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2014年11月22日

カウンターを囲んで @Seoul

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手打ち麺にうす味のスープがおいしい。

やってきた熱々のうどんを頬張ると淡いうまみが広がった。
ハッキリした味が多い韓国料理にしてはめずらしい味付け。
他の客はみんな「餃子入りうどん」や「茹で餃子」を食べている。
うどんもおいしいらしいが、餃子が人気の品のようだ。

日本人好みのダシの効いた味で、熱々のスープがたまらない。

「これ、適当に入れて食べて」

目の前に塩漬けの青菜とキムチの壷が陣取っている。
客は好きなだけとって、食べていいらしい。

「オイシイなあ」

なにげなく日本語でそうつぶやくと、他の客が反応した。

「オイシイデスカ?」

「あれ? 日本語わかるんですか?」

「少し勉強したことがあります。でもムズカシイネ」

「それなら同じですよ。ハングルむずかしいね」

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正面に座って、ビビンパをつついていたオンナのコが上手な日本語で受け答えしてくれた。
こちらの話を他の客や店のオバチャンに説明している。

「オイシ〜?」

変なイントネーションで店のオバチャンが話しかけてくる。

「マシソヨ〜。マシソヨ〜」

おばちゃんの問いかけに片言のハングルで答えると、かなりウケたようだ。
つられたのか、隣の年配夫婦も餃子をつつきながら、声を出して笑っている。

カメラバッグを担いだヘンな観光客を失笑しているのか、
おかしなハングルの発音がウケているのかはわからない。
少なくとも食事のテーブルは楽しい雰囲気に包まれた。

「ここでビビンパ出しているんですか?」

「いえ、ビビンパはとなりの店からもって来ました」

その辺はおかまいなしらしい。
この辺りが韓国スタイルだ。

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「このスープがおいしい、とアジュンマ(おばちゃん)に伝えてください」

彼女に告げると、そのままオバチャンに訳して伝えてくれた。

「この店のスープの味はおばあちゃんからの味だソウデスヨ」

「チョンマル・マシソヨ〜。タン?クッ? イゴ マシソヨ」
(ホントにおいしいです。ツユ?汁? これがおいしいです)

と片言かつ文法的にデタラメなハングルで感激した味の感想を述べた。

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「うれしいわねえ〜。ホラ、コレ」

ヘンなハングルをしゃべる外国人に気をよくしたのか、
茹で上がったばかりの餃子を3つばかり、食べかけのドンブリに放り込んでくれた。

「え〜、ギョウザ頼んでないですよお」

「サビスヨ。オバアチャンの味、オイシイといってくれたから」

「サービスって言ってます、食べてください」

「今のはわかりますよ〜」

「通訳イラナかったですね〜」

「アジュンマ〜、カムサハムニダ〜」

カウンターがみなの笑い声に包まれた。










posted by delfin at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Seoul

市場の片隅で @Seoul

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ランチタイムに市場に潜りこんだ。

東大門エリアから程近い「広蔵市場(カンジャンシジャン)」。
民族衣装からキムチまで、地元の人たちの生活用品はモチロン、
観光客の購買意欲をそそるようなみやげ物も並んでいる気さくな市場だ。

中央でクロスするメインの通りの真ん中はおかまいなしに出店が占領している。
ホトンドが食事をさせる店で、
揚げ物や海鮮鍋の店が通りの両サイドに軒を連ね、
中央はビビンパやパジョン、マッコリを出す屋台が占めている。

ニギヤカな中央部は「ピンデトック」の店が連なり
おいしそうな香りと元気な湯気が辺りを埋めている。

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混雑するその場所を避け、出店を眺めながら歩くと、
ひときわ混雑している店があった。

カルグクスの店。

6〜7人が座れるカウンター席が空くのを待っている人がいる。
行列するほどではないが、相手は誰かが座り、食べ終わっては次の人が注文している。
どうやら地元の人に人気のお店のよう。

「カルグクス」はカンタンにいうと韓国式うどん。

「カル」は包丁、「ククス」は麺を表し、
機械で押し出す冷麺などの麺類(ミョン)と一線を画すかのようにこの名がついている。
通常、小麦粉で練られ、手打ちの場合は「ソン・カルグクス」などといわれるようです。

米粉で練られた「サル・グクス」とか、
豆の粉が入った「コン・グクス」などもあるみたいですよ。
オモシロ造語ですね。

韓国料理として有名な「ビビンパ」も「ビビン」=混ぜる、「パプ」=ご飯の合成語。
お店で「パプ ジュセヨ〜」っていうと白いご飯がもらえます。

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席が空くのを待っていると、調理している傍らの奥の席がなんとか空いた。

さっきまで餃子の皮にタネを包んでいたオバチャンが、
カウンターの上に散らばった調理道具を片付け、食べる場所を作ってくれる。

「一人? ならここに座りなさい」

「一人です、そこに座ります」

狭いスペースにアヤシイ日本人を送り込むため、
食べていた人たちが一旦、食事を停めて、腰を上げ、通れる隙間を作ってくれた。

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「なに食べるの?」

「カルグクス、ひとつ。

「ダイジョウブ? アンタ狭くない?」

「ケンチャナヨ〜」

「ダイジョウブ」を意味する韓国語を口にすると、オバチャンも他の客も表情が急に和んだ。











posted by delfin at 11:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Seoul
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