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2017年03月27日
【問題児の発言が話題】 アーセナル、CL2戦合計2-10と惨敗もバイエルンとは「同じレベル」
今季7試合出場停止のジャカ、バイエルンとの実力差なしと主張
アーセナルのスイス代表MFグラニト・ジャカが、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)16強で2戦合計2-10と大敗を喫したバイエルン・ミュンヘンについて、「アーセナルと同等のレベル」と衝撃のコメントをして話題になっている。英紙「ザ・サン」が報じた。
昨夏にボルシアMGからガナーズ(アーセナルの愛称)へ移籍したジャカは、左足の正確なパスを武器に早速レギュラーに定着している。スイス代表にも名を連ねる実力者だが、過去3シーズンで9度の退場処分を受けるなど問題児としても知られている。今季はレッドカードによる出場停止で、すでに7試合も欠場している。
そんなジャカが先日のCL決勝トーナメント1回戦において、歴史的なスコアで大敗を喫したバイエルンについて次のように語っている。
「バイエルン・ミュンヘン戦の結果はとても悪いものだったけど、僕らと彼らのレベルはそうかけ離れたものじゃないと思う。僕の考えでは、彼らはアーセナルと同じレベルだ」
ジャカはアーセナルのレベルの高さを強調した。とはいえ、本拠地エミレーツでの第2戦でもバイエルンに1-5と惨敗し、2戦合計2-10という屈辱の敗戦からまだ3週間あまりということもあって、この発言は物議を醸している。同紙は「グラニト・ジャカがアーセナルはバイエルン・ミュンヘンと“同等のレベル”だという衝撃的な主張…5-1で叩きのめされたというのに」との見出しで伝えている。
「この状況をすぐに変えられる」と自信満々
「この敗戦は本当に悩ましいものだよ。これまでのバイエルン戦では良い思い出があったからね。ボルシア・メンヘングラッドバッハでは、三度バイエルンに勝つことができた。グラッドバッハがアーセナルと同じレベルだとは思っていない。アーセナルは素晴らしい街にある、傑出したクラブ。リーグタイトルを逃しているというだけだ。僕はこの状況を、すぐに変えられると思っている」
自信満々のジャカだが、CL敗退に加えてリーグ戦直近5試合で4敗と失速中では、いささか説得力に欠ける発言となってしまった。
アーセナルのスイス代表MFグラニト・ジャカが、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)16強で2戦合計2-10と大敗を喫したバイエルン・ミュンヘンについて、「アーセナルと同等のレベル」と衝撃のコメントをして話題になっている。英紙「ザ・サン」が報じた。
昨夏にボルシアMGからガナーズ(アーセナルの愛称)へ移籍したジャカは、左足の正確なパスを武器に早速レギュラーに定着している。スイス代表にも名を連ねる実力者だが、過去3シーズンで9度の退場処分を受けるなど問題児としても知られている。今季はレッドカードによる出場停止で、すでに7試合も欠場している。
そんなジャカが先日のCL決勝トーナメント1回戦において、歴史的なスコアで大敗を喫したバイエルンについて次のように語っている。
「バイエルン・ミュンヘン戦の結果はとても悪いものだったけど、僕らと彼らのレベルはそうかけ離れたものじゃないと思う。僕の考えでは、彼らはアーセナルと同じレベルだ」
ジャカはアーセナルのレベルの高さを強調した。とはいえ、本拠地エミレーツでの第2戦でもバイエルンに1-5と惨敗し、2戦合計2-10という屈辱の敗戦からまだ3週間あまりということもあって、この発言は物議を醸している。同紙は「グラニト・ジャカがアーセナルはバイエルン・ミュンヘンと“同等のレベル”だという衝撃的な主張…5-1で叩きのめされたというのに」との見出しで伝えている。
「この状況をすぐに変えられる」と自信満々
「この敗戦は本当に悩ましいものだよ。これまでのバイエルン戦では良い思い出があったからね。ボルシア・メンヘングラッドバッハでは、三度バイエルンに勝つことができた。グラッドバッハがアーセナルと同じレベルだとは思っていない。アーセナルは素晴らしい街にある、傑出したクラブ。リーグタイトルを逃しているというだけだ。僕はこの状況を、すぐに変えられると思っている」
自信満々のジャカだが、CL敗退に加えてリーグ戦直近5試合で4敗と失速中では、いささか説得力に欠ける発言となってしまった。
2017年03月26日
【珍事】柏U-18のエースが青森山田高へ転入! 日の丸を背負うFWの一大決心に迫る
大学生相手にいきなり初ゴールを挙げる。
3月23日から26日にかけて、兵庫県で開催されるガバナーカップ。兵庫県選抜、ヴィッセル神戸U-18、姫路選抜U-18の地元チームに加え、ディナモ・ザグレブU-18(クロアチア)、ボルシアMG U-18(ドイツ)の欧州クラブ勢、そして、選手権王者の青森山田を招待チームとして招き、4日間に渡って熱戦が繰り広げられる。
開幕戦となった青森山田VSディナモ・ザグレブの一戦を前に、青森山田は関西国際大学と練習試合を行なった。
筆者も開幕戦を前に、練習試合も取材に行こうと、関西国際大学グラウンドに足を運んだ。そこで、大きな衝撃を受けた。
緑のユニフォームの青森山田の選手たちの中に、見慣れた顔があった。昨年のU-19アジア選手権の優勝メンバーであり、柏レイソルU-18のエースストライカー、中村駿太だ。小学時代から柏の下部組織で育てられた(全日本少年サッカー大会では、通算23得点の大会記録を樹立)逸材だ。今月、青森山田への転入を決めたのだという。
黄色のユニフォームではなく、緑色のユニフォームを纏った彼は、青森山田の4−1−4−1システムの2シャドーの一角として出場。A2チームだったが、FW三國ケネディエブス(新2年)、MF佐々木銀士(新2年)といったレギュラー候補が顔を揃えるなか、持ち味のキープ力を発揮した。当然、周りとの連携はままならず、自慢のスプリントも影を潜め、前半は本領発揮と行かなかったが、後半になると徐々にキレのあるプレーを見せはじめる。
1−2で迎えた後半35分(45分ハーフ)、左からのクロスにニアサイドで反応すると、「肩の力が抜けた状態で撃てた」と、コントロールされたダイレクトシュートをゴール左隅に突き刺し、試合を振り出しに戻した。このゴールで肩の荷が下りたのだろう、以降、中村はエネルギッシュな動きを披露。布陣が4−4−2に変わり、三國と2トップを組むと、息のあったコンビネーションを見せ、前線でタメを作り、攻撃を活性化させた。チームも逆転に成功。大学生を相手に、青森山田が3−2の勝利を収めた。
「前半はチームとしてのやり方が分からなくて、どう動いていいか分からない部分があったんですが、後半になったら徐々に分かるようになって、どうプレーすべきかを考えることができた。ゴールはニアサイドに飛び込んだときに、あそこしかコースがなかったので、冷静に決めることができましたね。ホッとしています」と、試合後、中村は笑顔でこう語ってくれた。
「全力でここに来た覚悟をプレーで示したい」。
「昨日、チームに合流をして、今日は試しに起用してみた。まだまだフィットするまでには時間が掛かると思うけど、それなりのプレーをしてくれた」
指揮を執った正木昌宣コーチがこう語ったように、中村は昨日、兵庫で合宿を張るチームに合流したばかりで、この試合はあくまで“仮”デビュー戦。そこでいきなり初ゴールを奪うのだから、大したものだ。
「まだ全員の名前も覚えていないし、もっと周りを知って、自分も知ってもらわないといけない。ここに遊びに来たわけではないので、全力でここに来た覚悟をプレーで示したい。まずは午後の試合で、それを証明したいですね」(中村)
午後には、16時キックオフのガバナーカップ開幕戦に臨む。現時点でのベストメンバーを組むことになっており、そこが彼にとって本当のデビュー戦になる。
青森山田に転入した経緯、そして彼が口にした「青森山田に来た覚悟」とはどういうものなのか。結果で示してくれるであろう。
3月23日から26日にかけて、兵庫県で開催されるガバナーカップ。兵庫県選抜、ヴィッセル神戸U-18、姫路選抜U-18の地元チームに加え、ディナモ・ザグレブU-18(クロアチア)、ボルシアMG U-18(ドイツ)の欧州クラブ勢、そして、選手権王者の青森山田を招待チームとして招き、4日間に渡って熱戦が繰り広げられる。
開幕戦となった青森山田VSディナモ・ザグレブの一戦を前に、青森山田は関西国際大学と練習試合を行なった。
筆者も開幕戦を前に、練習試合も取材に行こうと、関西国際大学グラウンドに足を運んだ。そこで、大きな衝撃を受けた。
緑のユニフォームの青森山田の選手たちの中に、見慣れた顔があった。昨年のU-19アジア選手権の優勝メンバーであり、柏レイソルU-18のエースストライカー、中村駿太だ。小学時代から柏の下部組織で育てられた(全日本少年サッカー大会では、通算23得点の大会記録を樹立)逸材だ。今月、青森山田への転入を決めたのだという。
黄色のユニフォームではなく、緑色のユニフォームを纏った彼は、青森山田の4−1−4−1システムの2シャドーの一角として出場。A2チームだったが、FW三國ケネディエブス(新2年)、MF佐々木銀士(新2年)といったレギュラー候補が顔を揃えるなか、持ち味のキープ力を発揮した。当然、周りとの連携はままならず、自慢のスプリントも影を潜め、前半は本領発揮と行かなかったが、後半になると徐々にキレのあるプレーを見せはじめる。
1−2で迎えた後半35分(45分ハーフ)、左からのクロスにニアサイドで反応すると、「肩の力が抜けた状態で撃てた」と、コントロールされたダイレクトシュートをゴール左隅に突き刺し、試合を振り出しに戻した。このゴールで肩の荷が下りたのだろう、以降、中村はエネルギッシュな動きを披露。布陣が4−4−2に変わり、三國と2トップを組むと、息のあったコンビネーションを見せ、前線でタメを作り、攻撃を活性化させた。チームも逆転に成功。大学生を相手に、青森山田が3−2の勝利を収めた。
「前半はチームとしてのやり方が分からなくて、どう動いていいか分からない部分があったんですが、後半になったら徐々に分かるようになって、どうプレーすべきかを考えることができた。ゴールはニアサイドに飛び込んだときに、あそこしかコースがなかったので、冷静に決めることができましたね。ホッとしています」と、試合後、中村は笑顔でこう語ってくれた。
「全力でここに来た覚悟をプレーで示したい」。
「昨日、チームに合流をして、今日は試しに起用してみた。まだまだフィットするまでには時間が掛かると思うけど、それなりのプレーをしてくれた」
指揮を執った正木昌宣コーチがこう語ったように、中村は昨日、兵庫で合宿を張るチームに合流したばかりで、この試合はあくまで“仮”デビュー戦。そこでいきなり初ゴールを奪うのだから、大したものだ。
「まだ全員の名前も覚えていないし、もっと周りを知って、自分も知ってもらわないといけない。ここに遊びに来たわけではないので、全力でここに来た覚悟をプレーで示したい。まずは午後の試合で、それを証明したいですね」(中村)
午後には、16時キックオフのガバナーカップ開幕戦に臨む。現時点でのベストメンバーを組むことになっており、そこが彼にとって本当のデビュー戦になる。
青森山田に転入した経緯、そして彼が口にした「青森山田に来た覚悟」とはどういうものなのか。結果で示してくれるであろう。
2017年03月25日
【最弱日本と連呼していたUAE】 点差以上の内容での敗戦に・・・、手本とすべき「大陸最高の輸出選手」と讃えた選手とは
ホームで完敗したUAE、司令塔オマルも本領発揮できず
日本代表は23日に、ロシア・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の敵地UAE戦で2-0と勝利を挙げた。UAE地元紙は過去2戦2勝(PK勝ち含む)と優位性を示しながら、ホームでの大一番に敗れ、グループBで日本との勝ち点差は4に広がった。そのなかで両国の差を埋めるための要素として、日本代表のある選手の名前を引き合いに出している。UAE地元紙「ザ・ナショナル」が報じている。
UAEは2016年アジア最優秀選手に選出されたアフロヘアの司令塔、MFオマル・アブドゥルラフマンがハリルジャパンのゾーンディフェンスにより本領を発揮できなかった。
2015年1月のアジアカップ準々決勝でPK戦の末に日本を倒し、2016年9月のW杯アジア最終予選の初戦でハリルジャパンに黒星をつけたUAEのエースの覚醒こそが、成長の鍵と位置づけている。
「もしも、 UAEがオマル・アブドゥルラフマンを起爆剤と見なすなら、彼の輝ける才能は珍しいことに物足りないことに気づいた。アジア最優秀選手だが、彼はこの大陸最高の輸出選手、香川真司に押しやられている。かつてマンチェスター・ユナイテッドに所属したボルシア・ドルトムントのプレーメーカーは、欧州でプロとしてのキャリアを過ごす恩恵を受けている」
攻撃面で違いを見せられなかったが…
この試合でインサイドハーフを務めた香川は、守備面では献身的な姿勢を示したものの、背番号10らしい攻撃面での違いを見せることができず、途中交代となっていた。
だが同紙は、アフロヘアの司令塔に対してドイツで「小さな魔法使い」の異名を与えられている香川を手本にしろ、と主張している。
「アブドゥルラフマンには常々、国外移籍の話が浮上している。だが、彼はUAE国外で輝ける才能の持ち主であると証明することに苦しんでいる。彼の威厳を示すことはできず、最も目立った貢献と言えば、前半にスパイクの裏を川島に突き立てたことだった。注視すれば分かるが、アブドゥルラフマンが警告を免れたのは幸運だった」
国内リーグのアル・アインで王様として君臨する天才司令塔が、一皮剥けるには国外移籍しかないと記事では指摘されている。敵地UAE戦で期待された決定的な仕事を果たせなかった香川だが、UAEにはアジア人選手のお手本として評価されているようだ。
日本代表は23日に、ロシア・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の敵地UAE戦で2-0と勝利を挙げた。UAE地元紙は過去2戦2勝(PK勝ち含む)と優位性を示しながら、ホームでの大一番に敗れ、グループBで日本との勝ち点差は4に広がった。そのなかで両国の差を埋めるための要素として、日本代表のある選手の名前を引き合いに出している。UAE地元紙「ザ・ナショナル」が報じている。
UAEは2016年アジア最優秀選手に選出されたアフロヘアの司令塔、MFオマル・アブドゥルラフマンがハリルジャパンのゾーンディフェンスにより本領を発揮できなかった。
2015年1月のアジアカップ準々決勝でPK戦の末に日本を倒し、2016年9月のW杯アジア最終予選の初戦でハリルジャパンに黒星をつけたUAEのエースの覚醒こそが、成長の鍵と位置づけている。
「もしも、 UAEがオマル・アブドゥルラフマンを起爆剤と見なすなら、彼の輝ける才能は珍しいことに物足りないことに気づいた。アジア最優秀選手だが、彼はこの大陸最高の輸出選手、香川真司に押しやられている。かつてマンチェスター・ユナイテッドに所属したボルシア・ドルトムントのプレーメーカーは、欧州でプロとしてのキャリアを過ごす恩恵を受けている」
攻撃面で違いを見せられなかったが…
この試合でインサイドハーフを務めた香川は、守備面では献身的な姿勢を示したものの、背番号10らしい攻撃面での違いを見せることができず、途中交代となっていた。
だが同紙は、アフロヘアの司令塔に対してドイツで「小さな魔法使い」の異名を与えられている香川を手本にしろ、と主張している。
「アブドゥルラフマンには常々、国外移籍の話が浮上している。だが、彼はUAE国外で輝ける才能の持ち主であると証明することに苦しんでいる。彼の威厳を示すことはできず、最も目立った貢献と言えば、前半にスパイクの裏を川島に突き立てたことだった。注視すれば分かるが、アブドゥルラフマンが警告を免れたのは幸運だった」
国内リーグのアル・アインで王様として君臨する天才司令塔が、一皮剥けるには国外移籍しかないと記事では指摘されている。敵地UAE戦で期待された決定的な仕事を果たせなかった香川だが、UAEにはアジア人選手のお手本として評価されているようだ。
【識者の眼】ハリルJの新機軸となった原口、大迫、久保。“HOK”誕生? アジア規格外3トップに高まる期待
日本代表は23日、アウェイで行われたロシアワールドカップ・アジア最終予選でUAE代表を2-0で下した。この試合は原口元気、大迫勇也、久保裕也の3トップで挑んだハリルジャパンだが、前線だけで攻め切る能力を持った3人はまさにアジアで規格外と言えるだろう。“HOK”トリオは、ハリルジャパンの新機軸になるかもしれない。
“前輪駆動型”の3トップで挑んだハリルJ
アウェイの地で2得点を奪い、無失点に抑える理想的な形で勝利した日本代表。その大きな推進力となったのが大迫勇也、原口元気に久保裕也を加えた3トップだ。この日は相手の司令塔オマル・アブドゥルラフマンの対策も意識した[4-3-3]を採用したこともあり、通常の[4-2-3-1]より3トップの特性が出やすくなった。
もちろん守備時にはウィングの久保と原口がサイドハーフの位置まで下がることも少なからずあったが、攻撃の役割上は3トップと言える布陣であり、彼らのプレーにもその志向が強く出ていた。前線で攻め切る、いわゆる“前輪駆動型”の攻撃だ。
マイボールになったら前線中央の大迫にクサビのパスを入れて、彼が落としたボールを久保や原口が縦に持ち上がるというのがメインの攻撃パターンだった。次に後方からのダイアゴナルなロングパスを受けたサイドで崩し、クロスに大迫や逆サイドのウィングが合わせる形も有力なオプションの1つとなっていた。
開始5分には森重が右前方に大きく展開すると、走り込んだ久保が折り返し、大迫が合わせようとするが、うまく捉えられなかった。このシーンでは原口もファーサイドを駆け上がっており、結果的に相手3人を引き付けていた大迫がもし中に折り返せていれば得点の可能性がかなり高かった。
このシーンで興味深いのは、後方からの1本のパスを起点にいきなり3トップと相手4バックの勝負に持ち込んでいることで、しかもそこで攻め切ってしまっていることだ。この場面では相手のDFラインが揃った状態ではあったが、日本の速い攻めに付いていけていなかった。一瞬だが大迫をフリーにしてしまっており、ファーの原口も右サイドバックの内側に走り込んでいた。
これまでの日本にはなかった3トップ。香川も「速攻がチームの一番の強み」
先制点は、香川真司を起点に高めのポジションをとっていた酒井宏樹の縦パスを久保が相手左サイドバックの内側を抜け出す形で受け、そのままニアを破って決めたものだった。ここでも大迫がゴール前に走り込むことで相手センターバックの対応を遅らせるなど、速い流れの中で3トップが一気に加速して攻め切る形が結果に結び付いた。
このシーンで起点になった香川は「必然的に前の3人であったり、速攻がチームの一番の強みになりつつある」と語る。ハリルホジッチ監督が植え付けてきた攻守の切り替えの速さや常に裏を狙う意識は、3トップによってその色が強まった。
強いディフェンスを背負っても味方にボールを落とせる大迫、縦に速いランニングやドリブルが得意な久保と原口という、個人で決め切る能力を持った3トップはこれまでの日本ではあまり見慣れなかったものだ。
後半の2点目は吉田のロングパスを大迫が競り勝って落とし、ボールを受けた久保が仕掛けて左足でクロスを送り、タイミング良くファーに走り込んだ今野が決める形だったが、中央では原口がディフェンスを引き付けていた。中盤の今野が加わり4人での崩しになったが、前線で攻め切る形のバリエーションと言える。
ようやく3トップを見出したハリル。アジアでは規格外の“HOK”誕生?
振り返れば大迫と久保は昨年11月にハリルジャパン初招集、原口も前回のUAE戦は途中からボランチで投入されるなど起用法が定まっていなかった。ここに来て指揮官はようやくチームスタイルを象徴する3トップを見出した感がある。
ブンデスリーガの一線で奮闘する原口と大迫、ベルギーでゴールを量産する新鋭の久保。流行にちなんで“HOK”と表現するには時期尚早かもしれないが、アジアの規格としてはかなり強力な3トップだ。
今回のUAEは、前からボールを奪いにくると背後のディフェンスが後手を踏む傾向にあった。そのような場合、日本は常に前の3人が仕掛け、中盤から後ろはそのフォローをしながら機を見て攻撃参加する形を継続していけばゴールチャンスは増える。
だが、あらかじめブロックを固められた場合にはポゼッションから起点を作って崩す形が必要になる。また、この試合でも時間帯によって緩急を使い分けられれば、ボールロストからピンチを招く場面を回避できたかもしれない。
3トップには課題も。見極めていきたい“取り扱い”
この試合はオマルの自由を封じるという目的があり、サイドから果敢にドリブルを仕掛けるエル・ハンマディを警戒する必要があった。長友佑都と酒井宏樹の両サイドバックが最終ラインからの飛び出しを自重していたことも、攻撃がより“前輪駆動型”に特化した事情かもしれない。
ただ、試合はこのまま2-0の勝利を収めたので問題ないが、いかなる試合、いかなる時間帯でも、型がはまらなかったら終わりというのは危険だ。
「サイドバックも今日はわりと相手の反撃、カウンターのためにあんまり参加していなかったので、そうなると必然的に前の3人であったり、速い攻撃が求められると思うし、そこがこのチームの1番の強みになりつつある。そこは割り切ってやるしかないですけど、そういう(ポゼッションで崩す)時間帯も必要なのかなと思います」
そう語る香川は、速い攻撃が主体となる中で味方が奪ったボールを最初に受けたり、味方が潰したこぼれ球をいち早く拾ってつなげたりと、無駄なボールロストを生じさせず攻撃につなげる役割を果たしていた。
一方で縦横無尽のハードワークで攻守に絡んだ今野、中盤の底でバランスを取り続けた山口蛍という中盤のバランスも悪くなかったが、時間帯によってより安定感と厚みのある関わり方をしていけばチームとしての機能性も高まる。
ハリルホジッチ監督は攻守の切り替えや裏への意識、デュエルといったベースを就任時から高め、この最終予選になって対戦相手をしっかりスカウティングして準備する方法を取り入れてきている。
おそらくタイ戦にはまた違った選択が用意されるだろうが、前線で攻め切ることができる3トップの強みをどう活かし、あるいは状況に応じてどう補っていくのか。さらなる戦力の台頭に期待しながらも、その“取り扱い”は今後見極めていきたいポイントだ。
“前輪駆動型”の3トップで挑んだハリルJ
アウェイの地で2得点を奪い、無失点に抑える理想的な形で勝利した日本代表。その大きな推進力となったのが大迫勇也、原口元気に久保裕也を加えた3トップだ。この日は相手の司令塔オマル・アブドゥルラフマンの対策も意識した[4-3-3]を採用したこともあり、通常の[4-2-3-1]より3トップの特性が出やすくなった。
もちろん守備時にはウィングの久保と原口がサイドハーフの位置まで下がることも少なからずあったが、攻撃の役割上は3トップと言える布陣であり、彼らのプレーにもその志向が強く出ていた。前線で攻め切る、いわゆる“前輪駆動型”の攻撃だ。
マイボールになったら前線中央の大迫にクサビのパスを入れて、彼が落としたボールを久保や原口が縦に持ち上がるというのがメインの攻撃パターンだった。次に後方からのダイアゴナルなロングパスを受けたサイドで崩し、クロスに大迫や逆サイドのウィングが合わせる形も有力なオプションの1つとなっていた。
開始5分には森重が右前方に大きく展開すると、走り込んだ久保が折り返し、大迫が合わせようとするが、うまく捉えられなかった。このシーンでは原口もファーサイドを駆け上がっており、結果的に相手3人を引き付けていた大迫がもし中に折り返せていれば得点の可能性がかなり高かった。
このシーンで興味深いのは、後方からの1本のパスを起点にいきなり3トップと相手4バックの勝負に持ち込んでいることで、しかもそこで攻め切ってしまっていることだ。この場面では相手のDFラインが揃った状態ではあったが、日本の速い攻めに付いていけていなかった。一瞬だが大迫をフリーにしてしまっており、ファーの原口も右サイドバックの内側に走り込んでいた。
これまでの日本にはなかった3トップ。香川も「速攻がチームの一番の強み」
先制点は、香川真司を起点に高めのポジションをとっていた酒井宏樹の縦パスを久保が相手左サイドバックの内側を抜け出す形で受け、そのままニアを破って決めたものだった。ここでも大迫がゴール前に走り込むことで相手センターバックの対応を遅らせるなど、速い流れの中で3トップが一気に加速して攻め切る形が結果に結び付いた。
このシーンで起点になった香川は「必然的に前の3人であったり、速攻がチームの一番の強みになりつつある」と語る。ハリルホジッチ監督が植え付けてきた攻守の切り替えの速さや常に裏を狙う意識は、3トップによってその色が強まった。
強いディフェンスを背負っても味方にボールを落とせる大迫、縦に速いランニングやドリブルが得意な久保と原口という、個人で決め切る能力を持った3トップはこれまでの日本ではあまり見慣れなかったものだ。
後半の2点目は吉田のロングパスを大迫が競り勝って落とし、ボールを受けた久保が仕掛けて左足でクロスを送り、タイミング良くファーに走り込んだ今野が決める形だったが、中央では原口がディフェンスを引き付けていた。中盤の今野が加わり4人での崩しになったが、前線で攻め切る形のバリエーションと言える。
ようやく3トップを見出したハリル。アジアでは規格外の“HOK”誕生?
振り返れば大迫と久保は昨年11月にハリルジャパン初招集、原口も前回のUAE戦は途中からボランチで投入されるなど起用法が定まっていなかった。ここに来て指揮官はようやくチームスタイルを象徴する3トップを見出した感がある。
ブンデスリーガの一線で奮闘する原口と大迫、ベルギーでゴールを量産する新鋭の久保。流行にちなんで“HOK”と表現するには時期尚早かもしれないが、アジアの規格としてはかなり強力な3トップだ。
今回のUAEは、前からボールを奪いにくると背後のディフェンスが後手を踏む傾向にあった。そのような場合、日本は常に前の3人が仕掛け、中盤から後ろはそのフォローをしながら機を見て攻撃参加する形を継続していけばゴールチャンスは増える。
だが、あらかじめブロックを固められた場合にはポゼッションから起点を作って崩す形が必要になる。また、この試合でも時間帯によって緩急を使い分けられれば、ボールロストからピンチを招く場面を回避できたかもしれない。
3トップには課題も。見極めていきたい“取り扱い”
この試合はオマルの自由を封じるという目的があり、サイドから果敢にドリブルを仕掛けるエル・ハンマディを警戒する必要があった。長友佑都と酒井宏樹の両サイドバックが最終ラインからの飛び出しを自重していたことも、攻撃がより“前輪駆動型”に特化した事情かもしれない。
ただ、試合はこのまま2-0の勝利を収めたので問題ないが、いかなる試合、いかなる時間帯でも、型がはまらなかったら終わりというのは危険だ。
「サイドバックも今日はわりと相手の反撃、カウンターのためにあんまり参加していなかったので、そうなると必然的に前の3人であったり、速い攻撃が求められると思うし、そこがこのチームの1番の強みになりつつある。そこは割り切ってやるしかないですけど、そういう(ポゼッションで崩す)時間帯も必要なのかなと思います」
そう語る香川は、速い攻撃が主体となる中で味方が奪ったボールを最初に受けたり、味方が潰したこぼれ球をいち早く拾ってつなげたりと、無駄なボールロストを生じさせず攻撃につなげる役割を果たしていた。
一方で縦横無尽のハードワークで攻守に絡んだ今野、中盤の底でバランスを取り続けた山口蛍という中盤のバランスも悪くなかったが、時間帯によってより安定感と厚みのある関わり方をしていけばチームとしての機能性も高まる。
ハリルホジッチ監督は攻守の切り替えや裏への意識、デュエルといったベースを就任時から高め、この最終予選になって対戦相手をしっかりスカウティングして準備する方法を取り入れてきている。
おそらくタイ戦にはまた違った選択が用意されるだろうが、前線で攻め切ることができる3トップの強みをどう活かし、あるいは状況に応じてどう補っていくのか。さらなる戦力の台頭に期待しながらも、その“取り扱い”は今後見極めていきたいポイントだ。
2017年03月23日
2017年03月22日
【やっとデビュー】スペインメディア注目の柴崎。20分弱のプレーに対し評価は…
スペイン2部のテネリフェに所属するMF柴崎岳は、現地時間19日に行われた第30節のレウス・デポルティウ戦に交代出場してスペインでのデビューを飾った。
1月末に加入した新天地での適応に苦戦し、デビューまで時間を要した柴崎だが、ついにその時が訪れた。前節ヘタフェ戦に続いてのベンチ入りを果たすと、74分に交代で送り出されて公式戦初出場。決定的な仕事をする場面はなかったがシンプルにパスをさばいてリズムを生み出していた。試合は前半に先制を許していたテネリフェがそのまま0-1で敗れる結果に終わった。
昨年12月のクラブ・ワールドカップ決勝でレアル・マドリーから2ゴールを奪ったことや、加入直後に退団の可能性が報じられるなど適応に苦しむ経緯が報じられてきたこともあり、スペインのメディアでも2部クラブの一選手としては異例なほど柴崎への注目度は高い。『マルカ』は「シバサキがスペインデビュー」と単独記事で伝え、「鹿島アントラーズの英雄がスペインでの彼の物語を記述し始めた」と記している。『アス』も試合レポートの冒頭で主要トピックのひとつとして柴崎の出場に触れた。
『アス』による採点では、柴崎の評価は3点満点(0〜3の4段階)の「1」。チームの大半の選手と同じ評価であり、先発の2選手のみ「2」がつけられている。勝利を収めたレウスは「1」と「2」がほぼ半数ずつという採点だ。
地元メディア『デポルプレス』は、柴崎の出場について「テネリフェに少しプレーを与えようと意図した」と言及。「すでにホセ・ルイス・マルティ(監督)のローテーションの中の一人になった」と述べ、今後もチーム内で出場機会を争うことができるという見通しを示している。
1月末に加入した新天地での適応に苦戦し、デビューまで時間を要した柴崎だが、ついにその時が訪れた。前節ヘタフェ戦に続いてのベンチ入りを果たすと、74分に交代で送り出されて公式戦初出場。決定的な仕事をする場面はなかったがシンプルにパスをさばいてリズムを生み出していた。試合は前半に先制を許していたテネリフェがそのまま0-1で敗れる結果に終わった。
昨年12月のクラブ・ワールドカップ決勝でレアル・マドリーから2ゴールを奪ったことや、加入直後に退団の可能性が報じられるなど適応に苦しむ経緯が報じられてきたこともあり、スペインのメディアでも2部クラブの一選手としては異例なほど柴崎への注目度は高い。『マルカ』は「シバサキがスペインデビュー」と単独記事で伝え、「鹿島アントラーズの英雄がスペインでの彼の物語を記述し始めた」と記している。『アス』も試合レポートの冒頭で主要トピックのひとつとして柴崎の出場に触れた。
『アス』による採点では、柴崎の評価は3点満点(0〜3の4段階)の「1」。チームの大半の選手と同じ評価であり、先発の2選手のみ「2」がつけられている。勝利を収めたレウスは「1」と「2」がほぼ半数ずつという採点だ。
地元メディア『デポルプレス』は、柴崎の出場について「テネリフェに少しプレーを与えようと意図した」と言及。「すでにホセ・ルイス・マルティ(監督)のローテーションの中の一人になった」と述べ、今後もチーム内で出場機会を争うことができるという見通しを示している。