「市民」に関しては、2000年代以降、メディアの報道を「自己都合で意図的に情報を隠蔽する」ものとして否定的に捉え始めたと分析。
「メディア自身」に関しては、ネット上の「アクセス数」が絶対視される時代にあって、ユーザーの反応が何よりも優先され、ジャーナリズムの理論や原則が軽視される風潮が報道機関の内部にもある事を指摘。
ジャーナリストの青木理は「警察腐敗 内部告発者は何故逮捕されたのか」(「世界」8月号)で、鹿児島県警で相次ぐ不祥事を詳しく報じ、「貴重な情報提供者や内部告発者からの信頼」を失いつつあると大手メディアの危機を強く訴えた。
青木は、元幹部が鹿児島県内の大手メディアには情報を提供しようとしなかった事を重大視し、「警察の不正に関心を持たず、積極的に取材もしてくれない」と認識されてしまっていると嘆く。
社会学者の花田達朗は新たなジャーナリズムの形を考えた。
朝日新聞の元記者らが高知で立ち上げ、地域からの地道なニュース発信に取り組むサイト「 News Kochi 」を紹介し、全国各地に散らばる「ヤメ記者」の活躍と連携に期待した。
花田によると、米国ではリーマン・ショックの頃に多くの報道機関が潰れ、権力監視の空白地帯が生まれて汚職の増加が目立つ様になった。
その危機感から非営利のニュースサイトが多く立ち上がったと言い、米国と日本の状況は「何処か似ている」と述べる。
1人で本を作る「一人版元」が増えている点にも言及し、言論や出版の自由を実践する新たなアフターが「この国のジャーナリズムの景観を作り、地平を広げていくのではないか」と結んだ。
愛媛新聞 焦点/争点から
言葉を真摯に受け止め、次なる一歩を踏み出す勇気を持つべきらしい。
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