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2014年04月20日

韓国社会ニュース

【コラム】責任持つべき人間が真っ先に逃げ出す国

最後まで残るべき船長が船と乗客を捨てて真っ先に脱出
誤った案内放送で犠牲増やす

旅客船「セウォル号」の惨事を報じた本紙電子版の記事に、ある読者が
こんなコメントを付けた。胸を打つ内容なので、そのまま引用する。

「17−19世紀に英国が帝国を建設した際、船乗りには大原則があったといいます。
船が沈むときには女性と子どもを先に逃がし、救命ボートの座席が残っていたら
男性を逃がし、最後に船員が逃げるというものです。
この原則に背いたらその場で銃殺され、船員たちは死の恐怖に耐えるため、沈む船の
甲板に整列して歌を歌ったといいます」

船員たちが歌を歌って乗客を送り出す、というところが胸を打つ。この大原則は、
1912年の海難事故を題材にした映画『タイタニック』でもリアルに描かれている。
大西洋を横断中だった客船「タイタニック」号が氷山に衝突すると、英国人の船長は
「女性と子どもから救命ボートに乗せるように」と指示した。健常な男性は
後回しだった。その結果、ケイト・ウィンスレットは生き残り、
レオナルド・ディカプリオは命を落とした。最後まで船を守った船長は
「英国人らしく行動せよ(Be British)」と船員たちを激励し、
船長と船員は全員沈む船と共に死亡した。

女性と子どもを優先する理由は、弱者だからだ。
20世紀初めまで世界の秩序を主導した英国は、強者が弱者に配慮するのが「文明」と
考えた。船の中で最も力を持っているのは、船の事情をよく知る船員だ。
(1)女性・高齢者
(2)男性
(3)船員の順で定められた脱出の順位は、100年前であろうと今であろうと
変わらない。世界共通の客船避難マニュアルにも
「船員は最後まで乗客を援助すべき」と書いてある。しかし
「セウォル号」では、順序が逆だった。「文明」ではなく「野蛮」な状況だった。

今回の惨事を見ていて最も怒りを感じたのは、乗組員と生徒たちの救出率の差だ。
乗組員は69%(29人中20人)の生存が確認された。しかし修学旅行中だった
安山・檀園高校2年生の救出率は23%にすぎない。ほとんどの生徒は、
乗組員が船を去っていると知らないまま、右往左往して惨事に遭った。

関係者の証言を総合すると、乗員乗客475人のうち、脱出第1号だった可能性が
高いとみられるのは船長だ。船長は、午前9時ごろに遭難信号を発信してから、
わずか30分で船を捨てた。船員の多くも同様だった。
脱出の列の最後にいるべき船員たちが、一番先頭にいたわけだ。
船が完全に沈没したのは、船員たちが逃げ出してから1時間50分もたった後の
ことだった。
乗組員には、乗客を避難させる時間が2時間近くもあった。しかし船員たちは、
そうしなかった。

朴正薫(パク・チョンフン)デジタル担当副局長
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
タグ:日本、韓国
posted by 豊後国主 at 20:30 | Comment(0) | TrackBack(0) | 記事
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