2020年05月07日
韓国、北朝鮮日帝残滓の肥料工場
久々の、鮮于鉦氏のコラムだな、皮肉な記事だがこれじゃ自由は守れぬ、それにしても
何局の副局長はしらぬが出世したね。
【朝鮮日報コラム】「王の帰還」がそんなにうれしいか
▲鮮于鉦・副局長
金正恩死亡説に対する過度の攻撃、金正恩の登場に対する過度の喜色、
財政赤字拡大に対する過度の主張…共通の理由あり
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が20日ぶりに現れるや、
青瓦台(韓国大統領府)と与党の民主党は、野党に向けた攻撃で感情をあらわにした。
金正恩死亡説を唱えた人々に対し「無責任な発言」「うその宣伝」
「関種(関心種子。かまってちゃん)であることを立証」
「国家的な怒りを呼びかねない深刻な安全保障上の危害」など、準備されたかのような非難を浴びせた。
彼らが脱北民だという理由で「共産主義に忠誠だった過ちを返上するための、
過剰な忠誠」という主張も行った。
政権中枢部の本音は、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代に統一部(省に相当)長官を
務めていた李在禎(イ・ジェジョン)京畿道教育監
(教育委員会に相当する教育庁のトップ)の喜びの声が適切に代弁していると思う。
「肥料工場竣工式に金委員長が姿を現したのは、食料と人民の生命を尊重する意味で
あって、平和の道に進みたいというメッセージであるのは間違いない」。
青瓦台と民主党は、北朝鮮軍が韓国に向けて高射銃を撃ち、北朝鮮メディアが
「南朝鮮当局の罪悪は何をもってしても隠せない」と攻撃しても沈黙した。
金正恩の潜行ショーをとにかく平和のメッセージとして読み解きたいという政権の
確固たる姿勢は、野党関係者の金正恩死亡説よりはるかに「無責任」で、はるかに
「深刻な安全保障上の危害」を与えかねない。
北朝鮮がサプライズショーを肥料工場で演出したのは象徴的だ。
韓国に対する北朝鮮の肥料依存率は、一時70%に達していた。
北朝鮮の核問題で支援が途絶えた後、北朝鮮が掲げた目標が
「肥料100万トン、穀物1000万トン生産」だ。
食糧生産は肥料生産に完全に左右される。肥料自立は、政権の安全保障に重要な
食糧調達問題で韓国への依存から抜け出すことを意味する。
このために北朝鮮が推進している中心的な事業が、肥料生産の工程で輸入石油を
代替する石炭ガス化と、北朝鮮に大量に埋蔵されているリン灰石を活用した
リン肥料工場の建設だ。
順川リン肥料工場竣工式で実現した「王の帰還」は、韓国に向けた高射銃挑発と共に、一貫したメッセージを伝えている。「韓国は必要ない」というものだ。
北朝鮮の肥料工場には、歴史的象徴性もある。
体制矛盾が誘発した経済の失敗を象徴する代表的産業、という部分だ。
日帝が北朝鮮に残した化学肥料工場の生産能力は年間74万トンに達した。
48万トンを生産する興南肥料工場は、当時世界第2位の規模だった。北朝鮮は、
この「敵産」を拡張して1980年に300万トンを超える生産能力を構築したが、その後、没落を重ねた。
今の生産能力は日帝強占期の水準にも満たない。
韓国は分断直後、北朝鮮の供給停止により、肥料を全て輸入して辛うじて食べていた。そんな韓国が金大中(キム・デジュン)、盧武鉉政権の10年間に肥料をばらまき、
北朝鮮同胞が食べていけるようにした。
「アリとキリギリス」の寓話(ぐうわ)も、ここまでドラマチックではない。
北朝鮮の肥料産業が没落した理由は明らかだ。
北朝鮮が政治的・経済的孤立を選んだことで、エネルギー難と原料難により
生産施設を稼働させることができなかった。工場は一時、スクラップに変わった。
衝撃は農業政策からもやって来た。農地集団化と穀物配給制度、棚田が象徴する
「主体農法」の強要で国土が荒廃した。農業そのものが崩壊した。
北朝鮮経済の没落は、完全に体制のせいだ。体制がそのままである限り、肥料工場を
どれほど建てても、金正恩もまた祖父・父と同じ失敗を繰り返すほかない。
かといって体制を変えることもできない。それは王朝の没落だからだ。
金正恩潜行騒動を前後して、韓国では財政論争が展開した。
コロナ経済対策のため韓国政府が抱え込める借金の限度を巡る論争だ。
与党側はGDP(国内総生産)比60%以上の大幅拡大を主張した。
反対する側からは、今赤字を拡大したら未来の世代が高齢化に伴う福祉費用に
耐えられない、と主張した。だが、隠されたもう一つの重要な争点がある。
4年前に韓国政府が財政赤字比率の法的限度を45%と定めた際、福祉費用と共に
統一費用を理由に挙げた。
韓国には特別なリスクがあるので財政には一段と厳格であるべき、という論理だった。
60%対45%論争は、単なる財政論争ではなく統一論争だ。
与党側の主張の通り赤字を大幅に増やし、統一の物的土台が崩れたとき、韓国は
どんな選択ができるだろうか。
金正恩政権を延命させて統一を遅らせるか避けるかする方法しかないのでは
なかろうか。
文在寅(ムン・ジェイン)政権の財政拡大の主張には、そんな未来を望む人々の
意思が反映されていると思う。金正恩死亡説を過度に非難し、
金正恩の帰還を過度に喜ぶ理由もここにあるのだろう。
CNNテレビの報道後から10日間続いた事件は、空騒ぎではない。金正恩のジレンマと
金正恩後の韓半島統一問題を久々に考えるチャンスをもたらしたという点で、
価値があると思う。文政権には「金正恩後」について何の考えもないという事実を
発見したことも、意味があるといえばあるかもしれない。
鮮于鉦(ソンウ・ジョン)副局長
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
何局の副局長はしらぬが出世したね。
【朝鮮日報コラム】「王の帰還」がそんなにうれしいか
▲鮮于鉦・副局長
金正恩死亡説に対する過度の攻撃、金正恩の登場に対する過度の喜色、
財政赤字拡大に対する過度の主張…共通の理由あり
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が20日ぶりに現れるや、
青瓦台(韓国大統領府)と与党の民主党は、野党に向けた攻撃で感情をあらわにした。
金正恩死亡説を唱えた人々に対し「無責任な発言」「うその宣伝」
「関種(関心種子。かまってちゃん)であることを立証」
「国家的な怒りを呼びかねない深刻な安全保障上の危害」など、準備されたかのような非難を浴びせた。
彼らが脱北民だという理由で「共産主義に忠誠だった過ちを返上するための、
過剰な忠誠」という主張も行った。
政権中枢部の本音は、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代に統一部(省に相当)長官を
務めていた李在禎(イ・ジェジョン)京畿道教育監
(教育委員会に相当する教育庁のトップ)の喜びの声が適切に代弁していると思う。
「肥料工場竣工式に金委員長が姿を現したのは、食料と人民の生命を尊重する意味で
あって、平和の道に進みたいというメッセージであるのは間違いない」。
青瓦台と民主党は、北朝鮮軍が韓国に向けて高射銃を撃ち、北朝鮮メディアが
「南朝鮮当局の罪悪は何をもってしても隠せない」と攻撃しても沈黙した。
金正恩の潜行ショーをとにかく平和のメッセージとして読み解きたいという政権の
確固たる姿勢は、野党関係者の金正恩死亡説よりはるかに「無責任」で、はるかに
「深刻な安全保障上の危害」を与えかねない。
北朝鮮がサプライズショーを肥料工場で演出したのは象徴的だ。
韓国に対する北朝鮮の肥料依存率は、一時70%に達していた。
北朝鮮の核問題で支援が途絶えた後、北朝鮮が掲げた目標が
「肥料100万トン、穀物1000万トン生産」だ。
食糧生産は肥料生産に完全に左右される。肥料自立は、政権の安全保障に重要な
食糧調達問題で韓国への依存から抜け出すことを意味する。
このために北朝鮮が推進している中心的な事業が、肥料生産の工程で輸入石油を
代替する石炭ガス化と、北朝鮮に大量に埋蔵されているリン灰石を活用した
リン肥料工場の建設だ。
順川リン肥料工場竣工式で実現した「王の帰還」は、韓国に向けた高射銃挑発と共に、一貫したメッセージを伝えている。「韓国は必要ない」というものだ。
北朝鮮の肥料工場には、歴史的象徴性もある。
体制矛盾が誘発した経済の失敗を象徴する代表的産業、という部分だ。
日帝が北朝鮮に残した化学肥料工場の生産能力は年間74万トンに達した。
48万トンを生産する興南肥料工場は、当時世界第2位の規模だった。北朝鮮は、
この「敵産」を拡張して1980年に300万トンを超える生産能力を構築したが、その後、没落を重ねた。
今の生産能力は日帝強占期の水準にも満たない。
韓国は分断直後、北朝鮮の供給停止により、肥料を全て輸入して辛うじて食べていた。そんな韓国が金大中(キム・デジュン)、盧武鉉政権の10年間に肥料をばらまき、
北朝鮮同胞が食べていけるようにした。
「アリとキリギリス」の寓話(ぐうわ)も、ここまでドラマチックではない。
北朝鮮の肥料産業が没落した理由は明らかだ。
北朝鮮が政治的・経済的孤立を選んだことで、エネルギー難と原料難により
生産施設を稼働させることができなかった。工場は一時、スクラップに変わった。
衝撃は農業政策からもやって来た。農地集団化と穀物配給制度、棚田が象徴する
「主体農法」の強要で国土が荒廃した。農業そのものが崩壊した。
北朝鮮経済の没落は、完全に体制のせいだ。体制がそのままである限り、肥料工場を
どれほど建てても、金正恩もまた祖父・父と同じ失敗を繰り返すほかない。
かといって体制を変えることもできない。それは王朝の没落だからだ。
金正恩潜行騒動を前後して、韓国では財政論争が展開した。
コロナ経済対策のため韓国政府が抱え込める借金の限度を巡る論争だ。
与党側はGDP(国内総生産)比60%以上の大幅拡大を主張した。
反対する側からは、今赤字を拡大したら未来の世代が高齢化に伴う福祉費用に
耐えられない、と主張した。だが、隠されたもう一つの重要な争点がある。
4年前に韓国政府が財政赤字比率の法的限度を45%と定めた際、福祉費用と共に
統一費用を理由に挙げた。
韓国には特別なリスクがあるので財政には一段と厳格であるべき、という論理だった。
60%対45%論争は、単なる財政論争ではなく統一論争だ。
与党側の主張の通り赤字を大幅に増やし、統一の物的土台が崩れたとき、韓国は
どんな選択ができるだろうか。
金正恩政権を延命させて統一を遅らせるか避けるかする方法しかないのでは
なかろうか。
文在寅(ムン・ジェイン)政権の財政拡大の主張には、そんな未来を望む人々の
意思が反映されていると思う。金正恩死亡説を過度に非難し、
金正恩の帰還を過度に喜ぶ理由もここにあるのだろう。
CNNテレビの報道後から10日間続いた事件は、空騒ぎではない。金正恩のジレンマと
金正恩後の韓半島統一問題を久々に考えるチャンスをもたらしたという点で、
価値があると思う。文政権には「金正恩後」について何の考えもないという事実を
発見したことも、意味があるといえばあるかもしれない。
鮮于鉦(ソンウ・ジョン)副局長
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
タグ:韓国
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