2016年11月03日
韓国で話題沸湯中、チェ・スンシル・セット
金もうけにはすぐに飛びつく、熱しやすく、すぐに冷める、すべては
民族資質、くり返してほしくは無くても民族の習性だ、
【コラム】崔順実を「消費」する韓国社会
大韓民国の国政を私物化していた崔順実(チェ・スンシル)氏が31日に
ソウル中央地検に出頭した際、その履いていた靴が大きな話題になった。
崔氏は取材記者らやデモ隊に押されるようにして検察庁の建物に入ったが、
その際、彼女が履いていた靴の片方が脱げてしまった。
カメラはその靴にイタリアのブランド名が記されていたことをしっかり
捉えた。これを受け崔氏を小説『プラダを着た悪魔』になぞらえ
『プラダを履いた悪魔』などと皮肉る声や、占い師とも言われることから
「悪魔そのもの」になぞらえる声が出始めている。
それからしばらくすると「崔順実の靴」がネット検索ワードランキングの
1位となった。
メディアもその靴について価格などの商品情報を先を争って伝えた。
この靴に関する報道には「昨年の春夏コレクションで、現在は品切れ中。
よく似たデザインの商品が今年新商品として発売された」
「さほど人気が高いわけではないが、ブランド愛好家の間では非常に
よく知られている」といった
業界関係者のコメントが紹介されていた。また崔氏が着用していたコート、
スカーフ、かばんなどもどこのメーカーの商品かに注目が集まった。
ちなみにかぶっていた帽子のメーカーとみられるあるブランドの
ホームページには今なおアクセスが集中し、一時はサーバーがダウンしたと
いう。
デパートの関係者は「崔順実氏が着ていた服や履いていた靴、持っていた
かばんなどがあるかといった問い合わせが殺到している」と伝えた。
あるネット・ショッピングモールは先月25日、ツイッターに乗馬の
道具、コムタン(牛テールスープ)、のり、
コーヒーミックス(インスタントコーヒー、砂糖、粉末クリームを
1杯分ずつスティック状に包んだもの)などの写真を掲載し販売に力を
入れている。いわゆる
「崔順実セット」と呼ばれるものだ。
崔氏の娘、チョン・ユラ氏は乗馬のスポーツ推薦という形で梨花女子大学に
裏口入学した疑惑があり、また崔氏とチョン氏はドイツのあるホテルに
滞在していたが、メディアの取材が始まると姿をくらました。その際、
泊まっていたホテルの部屋のくず籠から
コムタン、のり、コーヒーミックスなどの袋が見つかったそうだ。
このショッピングモールは2年前、大韓航空の趙顕娥(チョ・ヒョンア)
元副社長による「ナッツリターン」事件の時も、これをマーケティングに
利用したことで知られる。当時は
「言葉はいらない。そのピーナツ(実際はマカデミアナッツ)」という
キャッチコピーがツイッターに掲載されて話題となり、しばらくするとこの
サイトのマカデミアナッツ販売は前の週に比べて149%も増加したという。
一方で崔順実セットについては「企業による気の利いた風刺」という見方も
あれば「企業の販売戦略にも一定の節度を持つべき」といった反対の声も
あったため、サイトは問題のツイッター文書を削除した。
武器ロビイストのリンダ・キム氏、キュレーターのシン・ジョンア氏、
脱獄した申昌源(シン・チャンウォン)受刑者などが世間の注目を集めた
時も、実は同じような現象が起こっていた。
大衆はカメラのフラッシュの前でうなだれる当事者に批判の声を
浴びせながらも、一方でどんな服を着ているか、
何を食べどこに住んでいるかなどに強い関心を持つ。ちなみにこれら
一連の問題もしばらくすれば落ち着くと思っていたが、国防をめぐる
不正はその後も続き、財閥オーナー家族らによる横柄な態度は相変わらず
世間から厳しく批判され、凶悪犯罪が収まる気配も一向に見られない。
崔氏を「悪魔」などと批判しながら、彼女が履いていた靴に熱狂する
背景には、この種の社会悪を軽々しく考え消費する風潮がある。
今は崔氏による国政私物化の範囲とその実態を明らかにし、これに
朴槿恵(パク・クンヘ)大統領がどこまで介入していたかを明らかに
しなければならない重要な時期だ。
それでも国民は「悪魔が出てきた」などと国がひっくり返るほどの
大騒ぎをしたかと思えばすぐ覚め、またしばらくすると
「また別の悪魔が出てきた」と言ってはいたずらに興奮するだろう。
このようなパターンはもう繰り返してほしくない。
週末ニュース部=チョン・ヒョンソク記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
民族資質、くり返してほしくは無くても民族の習性だ、
【コラム】崔順実を「消費」する韓国社会
大韓民国の国政を私物化していた崔順実(チェ・スンシル)氏が31日に
ソウル中央地検に出頭した際、その履いていた靴が大きな話題になった。
崔氏は取材記者らやデモ隊に押されるようにして検察庁の建物に入ったが、
その際、彼女が履いていた靴の片方が脱げてしまった。
カメラはその靴にイタリアのブランド名が記されていたことをしっかり
捉えた。これを受け崔氏を小説『プラダを着た悪魔』になぞらえ
『プラダを履いた悪魔』などと皮肉る声や、占い師とも言われることから
「悪魔そのもの」になぞらえる声が出始めている。
それからしばらくすると「崔順実の靴」がネット検索ワードランキングの
1位となった。
メディアもその靴について価格などの商品情報を先を争って伝えた。
この靴に関する報道には「昨年の春夏コレクションで、現在は品切れ中。
よく似たデザインの商品が今年新商品として発売された」
「さほど人気が高いわけではないが、ブランド愛好家の間では非常に
よく知られている」といった
業界関係者のコメントが紹介されていた。また崔氏が着用していたコート、
スカーフ、かばんなどもどこのメーカーの商品かに注目が集まった。
ちなみにかぶっていた帽子のメーカーとみられるあるブランドの
ホームページには今なおアクセスが集中し、一時はサーバーがダウンしたと
いう。
デパートの関係者は「崔順実氏が着ていた服や履いていた靴、持っていた
かばんなどがあるかといった問い合わせが殺到している」と伝えた。
あるネット・ショッピングモールは先月25日、ツイッターに乗馬の
道具、コムタン(牛テールスープ)、のり、
コーヒーミックス(インスタントコーヒー、砂糖、粉末クリームを
1杯分ずつスティック状に包んだもの)などの写真を掲載し販売に力を
入れている。いわゆる
「崔順実セット」と呼ばれるものだ。
崔氏の娘、チョン・ユラ氏は乗馬のスポーツ推薦という形で梨花女子大学に
裏口入学した疑惑があり、また崔氏とチョン氏はドイツのあるホテルに
滞在していたが、メディアの取材が始まると姿をくらました。その際、
泊まっていたホテルの部屋のくず籠から
コムタン、のり、コーヒーミックスなどの袋が見つかったそうだ。
このショッピングモールは2年前、大韓航空の趙顕娥(チョ・ヒョンア)
元副社長による「ナッツリターン」事件の時も、これをマーケティングに
利用したことで知られる。当時は
「言葉はいらない。そのピーナツ(実際はマカデミアナッツ)」という
キャッチコピーがツイッターに掲載されて話題となり、しばらくするとこの
サイトのマカデミアナッツ販売は前の週に比べて149%も増加したという。
一方で崔順実セットについては「企業による気の利いた風刺」という見方も
あれば「企業の販売戦略にも一定の節度を持つべき」といった反対の声も
あったため、サイトは問題のツイッター文書を削除した。
武器ロビイストのリンダ・キム氏、キュレーターのシン・ジョンア氏、
脱獄した申昌源(シン・チャンウォン)受刑者などが世間の注目を集めた
時も、実は同じような現象が起こっていた。
大衆はカメラのフラッシュの前でうなだれる当事者に批判の声を
浴びせながらも、一方でどんな服を着ているか、
何を食べどこに住んでいるかなどに強い関心を持つ。ちなみにこれら
一連の問題もしばらくすれば落ち着くと思っていたが、国防をめぐる
不正はその後も続き、財閥オーナー家族らによる横柄な態度は相変わらず
世間から厳しく批判され、凶悪犯罪が収まる気配も一向に見られない。
崔氏を「悪魔」などと批判しながら、彼女が履いていた靴に熱狂する
背景には、この種の社会悪を軽々しく考え消費する風潮がある。
今は崔氏による国政私物化の範囲とその実態を明らかにし、これに
朴槿恵(パク・クンヘ)大統領がどこまで介入していたかを明らかに
しなければならない重要な時期だ。
それでも国民は「悪魔が出てきた」などと国がひっくり返るほどの
大騒ぎをしたかと思えばすぐ覚め、またしばらくすると
「また別の悪魔が出てきた」と言ってはいたずらに興奮するだろう。
このようなパターンはもう繰り返してほしくない。
週末ニュース部=チョン・ヒョンソク記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
タグ:韓国
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