2014年09月10日
「限界に挑戦」湘南に脈打つ指揮官の哲学A
「まだまだ伸びしろがあると思っている」
J1で戦った昨季は地に足がついていなかった。チョウ監督は浮き沈みの激しいチームを「まるでジェットコースターのようだった」と振り返る
J1で戦った昨季は地に足がついていなかった。チョウ監督は浮き沈みの激しいチームを「まるでジェットコースターのようだった」と振り返る
いったい、J1を戦う上で何が足りなかったのか。実のところ、テクニックやフィジカルの面で、そこまで大きな差は感じなかったという。むしろ、違いは自信や経験といったメンタルに関わる部分だった。チョウ監督が言う。
「ゲームを読む力や状況判断に差があった。J1レベルの選手たちは、やるべきことをやり、やってはいけないことはやらない。うちには余裕や落ち着きがまったくなかった」
リードしている状況にも関わらず、浮き足立ち、ミスを重ね、スコアをひっくり返される試合も少なくなかった。痛恨の逆転負けを食らった横浜F・マリノスとのJ1開幕戦が好例かもしれない。地に足がつかず、浮き沈みの激しいチームを「まるでジェットコースターのようだった」と、チョウ監督は振り返る。だが、こうした苦い経験の中で、選手たちは確かな手ごたえをつかんでもいた。なぜか。
「すごく単純なことです。相手から球を奪う、相手をかわすといった具合に自分が『相手を上回った』ことを体感すると、次のプレーで積極的に球を受けられるようになる。自信がついたわけです。レベルの高い相手にも球を回せる、球を奪えるといった成功体験が、今季の戦いにつながっている感じですね」
いくら戦術面の修正を施しても、球をもらいたくないと思っている選手がいたら、球は回らない。同じように、球を奪えないと思っている選手がいたら、球を奪えない。選手が失敗を恐れている限り、事態が好転することはないわけだ。いかに成功体験を積み重ねるか。そこが極めて重要になってくる。
「J1で戦うにあたって、補強が必要だとは考えなかった。能力の高い選手がいないからダメだと思ったことは一度もないんですよ。選手たちが日々、成長していけばいいわけですから。1人ひとりの才能を伸ばしていきたいし、彼らの成長が楽しみでもあるんですよ。完成されていませんからね。まだまだ伸びしろがあると思っています」
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