレートネックとなっており、
頸椎の中を通っている脳幹が圧迫され続けています。
また、頸椎の側を通る血管、神経も一緒に圧迫されるために、
脳への血流が悪くなり、物忘れが激しく、物覚えも悪くなります。
認知症を患う方は、例外なくストレートネックになっております。
ストレートネックとは頸椎の湾曲が見られず、
頸椎がまっすぐになっている状態を指します。
よって、お年寄りは一見すると首が斜めになっていて、
ストレートネックではないように見られますが、
ただそれは単に腰や背中が曲がって、
首猫背になっているだけです。
ストレートネックかどうかは、
顎が内側に引けているかどうかで判断します。
顎が前にでている、または顎が上に上がっている人は
皆、ストレートネックという事になります。
(直立時に一見顎が内に引けていても、椅子に座って
全身の力を抜くと顎が前に出たり上に上がります。)
そして、精神疾患・不定愁訴を患う方は皆例外なく全員、
頸椎が湾曲を失ったストレートネックとなっています。
更に精神疾患、不定愁訴に悩まれている方には、
全身の筋力が衰えている方も多く、
まっすぐ背筋を伸ばして直立することができない方が多いです。
このような方はかなり重症で、辛い症状を訴えられます。
左が衰えている方で、右が正常な筋力のある方です。
背筋の伸びた正しい姿勢=正常な筋力のある方というのは、
本来使われるべき筋肉を使って姿勢を保ち、体を支えています。
この姿勢を保つために本来使われる筋肉というのは、
「抗重力筋」と呼ばれ、重力に抗い姿勢を保つ筋肉です。
(※一番上の「胸鎖乳突筋」ですが、
本来は首の「頸部屈筋」、「頸部伸筋」という筋肉が
抗重力筋なのですが、以降は「胸鎖乳突筋」を
抗重力筋としてご説明いたします。)
上記の筋肉が抗重力筋です。体が歪むと特に
体の前側(主に腹筋群)の抗重力筋が使われなくなります。
よって、体の後ろ側ばかりで身体を支えることになるため、
肩こり、首こり、背中の痛み、腰痛を患うことになります。
そして見た目も体の前側の筋肉が衰えますので、
女性だと、胸の位置が下がって垂れてしまい、
男性だと下っ腹が出てしまいます。
また、首筋にある「胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)」
という筋肉は、耳裏から鎖骨にかけて首を支える筋肉ですが、
喉周辺の筋肉と繋がっているため、この筋肉の衰えが原因で
喉の異物感、圧迫感、また食道やみぞおち辺りの違和感など、
声が出しずらい、呼吸がしずらい、
物を飲み込みずらい症状を生みます。
精神疾患を患う方は、大体喉の症状や肩こり、首こり、腰痛なども
一緒に患っているケースが多く見られます。
この抗重力筋は体の歪みを全て取り除くと、
途端にこの筋肉によって体を支え始めます。
最初の頃はとても体がだるく、重く、倦怠感を感じます。
それは長年まともに使われておらず、
完全に衰えきってしまっているからです。
宇宙飛行士が宇宙から地球に戻ってくると、
まともに歩くこともままならなくなります。
それは無重力の宇宙で長期間過ごすことで、
この抗重力筋が衰えてしまったからです。
宇宙船でどんなにトレーニングをしても、抗重力筋は
「重力」がないとしっかりと使われません。
よって、地球に戻ってきてしばらくは倦怠感と闘いながら
ウォーキングやスロージョギングでこの抗重力筋を鍛えるそうです。
現在、体を歪ませている方は、
この抗重力筋が正しく使われておりません。
体から歪みを取り除かない限りは日常生活で
きちんと正しく使われることはありません。
歪んだ体でどんなにジムなどで機械を使って
激しいトレーニングを行っても、
また健康的なスポーツで身体を鍛えても、
体が歪んでいる限り、
その「歪んだ体」に合わせた筋肉が付くだけで、
いびつで不自然な体となります。
話は戻りますが、AとBの運動テストで骨盤に問題なくとも、
肩甲骨が定位置から大きく外側に広がっていると、
精神疾患や不定愁訴の症状が現われます。
(※骨盤が歪んでいる方は必ず肩甲骨も歪んでおります。)
大腰筋を鍛え、骨盤を立位させたとしても、
精神疾患、不定愁訴を改善させるには、
今度は肩甲骨を元の位置に戻さなければなりません。
頚椎には直接、肩甲挙筋(けんこうきょきん)という
インナーマッスルが肩甲骨に繋がっています。
よって、頚椎が誤ったカーブを描くことで、
それに繋がる肩甲挙筋が引っ張られ、
肩甲骨の左上方を引き上げます。
これにより肩甲骨は本来あるべき位置から
時計回りに回り、下がります(下方回旋)。
結果、両肩甲骨の内側に繋がっている菱形筋(りょうけいきん)
というインナーマッスルも硬く縮みます。
写真の左側が、肩甲骨が上方回旋(反時計回りに回る)したもので、
右側が下方回旋(時計回りに回る)したものです。
肩甲骨が下方回旋するということは、肩甲骨に繋がる
「僧帽筋(そうぼうきん)上部」、
「前鋸筋(ぜんきょきん)」という
2つの筋肉が衰え伸びきっていることをあらわします。
そして上記の2つの筋肉に反して、「肩甲挙筋」、「菱形筋」という
2つのインナーマッスルが硬く緊張し、縮んでいます。
僧帽筋上部という筋肉は
腕を頭よりも上に持ち上げることで使われます。
腕を頭よりも上に上げることで、肩甲骨が上に持ち上がるからです。
前鋸筋という筋肉は、腕を「前にならえ!」のように
前にめいいっぱい出すことで使われます。
上記の2つの動作は日常生活ではあまり行われない動作です。
よって次第にこの2つの筋肉は衰え弱ります。
また、肩甲骨の下方回旋は背中を丸めることで簡単に行われます。
肩甲挙筋と菱形筋は肩甲骨が下方回旋し続ける(背中を丸め続ける)
ことで常に縮み続け、硬く緊張します。
背中を丸めるというのはいわゆる「猫背」です。
主な原因は長年の骨盤の歪みによるものです。
骨盤が後傾、または前傾しすぎた状態になると、それに繋がる
脊骨(頚椎、胸椎、腰椎)も同じように歪みます。
正しいS字のカーブが描けず、誤ったカーブを描きます。
骨盤の歪みにより肩甲骨が下方回旋した位置をキープすることと、
僧帽筋上部、前鋸筋の衰えという2つの原因により、
肩甲骨が慢性的に下方回旋してしまいます。
肩甲骨が下方回旋した状態をキープされ続けている限り、
「肩甲挙筋」、「菱形筋」は硬く緊張し続けます。
肩甲骨が誤った位置をキープし続ける限り、
頚椎と繋がっている肩甲挙筋が頚椎を引っ張り続け、
頚椎の生理的な湾曲を歪ませ続けます。
尚、肩甲骨が下方回旋するというのは
つまり「なで肩」になるということです。
小さな子供は骨盤が歪んでおらず、肩甲骨も
正しい位置をキープしているため、皆肩が水平です。
※尚、一見いかり肩に見えても骨盤が歪んでいる方は
精神疾患、不定愁訴になる可能性があります。
骨盤が垂直に立っていると、肩は一見するといかり肩に見えますが、
それは本来あるべき位置に肩甲骨はない、誤ったいかり肩です。
肩甲骨が本来の位置にあるということは、
逆を言えば骨盤もまた本来の位置にあるということです。
本来の位置にあるということは、
本来使われるべき筋肉が使われているということです。
小さな子供が精神疾患、不定愁訴を患わないのと同様、
本来の正しい体へ戻れば精神疾患、不定愁訴は患いません。
尚、骨盤が歪んでいれば肩甲骨も必ず歪みます。
かといって骨盤を矯正しても
肩甲骨も一緒に定位置へ自然と戻りません。
どちらか一方にアプローチするのではなく、
両方の歪みを改善することが
精神疾患、不定愁訴の正しい改善法です。
つまり、両方の歪みを生み出している衰えた筋肉、
大腰筋、僧帽筋上部、前鋸筋の3つを正しいトレーニング法で
鍛えてあげればよいのです。
体の歪みで現れる症状
精神疾患、不定愁訴の方は、
以下の症状を患っていることが多いです。
【症状・特徴】
・肩こり、首こり、背中の痛み、腰痛、
(↑全て夕方頃、痛みがピーク)
胸と肩の間の痛み(胸郭出口症候群)、坐骨神経痛、側弯症、
頭痛、耳鳴り、めまい、じんましん、手の痺れ、手の震え、
のどの異物感/圧迫感、胸焼け、話しづらさ、呼吸困難、嚥下困難、
鼻通りの悪さ、口呼吸、味覚障害、
左右の目の高さ/耳の高さの違い、
口角が下がる、たらこ唇、唇の荒れ、
舌苔(舌に白っぽい苔が付く)、口内炎、肌荒れ、顔のむくみ、
まぶたのむくみ、目の下のくま、
アトピー性皮膚炎、アレルギー各種、
ほうれい線が深い、目じりのしわが多い
髪が外に広がる/浮く(特に前髪、横側)、髪質の悪さ、
顎関節症、噛み合わせの悪さ、虫歯が多い、二の腕のたるみ、
猫背、なで肩、巻き肩(肩が体の内側へ入る)、
下半身太り、外反母趾、O脚、膝関節痛、
不眠(寝入りの悪さ/睡眠の質の悪さ)、便秘、軟便、
手足の冷え、生理不順、汗かき、ほてり、靴ずれ、
口臭、体臭、足の臭い、加齢臭、
物覚えの悪さ、物忘れの激しさ、集中力の低下、やる気のなさ、
夏の異常な暑さ、冬の異常な寒さ、
高血圧、糖尿病(2型)、痛風、肝臓・腎臓疾患、
不安感、絶望感、焦燥感、些細な事でのイライラ、
感情の起伏が激しい、気持ちの切り替えができない、
朝起きるのが辛い、過食症、拒食症、依存症、あがり症、赤面症、
対人恐怖症、過度の嫉妬・妬み、
強迫概念(確認、潔癖等)、幻聴、幻覚…
体を歪ますという事は、筋肉や骨、内臓(脳を含む)、神経、血管が
本来あるべき位置とは違う位置にあるという事です。
よく骨が歪むといいますが、骨は短期間では変形しません。
体のどこかの筋肉の衰えが原因で、それに拮抗する筋肉が
逆に固く縮み、引っ張られたり圧迫されたりします。
この状態が長期間続くと、少しずつ骨を変形させてしまいます。
脊柱側弯症は背骨が本来のS字から大きく変形している状態です。
これは、長期間背骨の下に位置する骨盤と、上側にある
肩甲骨があるべき位置にない状態(歪み)によって、
繋がる背骨を変形させたことになります。
※正確には肩甲骨は背骨に繋がっていません。
身体の症状はもちろん、精神的な症状も多々現われます。
よくうつ病、パニック障害、強迫性障害など、精神疾患には
いくつかの病名がありますが、これらは現われる
症状に違いがあれど、原因は全て同じです。
そして、パニック障害と診断されたから、ただ電車などに乗ると
発作を起こすだけの症状に悩まされているか?というと
そうではないはずです。
必ず日常で不安感や恐怖感、絶望感、またはそれとは逆に
イライラ、怒り、妬みといった負の感情を
持ち合わせているはずです。
そしてそれらの感情はパニック障害になる前から
大なり小なり存在していたはずです。
それに伴い、様々な身体の症状にも悩まされているはずです。
その一つ一つを別に考え、それぞれに対処していたのでは
いつまで経っても根本的な根治はのぞめません。
根本的な原因は全て同じです。その根っこの原因を取り除けば、
表に出ている様々な症状は改善できます。
テレビなどでよく、
「○○を毎日食べればこの症状に効く!」、
「○○という運動をすればこの症状に効く!」、
「○○というツボを刺激すればこの症状に効く!」
と紹介していますが、
間違いではありません。しかし正解でもありません。
何かを一つすれば健康になれるほど人の体は単純ではありません。
それは、例えば「江戸時代を勉強すれば高校受験に合格できる!」
といっている事と同じです。
確かに江戸時代から2,3問は必ず問題は出題されます。
しかし、日本史は江戸時代だけではありません。
また、社会は他にも世界史、地理、公民などあります。
そもそも、社会以外にも4科目あります。
江戸時代を勉強すれば合格できるというのは間違いではありません。
しかし、それだけ勉強すれば合格できるものではありません。
何か一つをすれば健康になれるほど人の体は単純ではありません。
それで改善できた人は、それ以外がきちんとできていた
という事であり、万人が改善をのぞめるというものではありません。
ただ、表に現れる様々な症状の根本原因は「体の歪み」です。
具体的には骨盤、肩甲骨の歪みです。
そして、それらを歪ませているのは
「大腰筋」、「僧帽筋上部」、「前鋸筋」という3つの筋肉の衰えです。
これらの筋肉をトレーニングで鍛え、正常な筋力に戻してあげれば
自然と骨盤、肩甲骨は本来あるべき位置に戻ろうとします。
そうすると、体全身の骨や筋肉、内臓は
あるべき位置に戻ろうとします。
体の全てが本来あるべき位置に戻れば、
本来の能力を発揮します。
例えば体を歪ませている方の大半が患う症状の一つに、
「喉や胸の違和感、圧迫感」、「喋りづらさ」があります。
ちなみにこの喉の症状は、内科、耳鼻咽喉科では、
「咽喉等異常感症」と呼ばれ、
心療内科、精神科では「ヒステリー球」と呼ばれ、
東洋医学では「梅核気」と呼ばれます。
紀元前3000年前のエジプトでも、
特に女性が多く患っていたといわれる症状です。
この症状の直接的な原因は「胸鎖乳突筋」という、
耳裏から鎖骨にかけての筋肉です。
この筋肉は奥の喉の筋肉と繋がっている為、
この筋肉が衰え、凝り固まると、
一緒に喉や胸の奥の筋肉も凝り固まります。
この筋肉は精神状態に大きく左右すると言われる筋肉で、
精神疾患や不定愁訴を患っている方のほとんどは、
この筋肉が大なり小なり固くなっています。
この筋肉の側に太い血管・神経が通っている為、
精神状態に深く関わると言われています。
喉の違和感・圧迫感などの症状は、いわゆる筋肉のコリです。
この喉の筋肉のコリを取り除くには、
胸鎖乳突筋のコリを取り除かなければなりません。
その為にはこの胸鎖乳突筋と釣り合いをとっている(拮抗筋)、
首から背中にかけて広がる「僧帽筋」の衰えを
改善しなくてはいけません。
僧帽筋の衰えを改善するためには、
骨盤と肩甲骨を元の位置に戻し、
僧帽筋が日常生活できちんと使える状態に
しなければなりません。
骨盤、肩甲骨が歪むと肩甲挙筋と菱形筋が固く縮みます。
そうなると僧帽筋は日常生活で使われなくなり、
次第に衰え弱っていきます。するとそれに拮抗する
胸鎖乳突筋は後ろに引っ張られ、固く縮んでしまいます。
このように一つの症状の原因を改善するためには、
それに関わるあらゆる事にアプローチしなくてはいけません。
「木を見て森を見ず」です。部分的に症状を見ていたのでは、
いつまでたっても根本原因は取り除けません。
全体を見なくてはいけません。
喉の違和感の原因は「胸鎖乳突筋のコリ」だと分かっても、
それならこの筋肉をマッサージや鍼灸で柔らかくすれば、
それで改善できるというほど単純なものではありません。
また歪みを取り除く為、衰えた筋肉を鍛えることと並行して、
常識的な食事や日常の姿勢を正し、
新たな歪みを作らないよう意識しなくてはいけません。
トレーニングだけを行えば、暴飲暴食してもよく、
家でソファーやベットに横になりながらテレビを見たり、
スマホをしたりしても構わないというものではありません。
生活習慣を正しながら、衰えた筋肉をピンポイントで鍛えることで
体の歪みは徐々に取り除け、健康な体へと変化します。
人間にとって、筋肉・骨・内臓・血管や神経などが
本来あるべき位置にないという状態は、
機械で言えば各部品がズレているという事です。
歯車がズレてうまく噛み合っていなければ、
その機械は本来の能力を発揮するでしょうか?
また歯車がズレている状態で使い続け、
長く正常に機能してくれるでしょうか?
いずれ故障し、機能しなくなるはずです。
人の体も同じです。体を歪ませ、あるべき位置にない状態で
生活し続ければいずれ様々な心身の症状が現われます。
はっきりとした怪我や病気にならずとも、肩こりや頭痛、不眠などの
病院では改善できない不定愁訴に悩まされます。
そしてその症状は歳を重ねる毎に少しずつ悪化していきます。
筋力の衰えは老化と共に顕著となり、それに比例して
体の歪みが大きくなり、悩みの症状も悪化していきます。
人間も機械も一緒で、体の歪み(ズレ)を正せば
正しく機能します。そして不快な症状は現われません。
人間に限らず、生き物は長い進化によって、
本来健康的に生きていけるよう設計されています。
健康的に生きれないのは、
長期間、誤った生活習慣によって、
体を歪ませたからです。
※上記の症状はあくまで病院で検査をし、具体的な病名が診断されず、
治療を受け続けても治らない方の場合です。
例えば「背中の痛み」の場合、肝臓を悪くすると
背中に痛みを感じることがあります。
整体等で体の歪みは取れない理由
これまで体の歪みを取り除くと何度も申し上げておりますが、
皆さん、体の歪みと聞くとまず「整体院」、「整骨院」、
「カイロプラクティック」等を思い浮かべると思います。
結論から申し上げると、
上記では歪み全てを取り除くことは不可能です。
まず体の歪みとは、いわゆる筋肉の歪みです。
骨盤と肩甲骨を歪ませる大腰筋、僧帽筋上部、前鋸筋という
3つの筋肉の衰えにより、
身体全身に複雑な筋肉の歪みを生みます。
この「全身の複雑な筋肉の歪み」とは、
体の内側であるインナーマッスルの事です。
インナーマッスルとは骨に隣接した筋肉で、
外側から目では見れません。
このインナーマッスルの歪みが
精神疾患や不定愁訴の原因となります。
インナーマッスルが歪んでいるという事は、骨盤、肩甲骨が
本来あるべき位置にないという事です。
よって、骨盤・肩甲骨が歪んでいる=インナーマッスルが
歪んでいるという事です。
このインナーマッスルの歪みとは、何層にも重なっております。
何層にも歪みの層があり、歪みのひどい人ほど
その層の数は多く重なっています。
また、歪みの層は奥へ行けば行くほど強くなります。
よって、表の一層を取り除いても一番奥の歪みを
取り除かない限り、また時間とともに取り除いた
表の歪みの層は元に戻ります。
整体、整骨院、カイロプラクティックなどは
この表面の1層のみしか取り除くことはできません。
まず歪みを取り除くとは、衰えた大腰筋、僧帽筋上部、前鋸筋を
鍛え、正常な筋力に戻すことでしか実現しません。
筋肉を鍛えるとは自身が身体を動かす、
または静止した状態(アイソメトリックス運動)で
体に負荷をかけなければ鍛えることはできません。
整体等へ行かれた方はご存知だと思いますが、
ベットに横になり、マッサージを受けたり、手業や機械で
骨や筋肉を圧迫して物理的に位置を変えたとしても、
そのような変化は長くは持ちません。
衰えた筋力はそのままだからです。
その時は症状が改善され気持ちよくても、
早ければ家に帰り着く頃には元の状態に戻ります。
マッサージで凝った筋肉をほぐして血行を良くしたとしても、
それは一時しのぎに過ぎず、原因の解決にはなっていません。
筋肉が凝るとは固く縮んでいる状態です。固く縮む原因は、
それに拮抗する(釣り合いをとっている)筋肉が
衰え伸びきっているからです。
この衰え伸びきっている筋肉が大腰筋、僧帽筋上部、前鋸筋です。
この3つの筋肉を鍛え、元の筋力に戻してあげない限り、
固く縮み凝っている筋肉をどんなにほぐしても
本末転倒となります。
整体などは「固く縮み緊張した筋肉」をほぐす為に様々な
アプローチを行いますが、そのアプローチの方向性そのものが
完全に間違っています。
固くなった筋肉をほぐすのではなく、
その筋肉が固く縮んでしまっている原因となっている
「衰え弱り、柔らかく伸びきっている筋肉」を鍛え、
本来生まれ持った筋力に戻してあげなければなりません。
鍛える為には、自らが運動により筋肉に負荷を与えなければ
筋力は上がりません。
決してベットに横になり、手業や機械でいろいろと
マッサージされても意味はありません。
体調が良くなるのはその時、短期間だけです。
通うのを止めればすぐに元の状態に戻ります。
よって整体などは、言葉悪く言えば「垢すり」と同じです。
その場で全身の垢を取り除きスッキリしても、
3日も経てばまた新たな垢は産まれます。
体の歪みを取り除くには、
『自身が運動により筋肉に負荷をかけて鍛え』、
正常な筋力に戻すほかありません。
私の改善法は薬物療法、認知行動療法、整体、
カイロプラクティック、鍼灸、催眠療法などのように
「自らが運動により筋肉を鍛えない」改善法を、
根治という点では真っ向から全否定するものです。
世界保健機関(WHO)は、2015年にうつ病に苦しむ人が世界に
推計3億2200万人に上ったと発表しました。
全人口の4%に当たり、10年間で18%増加しました。
日本では2008年時点で100万人以上
うつ病患者がいるとされますが、
ただ実際は300万人はいると推定されています。
サラリーマンの8割はうつ病予備軍とされておりますので、
うつ病、うつ病予備軍、その他精神疾患者を全て含めれば、
更に数倍の人が悩まされていると推察されます。
年々医学は進歩しているはずなのに、
新たに様々な薬や治療法が世に出ているはずなのに、
現実ではこのような精神疾患や不定愁訴で苦しむ人は、
減るどころか右肩上がりで年々増えていっています。
これは病院、その他整体、鍼灸などの現在世に出回る
あらゆる治療法では、精神疾患や不定愁訴を根本的に
万人が改善する術がないという事だと思います。
結局のところ、自分の体の不具合を改善する為には、
自らが衰えた筋肉を正常な筋力に戻し、
自らで改善させる以外手段がないという事です。
決して受け身の治療では根治は叶わないという事です。
また、例えばうつ病という病気ですが、
初発した患者さんの再発症率は60%と言われています。
更に2度目の場合、3度目を再発する可能性は75%、
3度目の場合、4度目を再発する可能性は
90%と言われております。
これはうつ病に限らず、パニック障害やその他精神疾患、
また不定愁訴、各種依存症等でも同じことが言えます。
病院や整体、鍼灸などで完治させたとしても、
その後再発する人のほうが多いと言えます。
仮に再発しないとしても、もうこの先の人生で、
強いストレスを受けるような環境で仕事、また生活をする事は
ほとんど不可能だといえます。
例えばうつ病を患っていた方が、薬物療法や認知行動療法などで、
数年かけて症状を改善され、完治させたとします。
しかし、その症状を完治できたのはあくまで
「ストレスの少ない、または全くない環境」だからです。
病院や自宅など、自分に優しくしてくれる人達の
支えがあったからです。
それではその完治された方が、
社会復帰されて会社勤めを始めたとします。
会社はあなたが精神疾患を患っていたという事を考慮してくれず、
他の人同様に仕事へのプレッシャーをかけてきたとします。
たぶん、短期間でまたうつ病を再発すると思います。
世の中は皆が皆、あなたにとって優しい人ばかりではありません。
特に仕事となると、情け容赦ない人はいくらでもいます。
よって完治後も再発しないようなるべくストレスの少ない環境で、
ストレスを受けないよう、ストレスをため込まないよう、
常に配慮し続けなければなりません。
しかし、それが間違っているとは言いません。
なるべくストレスから離れて生活できるのであれば、
それにこしたことはなく、その生活に幸せを感じられるのであれば、
それで十分充実した人生だと思います。
しかし、経済的な事情でしっかりと働いて
お金を稼がなければならない場合、
余程特別な資格なり特技がなければ、
外働きで不特定多数の人間と一緒に仕事をしなければなりません。
仕事のストレス、人間関係のストレス、生活のストレスなど、
この先ずっとストレスから逃げ続けることはできません。
ストレスから逃げれば逃げるほど、
人生の選択肢がどんどん狭まっていきます。
「完治」とはあくまで症状が表に出ないようにする事です。
しかし、「根治」とは
症状の根本的な原因を完全に消し去ることです。
洗面台を思い浮かべてください。
蛇口から水が大量に出ています。
もし排水管に髪の毛が詰まっていれば、水はきちんと流れず、
どんどん洗面台に水が溜まっていきます。
そしていつか洗面台から水があふれてしまいます。
この水があふれた状態が、精神疾患や不定愁訴を患う状態です。
完治とは洗面台から水があふれないよう、
コップやバケツなどで水を他所に移し替える事です。
それと並行して、蛇口から出る水(ストレス)を減らす事です。
根治とは、排水管に詰まった髪の毛を取り除き、
蛇口から出た水がきちんと排水口から流れ、
そもそも洗面台に水が溜まらないようにする事です。
完治も根治も洗面台から水が溢れないようにする事が目的ですが、
完治だと、溜まった水を移し替え続けなければならず、
また、蛇口から出る水(ストレス)が増えれば、
移し替える作業が追い付かず、直ぐにまた溢れます。
しかし、根治ならば洗面台に水がたまる根本原因の
「排水管のつまり」を改善しているので、
いちいち水を移し替えたりする必要もなく、
蛇口から水(ストレス)がそれなりの量流れても、
全て排水口から流れていき、洗面台に水が溢れる事はありません。
どんなに薬物療法や認知行動療法、整体や鍼灸などで
様々な改善を試みても、それは所詮「完治」です。
「根治」を目指すのであれば、精神疾患、不定愁訴の根本原因である、
体の歪みを作る大腰筋、僧帽筋上部、前鋸筋を、
自らが運動することで鍛え、
生まれ持った筋力に戻さなければなりません。
そして生まれ持った筋力に戻し、
一旦体から歪みを取り除いてしまえば、
今度はそう易々とは体は歪みません。
よって、根治の場合は一度治った精神疾患や不定愁訴が
再発する可能性はありません。
改善後も3つの筋肉を週に1度ぐらいのペースで鍛えれば、
歪ませない予防となり、
常に歪みのないベストコンディションで日々を送ることができます。
とりあえず現在悩まれている症状を消して、
再発に怯えながらストレスから逃げ続ける人生と、
ストレスに負けない体へと変えて、
強いストレスに立ち向かい、自分のやりたい事に挑戦する人生と、
あなたはどちらを選びますか?
体を歪ませる原因
まず、人は産まれた時は一切体に歪みはありません。
よって、人種、性別問わず、赤ちゃんは皆同じ体型をしています。
それが、成長するに伴い段々と体を歪ませていきます。
早ければ5歳頃には既に平背でストレートネックになっています。
小学校高学年頃にはもう、歪ませていない子供の方が少数派です。
そして大人になり、20代、30代、40代と老化と共に、
体の歪みは顕著となっていきます。
それでは、何が原因で体が歪むのでしょうか?
その原因は「運動」、「食事」、「姿勢」の3つです。
その中でも最も重要なのが「姿勢」です。
姿勢というと、よく「背筋を伸ばして!」、「顎を引いて!」、
「つむじ辺りを上から糸で引っ張られている感じで!」など、
姿勢を意識することを言われます。
まずこの、「姿勢を意識して作る」というのが根本的に間違いです。
姿勢を意識して作っている時点で
それは既に正しい姿勢ではありません。
そして、良い姿勢を普段から作って過ごしたとしても、
姿勢が改善されることはありません。
むしろ、筋肉を不自然に伸ばすことで体調を悪化させます。
正しい姿勢に変える為には、「正しい姿勢を意識する」ことでなく、
「悪い姿勢をしないよう心掛ける」ことが重要です。
悪い姿勢を普段からしなければ、時間はかかりますが、
それだけで段々と体の歪みは取り除かれていきます。
ここでいう悪い姿勢とは主に、「座っている時の姿勢」です。
あとは「就寝時の枕」です。
(※枕については枕と精神疾患・不定愁訴の関係性でご説明してます。)
人は立っている時には体は歪みません。
余程、不自然な姿勢を長時間、
そしてそれを長期間続けない限りです。
人の体を歪ませる最大の要因は座位の姿勢です。
現代人は昔に比べて、この座位の姿勢がとても悪くなっています。
外で過ごしている時はある程度きちんと椅子に座っていても、
家でリラックスしている時は、ソファーなどにもたれて座ったり、
また、ソファー、ベット、床などに横になっています。
この「横になる」というのはまず論外です。
横になりながらテレビを見る、雑誌を読む、スマホをするなどです。
横になりながら何かをするというのは、
背骨のS字を変形(歪ませる)させ、
その状態をキープし続けているという事です。
体を横にせずとも、椅子にもたれかかって座るという事は、
骨盤を誤った状態(角度)にキープし続けているという事です。
昔の人(昭和初期、大正、明治、江戸)は、
まず体を横にさせながら何かをするという事がありませんでした。
特に女性は着物を着用していたので、横になりながら
本などを読むといった行為ははしたない!
と捉えられていたはずです。
女性でなくとも、子供がそのようなことをしていれば
叱られていたでしょう。
そして、もちろんソファーなどもなく、椅子に座るにしても、
その椅子の背もたれは垂直で、きちんと腰の部分を当てて
座っていました。
現代人は、家でリラックスした状態で過ごすという事は、
体を横にする、背もたれにもたれかかるという事です。
昔の人のように背もたれ無しで長時間座っていると、
首、背中、腰が痛くなり、とてもじゃないが座ってられません。
それは、背もたれ無しで座ることが体に悪いのではなく、
体を歪ませると、重心が後ろに移る為、首、背中、腰が
どうしても痛くなってしまいます。
※逆に歪みがなくなっていくと、重心は前に移り、
最終的には真ん中となります。
しかし、それを我慢しながら何年も背もたれ無しの生活を続けると、
体の歪みは数年かかりますがしっかりと取り除けます。
精神疾患や不定愁訴を患っている人たちを、
強制的に昔の生活をさせたとすれば、1,2年でほとんどの人が
改善できると思います。
昔の人達はうつ病やパニック障害、自律神経失調症等を患う人は、
今と比べて圧倒的に少なかったと思います。
昔の庶民の人達の写真を見ても、猫背やO脚といった、
現代人のような悪い姿勢はほとんど見られません。
皆、しっかりと顎が内側に引けています。
昔の人の日常生活には、体を歪ませる事がなかったからです。
しかし現代は世の中が便利になった代償に、
人の体は退化し、衰えていっています。
衰えるとは体を歪ませるという事です。
改めて申しますが、現代人はリラックス=悪い姿勢です。
「悪い姿勢をとる」→「体が歪む」→
「リラックスする為、更に悪い姿勢をとる」→
「更に体を歪ませる」の悪循環になっております。
この負のスパイラルをどこかで断ち切らなければなりません。
悪い姿勢を完全になくせば数年で歪みは取り除けます。
何十年と歪ませた体は、取り除くにも年単位かかります。
その年単位かかるものを、私の改善法の運動を行うことで、
数ヶ月で取り除くことができます。
それは、長期間悪い姿勢を取り続けてきたことで、
本来使われるべき筋肉が使われてこなかったが為に、
次第に体は歪んでいきました。
その「本来使われるべき筋肉」というのが、
大腰筋、僧帽筋上部、前鋸筋です。
上記の筋肉を、適切な運動によりピンポイントで鍛えてあげれば、
短期間で体の歪みを取り除くことができます。
もちろん、並行して「悪い姿勢」をしない事も重要です。
それと就寝時の枕も重要です。
体を歪ませる原因は他にも偏った食事や、運動不足等ありますが、
ただやはり一番は姿勢であり、姿勢とは「座位の姿勢」です。
※体の歪みには生まれ持った遺伝もあります。
同じような生活をしていても、
「歪みやすい体質」、「歪みにくい体質」というものがあります。
そして、精神疾患や不定愁訴を患う方というのは概ね前者です。
しかし、歪みやすい体質ならば、普段から意識して歪ませない
生活を心掛ければよいだけです。それだけで体は歪みません。
そして、どんなに歪みにくい体質の人であっても、
老化と共に必ず体は少しずつ歪んでいきます。
本来人間は体が歪まないように設計されています。
それを歪ませるという事は、現代の生活習慣が「異常」だからです。
どうぞ、リラックス=「体を横にする」、「背もたれにもたれる」
という間違った考えを正されてください!
ここまでご覧頂き、内容が難しく分かりずらいところが
多々あるかもしれません。
ここまで、またこれからの内容で
疑問点、分かりずらい点がございましたら、
tomo8180399@kd6.so-net.ne.jpまで
お気軽にご質問ください。
どのような些細なことにでもご回答致します!
骨盤の歪みと大腰筋の関係性
まず精神疾患・不定愁訴の原因ですが前述しましたとおり、
「大腰筋の衰えによる骨盤の歪み」と、
それに伴う「肩甲骨の下方回旋(歪み)」です。
骨盤の歪みには「前後」と「左右」、それと
「開く」という表現の歪みもあります。
ここで申し上げたいのは、これらの歪みはそれぞれ別々の
原因によって起こっているものではなく、
全て同じことが原因で起こっています。
骨盤が「歪む」というと、骨盤という骨が変形するものと
想像されがちですが、骨盤そのものが形を変えるのではなく、
骨盤を支える筋肉が「硬く縮んだり」、「衰え伸びたり」
することで骨盤の位置が正常な位置にない状態です。
骨盤には多くの筋肉が繋がっています。
「大殿筋」・「小殿筋」・「中殿筋」・「梨状筋」・
「脊柱起立筋」・「大腰筋」・「腸骨筋」・「大腿直筋」・
「腹直筋」・「腹横筋」・「外腹斜筋」等あります。
(※他にもありますがここでは割愛させて頂きます。)
上記の各筋肉が正常に機能することによって、
どのような体勢(立つ、歩く、座る、寝る)であっても、
骨盤を正しい位置へキープすることができるのです。
ちなみに骨盤の正しい位置を説明する際、
よく「骨盤が立った状態」といわれますが、
まっすぐ垂直に立った状態ではなく、正確には
骨盤が前に「30度前傾」している状態が正常な位置です。
この角度を「骨盤が立位した状態」といいます。
次に、「骨盤後傾」というのは、
骨盤立位状態より後ろに倒れている状態です。
角度は人それぞれですが、後ろへ倒れる角度が大きいほど、
精神疾患、不定愁訴の症状も大きくなります。
最後に「骨盤前傾」というのは、骨盤立位状態の角度より更に前に
骨盤が倒れてしまっている状態を指します。
ただ骨盤前傾の方というのは
一般人では50人に1人ぐらいしかいません。
下記の写真をご覧ください。
上の女性は骨盤の後傾と立位を表現しています。
左側が後傾で右が立位です。
左側の写真は、極端に表現しているので違和感がありますが、
完全に全身の力を抜いて直立すると、
後傾の方はこのような感じになっています。
下の男性の姿勢は典型的な後傾の姿勢です。
あごが前に出て背中が曲がったいわゆる猫背です。
ご自身の状態を確認する場合、
立った状態で全身の力を抜き、前述したようにその際の
手の甲がどちらに向いているのかで簡単に骨盤の位置がわかります。
骨盤が立位し、更に肩甲骨も本来あるべき位置に戻ると、
首がまっすぐ立ち、自然とあごを引いた状態になります。
また、背中からお尻にかけてひらがなの
「し」の字のようなラインとなります。
お尻が上に上がり背骨は自然なS字を描くからです。
骨盤が正しい位置にあるので、
両手の手の甲も斜め前を向いています。
よく正しい姿勢を作る際、「あごを引いて!」や
「頭を上から糸で引っ張られているように!」など
言われますが、骨盤が立位していれば
(大腰筋が正しく機能していれば)
力を抜いていても、無意識でその状態になってしまいます。
尚、骨盤が過度に前傾している方は立った状態だと
いわゆる「反り腰」になってしまいます。
背骨からお尻にかけて
ひらがなの「く」の字のようなラインとなります。
腰の辺りのカーブの角度が大きくなるからです。
一見するときれいな姿勢と勘違いされがちですが、
これは骨盤が前に倒れすぎており、
脊柱のカーブが大きくなりすぎてしまっています。
胸もはと胸になってしまっており、
あごも過度に引きすぎた状態です。
骨盤前傾の方は、ひどい腰痛を患う可能性が高いです。
大腰筋のトレーニング法
それでは早速本題である
精神疾患・不定愁訴の改善法に関して説明したいと思います。
精神疾患・不定愁訴を改善させる為に最も重要な事は、
屋台骨である骨盤を正しい位置へキープさせる
大腰筋を健全な状態に戻してやることです。
これを行わない限り、肩甲骨も定位置へは戻りません。
よって、トレーニングで直接意識して
この筋肉を鍛えなければなりません。
この大腰筋という筋肉はとにかく鍛えるのにとても難しい筋肉です。
ネットで検索しても様々なトレーニング法が紹介されています。
しかしどのトレーニングも「ある事」を行わないと
大腰筋は正しく鍛えることができません。
正しく鍛えられないばかりか、
更に大腰筋を弱め、骨盤の歪みを助長する可能性もあります。
大腰筋をトレーニングする上で最も重要なことは、
「体の左右の歪みをリセットさせる」事です。
骨盤が前後に歪んでいる方は必ず左右にも歪んでいます。
人は利き腕、利き脚がありますので、必ずどちらかに歪みます。
よって、左右に歪んだ状態でいかに左右対称に
大腰筋をトレーニングしても、
左右均等には鍛えることができません。
ブランコに乗っている人を後ろから押してあげた場合、
まっすぐ背中を押せばまっすぐ前に出ますが、
左右どちらか一方の手の力が大きかった場合、
まっすぐ前に大きくこぐことはできません。
よって、体の歪み(骨盤の歪み)を
何らかの方法でリセットした状態で
トレーニングを行わなければなりません。
この方法はとても簡単です。
どこのご家庭にも必ずある、ある物を使います。
これを使えば一時的ですが、
体の歪み(骨盤の歪み)を取り除く事ができます。
この方法で左右の歪みをリセットさせて
下記の大腰筋トレーニングを行って頂きます。
私の大腰筋を鍛えるトレーニング法はとてもシンプルです。
簡単に説明しますと、
まずトレーニングは2、3日に1度だけ行います。
回数は10〜15回を1セットのみで、要する時間は30秒です。
朝昼晩、いつ行っても構いません。
尚、初めて行ったときは、これまで一切使われていなかった
大腰筋を急に使うことになるので、
多少筋肉痛を感じる方もいらっしゃるかもしれません。
道具は一切使用しません。
自宅で行え、たたみ一畳分のスペースで行えます。
トレーニングの強度もさほどきつくなく、そもそも回数が少ないので
疲れを感じる前に終わってしまいます。
これまでの説明でこうお思いではないでしょうか?
「この程度の運動で筋肉が鍛えられるのか?」と。
ここがこの大腰筋を鍛える上で重要なポイントです。
先程から「鍛える」と申しておりますが、
正確には「正常に機能させる」、
「眠っている筋肉を起こす」と表現した方が正しいです。
骨盤が後傾している方は、大腰筋が正常に使われておらず、
衰え弱り眠っている状態です。
そこに軽い刺激を与えることで筋肉が目を覚まし始めます。
人間の脳は、長く使われない筋肉があると、
その筋肉へ電気信号を送らなくなります。
更に衰えて退化していくという悪循環に陥ります。
逆に筋肉が使われ始めると、
脳は「この筋肉は体に必要だ!」と判断し、
その筋肉を活発に活動させようとします。
尚、この大腰筋のトレーニング法は、
ジムへ行けばトレーラーの方なら
全員が知っている有名な筋トレです。
しかし、この筋トレは何故か
別の筋肉を鍛える目的で指導されています。
実際は大腰筋しか鍛えられません。
またこの大腰筋を鍛える運動は前述したように、
ネットや本で様々な方法が紹介されていますが、
それらは「健全な大腰筋」を
「更に強く太くする」目的のものです。
骨盤が後傾されている方の大腰筋は弱りきっているので、
同じトレーニングをすると即、
オーバートレーニングになってしまい、
逆効果となります。
大腰筋を鍛える上で重要な事は下記の2点です。
一つは、『左右の歪みをリセットさせた状態』で
行わなければならないということ。
もう一つは、
オーバートレーニングにならないための『適切な回数と頻度』です。
トレーニング自体は回数やセット数を増やせば
なかなかハードなトレーニングですが、
トレーニングの目的は「鍛える」のではなく、
「正常に機能させ、起こす」ことが目的なので、
余力が十分あるうちにトレーニングは終了してもらいます。
トレーニング後、運動をした実感は、
ほとんど感じられないと思います。
しかし、1回毎のトレーニングで
確実に後ろに倒れていた骨盤が起き上がっていくのを実感できます。
例えると、リクライニングチェアの倒れた背もたれを
1段1段垂直に戻していく感じに似ています。
大体2週間ぐらいではっきりと目に見えて
骨盤が立位してきていると実感されると思います。
最終的に骨盤が完全に立位するには個人差もありますが、
長く見て大体1ヶ月ぐらいかかると思います。
骨盤は立位し、これで精神疾患、不定愁訴が改善されるのか?
というとまだ不完全です。
前述しましたとおり、
次は下方回旋した肩甲骨を正しい位置へ戻す作業を
行わなければなりません。
よってこれから肩甲骨の矯正についてご説明致します。
肩甲骨の歪みと僧帽筋上部・前鋸筋の関係性
大腰筋のトレーニングで骨盤は徐々に立位していきます。
一旦立位すると体が重くなったような感覚があらわれます。
この原因は、これまで 「肩甲挙筋」、
「菱形筋」、「小胸筋」という
筋肉で上半身を支えてきた身体が、骨盤が立位したことにより
本来上半身を支える為に使われるべき筋肉、
「僧帽筋上部」、「前鋸筋」が使われるようになったからです。
本来、肩甲骨が正しい位置にある場合は
肩甲骨を僧帽筋上部と前鋸筋で支えています。
肩甲骨は骨盤と同じで上半身の体重を支える上で重要な骨です。
この肩甲骨を支えるはずだった僧帽筋上部と前鋸筋が、
肩甲骨が下方回旋してしまったことで、
長い間使われず衰え弱りきってしまっています。
その弱った僧帽筋上部と前鋸筋が、
骨盤が立位したことで急に使われるようになった為、
上半身の体重を支えることができずに、
全身にだるさ重さを感じているのです。
現在、精神疾患・不定愁訴を患っている方も小さな子供の頃は皆、
いかり肩で肩幅も狭かったはずです。
それは肩甲骨が背中の内側に寄っていたからです。
(※体が歪みすぎると、逆にといかり肩に見えます。
しかし、この場合のいかり肩は単に背中が曲がって
そう見えてしまうだけです。歪みのない時の
いかり肩とは違います。)
この状態が上半身の体重を背中の筋肉(僧帽筋上部と前鋸筋)で
きちんと支えている事をあらわしています。
尚、一見なで肩でも精神疾患・不定愁訴を患っていない方がいます。
特に男性によく見られます。
これは洋服越しになで肩に見えるだけで、
実は僧帽筋が発達しているからそう見えるだけなのです。
僧帽筋上部と前鋸筋のトレーニング法
本来、骨盤が立位すれば僧帽筋上部と前鋸筋は
ジョギングでも鍛えられ、筋力は上がってきます。
しかし直接鍛えた方がやはり短期間で効果が表れます。
よって、この僧帽筋上部と前鋸筋も大腰筋同様、
意識して鍛えてもらいます。
尚、下記のトレーニングは大腰筋のトレーニングを
2週間行ってからスタートされて下さい。
理由は骨盤が立位した状態でないと、
下記のトレーニングをしても
僧帽筋上部と前鋸筋は使われないからです。
まず僧帽筋上部のトレーニングについてです。
このトレーニングも大腰筋同様、
道具は一切使わず、
自宅のたたみ一畳分のスペースで行えます。
このトレーニングは10回を1セット行います。
要する時間は大体2〜3分ぐらいです。
このトレーニングも翌日筋肉痛が残っていた場合は、
痛みが完全に取れるまで次回のトレーニングは控えて下さい。
この運動は80歳のおばあちゃんでもできる
簡単な運動です。
しかし、僧帽筋上部が衰えている人にとっては
なかなかきつい運動です。
僧帽筋上部が衰えている人は、骨盤後傾・前傾時には
僧帽筋上部の衰えをそれほど感じませんが、
骨盤が立位すると一気に衰えを実感します。
これまで別の筋肉で支えていた頭や両腕の重量を、
立位したことで一気に僧帽筋上部に負担がかかってくるからです。
これまで怠けていた僧帽筋上部にとって、
この重量はかなりの負荷です。
こちらは大腰筋と違って、
きつくとも10回は最後までやりきって下さい。
大腰筋のトレーニングは「機能させる」ことが目的でしたが、
今回の僧帽筋上部は「強くする」事が目的です。
ある程度、きついと思うぐらいまで行わないと
筋肉は強くなりません。
但し、筋肉痛が取れるまでは次回のトレーニングは
必ず控えて下さい。
最後に前鋸筋のトレーニングについてご説明致します。
前鋸筋とは腕を前に突き出す動きで使われます。
お勧めするトレーニング法ですが、
こちらも道具は使用しませんし、
自宅のたたみ一畳分のスペースで行えます。
しかし、道具を使わない場合少し負荷が強くなりがちです。
慣れれば行える程度のものですが、どうしても行えない方は
別にある物を購入して頂く必要があります。
これは1,000円程度で販売されている物です。
どうしてもこのトレーニングを行えない方はご購入されて下さい。
このトレーニングは最初の頃、あまり高回数は行えません。
徐々に筋力が付くに従って
連続20回を目標としていただきます。
よって、回数は行える範囲内で行って下さい。
セット数は1セットです。
これも筋肉痛が完全に取れるまで
次回のトレーニングは控えて下さい。
以上、2種類のトレーニングで
僧帽筋上部と前鋸筋を鍛えてもらいます。
この2つの筋肉は様々な方法で鍛えることができます。
ジムなどに行けばマシンやダンベルを使って
効率的に鍛えることが可能です。
しかし、問題は肩甲挙筋、菱形筋という
2つの筋肉をいかに動かさず、
僧帽筋上部と前鋸筋のみを鍛えるかです。
肩甲骨を外に広げる動作をすると、
肩甲挙筋、菱形筋を動かすことになります。
そうするとどんなに僧帽筋上部と前鋸筋を鍛えても
肩甲骨は本来の位置へ戻りません。
肩甲骨が下方回旋している方の肩甲挙筋、菱形筋は
硬く、縮んでしまっています。
よって、この筋肉を刺激すれば更に縮もうとしてしまい、
肩甲骨の下方回旋を助長してしまいます。
よって、今回ご紹介するトレーニングで
僧帽筋上部と前鋸筋のみを動かし、
鍛えることで肩甲骨を元の位置へ戻してあげます。
骨盤前傾の治し方
骨盤が前傾している方は、本来の立位状態よりも
更に前に骨盤が倒れてしまっています。
激しい運動をされる方に多く、また現在はしていなくとも、
過去にしていた方は、
その時の大腰筋が固まってしまっています。
(ロックされた状態)
大腰筋が固まるというのは、
硬く縮んでしまっているという事です。
なぜそうなるのかと申しますと、お尻にある大殿筋と
太ももの裏にあるハムストリングという
2つの筋肉が衰えているからです。
よって、まず骨盤前傾の方はこの2つの筋肉を鍛えて
本来の筋力に戻さなければなりません。
トレーニング法は至ってシンプルです。
こちらも道具は使わず、自宅で行え場所も取りません。
トレーニング時間は1分間で1セットのみです。
翌日筋肉痛になればなくなるまで行わず、
大体2週間ほどで前傾は改善します。
改善後はこのトレーニングを行った後に
大腰筋のトレーニングも行ってください。
骨盤前傾の方は体質的に大殿筋、ハムストリングが
衰えやすい傾向にありますので、
たまに鍛えてあげると骨盤前傾を防ぐことができます。
枕と精神疾患、不定愁訴の関係性
枕と精神疾患、不定愁訴は深く関係しています。
人は起きている時(直立時、座位時)には
抗重力筋で体を支えています。
重力に抗って姿勢をキープする為に、
意識しなくとも常に働き続けています。
よって、大腰筋が正しく機能せず骨盤が立位していないと、
背骨のカーブが変化してしまい、
僧帽筋上部と前鋸筋も正しく機能せず、
逆に肩甲挙筋、菱形筋を酷使し続けていることになります。
唯一、全身の筋肉が休まる時は
体を横にした状態の時だけです。
すなわち睡眠時です。
体に合った枕を使って寝るという事は、仰向けの際に
正しい姿勢をキープしているということになります。
逆を言えば誤った枕を使っているということは、
頚椎のカーブを変化させ、それに繋がる胸椎、腰椎、骨盤を
歪ませた状態をキープして寝ていることになります。
また、頚椎を歪ませているので直接脳幹を圧迫させています。
人間は骨盤が立位した状態(正しい姿勢)であれば、
枕がない状態で寝るのが一番健康的に眠れます。
なぜなら、枕がなければ背骨(頚椎、胸椎、腰椎)、骨盤が
全く歪まないからです。
実際に枕無しで寝られている方もいらっしゃいます。
赤ちゃんは枕なしで寝ていますが、
体に歪みがないからです。
しかし、やはり枕無しで寝ることができないという人の方が
多数派だと思います。
人は寝ている時に必ず寝返りをうつ為、
枕がないと横向きでは寝ずらいからです。
実際に私も就寝時こそは仰向けですが、
朝起きたときは大体横向きの姿勢で寝ています。
よって、枕はほとんどの方には必要ということになります。
問題はその枕の形状です。
まずは下記の枕をご覧下さい。
上記の枕は頚椎のカーブに沿っていて安眠を促すといわれ、
現在では一般的な枕となりました。
しかしこの形状の枕を使用すると、
仰向けになって寝ている時は良いでしょうが、
横向きになるとこの形状だと首を圧迫することになります。
次に下記の枕です。
上記の枕はクッションのように柔らかく、
頭を乗せると深く沈み込んでしまいます。
柔らかい枕は仰向けの時は気持ちよく寝れても、寝返りがうち辛く、
どうしても深い睡眠の妨げとなってしまいます。
それではどのような枕が一番よいのかと申しますと、
「平ら」で「ある程度硬い」枕が理想的です。
一番のお勧めは下記のような「そば殻枕」です。
そば殻枕は頭が深く沈み込まない程度に硬く、
中のそば殻が片方に寄ったりしずらいので、
ある程度平らな状態を維持できます。
また、どこの店でも1,000円程度で購入できます。
(※そば殻でなくとも硬く、平らであらば何でも構いません。)
ここで話は戻りますが、
人が寝ている時は全身の筋肉が休まっている状態です。
しかし、それはあくまでその人の体に合った
「高さ」の枕を使った時です。
よく枕の高さを決める際に頚椎のカーブの角度や深さを測って、
その人に合った枕を診断して提供しています。
結論から申しますと、
この計測法で正しくその人の体に合った枕を
見つけることはできません。
なぜなら、仰向けに寝た状態と直立した状態では、
「骨盤」、「背骨(頚椎、胸椎、腰椎)」の角度が違うからです。
直立した状態で計測した角度で合わせた枕は、寝た状態で
その人に合うはずである高さよりも必ず低くなります。
枕メーカーの統計では、枕の平均的な高さは男性で3〜5cm、
女性で2〜4cmとされています。
ただ、実際にこの高さの枕で寝てもらうと分かりますが、
かなり低いです。
ちなみに現在の私の枕の高さは8cmです。
骨盤が立位すると性別・年齢問わず、
大体このぐらいの高さになります。
骨盤が後傾の人は角度が大きければ大きいほど、
枕の高さは低くないと体に合いません。
しかし、今度は骨盤が立位または前傾になればなるほど、
枕の高さを高くしなければ体には合いません。
よって、枕メーカーの調査した統計の数字は、
骨盤が後傾しがちな日本人の体に合わせて調べた数字なのです。
言い換えれば、
悪い姿勢の状態で合わせた高さの平均値なのです。
その人の体に合う枕の高さを調べる方法は
他にも下記のようなものがあります。
上記の2つのやり方はそれぞれ、
角度を調べることで枕の高さを割り出す方法です。
しかし実際行えば正確に測ることはとても困難です。
枕は0.5mm高さが変わるだけで別物になります。
自分の体に合っていない高さの枕で寝るということは、
頚椎のカーブを変え、
それに繋がる骨盤を歪ませているということです。
これではどんなにトレーニングで
骨盤、肩甲骨を正しい位置へ戻してあげても、
就寝時に歪ませていることになります。
ご自身の体に合った枕の高さを測る簡単な方法があります。
その方法を使えばどなたでも気軽に測る事ができます。
道具は一切使用しません。
ご自身の体のみを使って測ることができますので、
例え外泊することになっても、いつでもどこでも
簡単に且つ、正確にご自身の体に合った
枕の高さを測ることができます。
枕は平らである程度硬い物であれば何でも構いません。
高さの調節はバスタオル、またはハンドタオルで行います。
(※もし外泊の際、その場に柔らかい枕しかない場合は、
例えば漫画雑誌にタオルを載せるといったものでも
代用できます。また体の歪みが全て取れれば、
枕を使わずとも寝ることができます。)
枕が自分の体に合った高さになると一目で判断できます。
この方法を使って体に合った正しい高さの枕を使って下さい。
起きている時の姿勢と寝ている時の姿勢を両方矯正することで、
精神疾患、不定愁訴は根本的に改善されるのです。
その他の変化
今回ご紹介している改善法は
「精神疾患、不定愁訴の改善」を目的としておりますが、
他にも様々な変化があらわれます。
大腰筋が機能して骨盤が立位し、
更に肩甲骨も本来あるべき位置に戻ると
様々な変化が体に起こります。
まず骨盤が立位し、肩甲骨が戻るということは、
その部分だけの変化に留まりません。
体の骨は全て繋がっており、また筋肉も全て繋がっています。
一箇所の骨や筋肉の変化は、全身の骨と筋肉に作用します。
特に骨盤は体の上半身と下半身を繋ぐ屋台骨なので
その影響はかなり大きいです。
(※個人差がありますので
全ての変化が期待できるものではありませんが、
どれか、または複数は変化があると思われます。)
身体的には、骨盤立位に伴い下方回旋していた肩甲骨が
上方回旋して元の位置に戻ります。
そうすると、僧帽筋という首から肩、背中にかけて
ある大きな筋肉、その内、上部のたるんでいた筋肉が
引き締まります。
それにより、僧帽筋上部と繋がっている顔の筋肉と
頭皮が後ろへ引っ張られます。
まず顔の変化は口角上がり、
肌がひっぱられることでしわが減り、
つやと弾力がでてきます。
また骨盤の左右の歪みが解消されることで
左右の目の大きさや、耳の高さの差が少なくなります。
(※完全に左右対称にはありません。人は生まれつき
完全には左右対称にはできていないからです。)
また顔のむくみやまぶたのはれぼったさ、
目の下のくまも改善されます。
表情筋(顔の筋肉)も正しい位置へ戻ることで、
これまで滞りがちだった血液の流れが正常になるからです。
前述しましたが、
骨盤が前後に歪んでいる人は左右にも歪みがあります。
左右の歪みがあると、顔の左右差が大きくなります。
また、左右の脚や腕の長さに差がでてきます。
骨盤が左右どちらかが、下に下がっているからです。
他にも左右に歪みがあると、体が左右どちらかに曲がります。
つま先はまっすぐ前を向いているのに、
体はまっすぐに向いていません。
また、片足で立つと、左右どちらか一方が不安定で
バランスが取りづらくなります。
これら全て骨盤が立位することで改善されます。
大腰筋は骨盤を本来あるべき正しい位置で保つ働きをしますので、
前後、左右の歪みは同時に改善されます。
次に頭皮が後ろへ引っ張られることで、
髪の生え方が頭皮に並行になります。
これまで髪が膨らみやすい、浮きやすかった方は
きれいにまとまる髪型に変化します。
次に二の腕です。肩甲骨が内側の定位置に戻ることで、
腕の贅肉が背中側へ引っ張られます。
そうなると、たるんでいた二の腕がすっきりと引き締まります。
贅肉がなくなったわけではありません。
引っ張られることですっきりしているだけです。
逆を言えば骨盤が歪み、肩甲骨が外に広がると、
背中側の贅肉が二の腕の方に移ってしまいます。
また、骨盤立位であごを引く姿勢になるので胸が自然と上がります。
そうなるとバストが上向きになり、形もきれいになります。
他にも平熱が1度近く上がり基礎代謝が上がり、
多少多めに食べても太りません。
それまで依存症のようにお菓子を食べていましたが、
今ではまず食べたいと思えなくなりました。
また、それまでおいしいと思っていたお菓子やジャンクフードが
それほどおいしいと思えなくもなりました。
代謝が上がっているので、
特に運動をせずとも体重は減っていきます。
また、骨盤が立位することで
身体能力が大幅にアップします。
同じ年齢、体重、身長でも骨盤が後傾と立位では
運動測定をすると、全ての種目で数字が変わるはずです。
立位になるとはっきり分かるのですが、
重心がそれまで後ろ側にあったのが、
前側に移ります。そうなると、とにかく走りやすくなります。
短距離も長距離も記録が変わってくると思いますし、
垂直跳びや幅跳びも記録が伸びます。
これまで間違った位置にずれていた筋肉が
全て正しい位置へ戻ることで、
本来の力を発揮します。
全く関係ないと思える握力や背筋力、
立位体前屈もかなり数字が変わります。
体も疲れにくく(乳酸がたまりにくい)、
また全身の筋肉を正常に使うことで、
同じ運動をしていても消費するカロリーが上がります。
このように骨盤の変化が体に及ぼす影響は
本当に甚大だと思います。
骨盤が立位すると下半身が痩せ、スタイルが
別人のように変わります。
骨盤が立位すると、精神疾患、不定愁訴が治るだけでなく、
肩こり、首こり、腰痛も治り、
スタイルやその他の身体的症状までも改善します。
大腰筋を鍛え、骨盤を立位させ、
背骨・頚椎のカーブを正常に戻し、
僧帽筋上部、前鋸筋を鍛え、肩甲骨を元の位置へ戻す。
最終的に脳幹への圧迫をなくすことが、
「精神疾患、不定愁訴」を治す条件です。
改善までの期間
この改善法の内容は、
大腰筋、僧帽筋上部、前鋸筋の3箇所のトレーニングを
メインとした運動、そして正しい枕の使用により改善を図ります。
改善までの大まかな流れと期間をご説明いたします。
まず最初に、
『骨盤を正しい位置(立位)に戻す』に1〜2週間
↓
『肩甲骨を正しい位置に戻し、
体の内側の筋肉(インナーマッスル)の歪みを取り除く』に
1〜4週間
↓
『下に下がった体の外側の筋肉(アウターマッスル)を上げる』に
3〜8週間
(※ここまでは「骨格」のみを整えてきました。)
↓
『整えた骨格に全身の筋肉を馴染ませる』に8〜10週間
↓
『馴染んだ筋肉の筋力を上げる』に1〜2週間
↓
『改善完了』
歪みの度合いや年齢によって改善期間は異なり
一概には申せませんが、
トータルで3〜6ヶ月間かかります。
※これまでご購入された方の大半は
4ヶ月前後で改善されております。
具体的には、まず最初の1〜2週間は大腰筋のみを
鍛えて頂き、骨盤を本来あるべき位置(立位状態)に戻します。
骨盤そのものが歪んでいた場合、この大腰筋を鍛え、
骨盤を立位させることである程度辛い症状が楽になります。
しかし、まだお悩みの症状のもう一つの原因である
「肩甲骨」の歪みは改善されておりませんので、
2〜3週間目から僧帽筋上部と前鋸筋の
2つのトレーニングを追加して頂きます。
この2つのトレーニングを行うことで、
徐々に肩甲骨は本来あるべき位置へ戻り、
体の内側の筋肉である
インナーマッスルの歪みが取れ始めます。
このインナーマッスルの歪みは何層にも重なっておりますので、
一層一層外側から取れ始めます。
個人差がありますが、大体1〜4週間ほどで全て取り除けます。
インナーマッスルの歪みが取り除けましたら、今度は下に下がった、
外側の筋肉であるアウターマッスルを上に上げて頂きます。
このアウターマッスルはおへその位置よりも
上に上がっていなくてはいけません。
おへそよりも下に下がっている場合は、3〜8週間ほどかけて
上に上げていきます。
しかし、最初からおへそより上に上がっている方の場合、
この工程は必要ありませんので省きます。
ここまでで体の骨格の歪みが整いました。
よって、4〜6週間かけて、
この整えた骨格に全身の筋肉を馴染ませていきます。
そして、完全に馴染ませ切ってようやく
運動によって筋力がアップします。
筋肉が馴染まない限り、
どんなにハードなトレーニングをしても筋肉は付きません。
ここからは筋力を上げれば上げるほど、
比例して体調、見た目も向上します。
歪みを取り除き、その骨格に全身の筋肉が馴染んだ状態の体は、
軽いジョギングでも短期間で全身の筋力がアップします。
2〜4週間ほどの継続した運動で生まれ持った筋力に戻ります。
ここで現在お悩みの症状は全て改善され、
また症状を患う以前よりも明らかな健康体を実感して頂けます。
改善までの期間はおよそ3〜6ヶ月間です。
ここでいう改善とは症状の「完治」ではなく、
根本的な改善である「根治」です。
根治は再発する恐れも一切ない、根本的な原因の排除です。
薬物療法、食事療法、心理(認知行動)療法、整体、鍼灸(ツボ)、
マッサージ、催眠、気功、ヨガ、ストレッチなど、
様々な改善法は世の中にありますが、
これらで「根治」することは不可能だと断言できます。
上記の改善法はあくまで「完治」を目指したものです。
完治は症状を表に出ないようにする事が目的です。
根本原因はそのままの状態となっています。
よって、時間の経過とともに再発する恐れがあります。
「根治」を目指すのであれば自らが運動により、
体の歪みを取り除き、その骨格で全身の筋肉を馴染ませ、
そして仕上げに衰えた筋肉を生まれ持った筋力に
戻してあげるしかありません。
ちなみにヨガはポーズによっては筋肉に負荷を与え、
筋力を増すことができます。
しかし、歪みを取るために一番重要な
骨盤の歪みの原因となる「大腰筋」を左右均等に
鍛えることは不可能です。
尚、ストレッチはただ筋肉を伸ばしているだけで、
運動ではありません。
根治とは自らが運動によって肉体改造する以外には叶いません。
その他の改善法はあくまで、
運動を行った上でのプラスαに過ぎません。
人間も動物です。動かなくなれば健康でいられません。
特に精神疾患・不定愁訴を患う方というのは、
生まれつき筋肉が衰えやすく歪みやすい体質です。
生まれつき衰えにくい人と一緒にしてはいけません。
運動を怠れば人並み以上に衰え退化していきます。
精神疾患、不定愁訴は骨盤と肩甲骨が正しい位置にあれば
本来起るはずのない症状です。
欧米人、特に黒人に精神疾患、不定愁訴の症状が少ない理由は、
生まれもって大腰筋が日本人の3倍の太さがあるからです。
よって骨盤が歪むことがなく、加えて肩甲骨の歪みは起きません。
常に脳幹が正常に機能しているからです。
どうぞ、症状のない健康な身体で毎日を過ごされて下さい。
ここまでの説明でご不明な点、疑問点等ございましたら
tomo8180399@kd6.so-net.ne.jpへお気軽にご質問下さい。
どのような些細な内容でもかまいません。
試してよかった『うつ病、パニック障害』改善法は
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